- Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101257723
作品紹介・あらすじ
「昔、文字は本当に生きていたのじゃないかと思わないかい」。始皇帝の陵墓づくりに始まり、道教、仏教、分子生物学、情報科学を縦横に、変化を続ける「文字」を主役として繰り広げられる連作集。文字同士を闘わせる言語遊戯に隠された謎、連続殺「字」事件の奇妙な結末、本文から脱出して短編間を渡り歩くルビの旅……。小説の新たな地平を拓いた12編、川端康成文学賞・日本 SF 大賞受賞。
感想・レビュー・書評
-
文字に係る連作短編集。すごく難解です。読めない漢字やわからない言葉が頻出します。なんとなくで読み流しましたが、がっちり理解するためにはスマホや漢字辞典なので都度調べながら読むといいかもしれません。
四でも読んでも進まない本で、なんとなくで読んでるとふと何を読まされてるのかわからなくなります。いつかちゃんと調べながらじっくりと読み下したい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
これを理解し楽しむには、まだ修行が足りないようです。
ごめんなさいレベルを上げて出直します。 -
久々に読んだけどやっぱり圧倒される。そしてやっぱりすべてを理解することは出来なかった。
本作は文字自体が主役となり、文字たちと踊るように綴られた短編集であり、実験的な手法で様々な小説を書いてきた円城塔の哲学や小説技法をふんだんに盛り込んだひとつの到達点と言えるだろう。
文字に振られた”ルビ”の方がめちゃくちゃ自己を主張してきたり、文字どおしが戦いを繰り広げたり、「門」という文字が様々な文字を生み出していったり、とにかく理解できるできないに関わらず異様な感触を読むものに与えてくる。作中の表現を借りれば「文字が”生きている”」という錯覚に陥るほど、各短編で文字たちがうごめいており、凄すぎて作者大丈夫か?と心配になるくらいだ。
正直精読していっても頭に入ってこない部分もあり手強い作品ではある。とはいえ兵馬俑、オートマトン、源氏物語、ボルヘス、プログラミング、密教など、様々なモチーフが各短編には入っており、自分なりのフックを見つけて格闘するかのように読むのが正解なのかもしれない。
「梅枝」なんかは作者である円城塔の文字に対する異常な執着と偏愛、問題意識や哲学が込めらており、『源氏物語』の一説をカタカナにすることで「小説を書くことの意義」や「小説を読むことの不確定性」を提示しており面白かった。
映像化、どころかオーディオブックにすることさえ不可能な小説であり、おそらく翻訳するのも難しいだろう。日本語の「文字」と戯れ、文字を転がし、文字と向き合い、その”生態”を観察した究極の「文字小説」。間違いなく奇書ですね、これは。 -
相変わらず円城塔は、人類にはまだ早いな…(※褒めてる)
-
読んでいてとても興味深かったのだけど、ちょっと難しかったです。「誤字」の章は驚かされましたね。
-
字が生き物のように蠢く様が不思議な感覚。
-
文字が生き物である世界を描いた作品。この世界に入り込める人とそうでもない人で大きく2分されそうな作品。
259ページあたりからが一番衝撃を受けたかな。
こんな作品は、どこにもないユニークの極み。 -
難しい。哲学的であり、科学的であり、とらえどころがない。
-
難しい!
文字の歴史と生態を、史実と絡めて書いている(と思う)のだけれど、知識が足りず表層だけしか掬えていない気がする。
え、むしろこれは実在の話では…?(混乱)
久しぶりに解説で、本当に解説してもらいました。
とはいえ表層だけでも文章やギミックそのものが面白く、クスッとする場面もあって楽しみました。
いつかすごく時間がある時に、参考文献あたりながら、調べながらリベンジしたい…。