ライアー (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 289
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  • Amazon.co.jp ・本 (725ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101260334

作品紹介・あらすじ

美しき妻の素顔は秘密機関に属する凄腕の暗殺者。穏やかな研究者の夫。素直に育った息子。幸せな家庭に恵まれた神村奈々の真の姿は対象人物の「国外処理」を行う秘密機関の工作員だ。ある日、夫が身元不明の女と怪死を遂げた。運命の歯車は軋みを立て廻り始める。次々と立ちはだかる謎。牙を剥く襲撃者たち。硝煙と血飛沫を浴び、美しき暗殺者はひとり煉獄を歩む。愛とは何か――真実は何処に? アクション・ハードボイルドの最高傑作。

感想・レビュー・書評

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  • 女性の殺し屋が、一般の男性と結婚するも家族に隠れて殺し屋稼業を続ける「嘘」。
    夫の死に対して、「愛していたわけじゃない」と自分につく「嘘」。
    神村の今後が気になる。

  • 大勢の嘘つき(ライアー)が登場するが、主人公の神村奈々、夫の洋祐、義父の元警察官僚、研究所の大場などなど、それぞれ表と裏がある.殺人を仕事としている神村は息子智の前では普通の母親だが、義父は内情を知っている.夫の洋祐が突然死亡したことから話が展開する.冷静な神村に疑念を抱いた新宿署の駒形と神村が夫と一緒に焼け死んだ女の身元調査をする中で、研究所が国外での作業(殺人)だけを実施しているのに対して、国内でそれを行っている連合会の存在が明らかになる.弾丸が飛び交う場面が次々に登場し、スリルが味わえるが、神村のスキルの凄さが実証されることになる.連合会の連中との戦いでわずかに傷を負った神村が、最後に息子の智との生活を掴み取ったのは、彼女の母性本能が優ったのだと感じた.一番のライアーは妻の仕事内容を知っていながら、統計学の教授として立ち回っていた夫の洋祐だと思う.

  • 殺人を仕事とする主人公が、夫の死亡事故に疑問を持ち、真相に辿り着くまでを描くストーリー。

    冒頭から既視感を感じたのは再読だったからだが、途中の展開も結末も全く思い出せなかった。
    おそらく結末に消化不良さを感じたからか、と思う。

  • やっぱり大沢在昌は秘密組織ものが最高にいい! 

  •  この前久しぶりに大沢在昌さんの新宿鮫シリーズの最新刊「黒石」を読んだところですが、本書はちょっと前の作品です。
     なかなかの力作、文庫本でも700ページを越えるボリュームで、正直冗長に感じるところもありましたが、ストーリーにはしっかりと一本芯が通っています。「ライアー」というタイトルもシンプルですが、秀逸ですね。
     この作品なら、映画化されても十分エンターテインメント作品として楽しめそうです。

  • ふむ

  • もしかしたら世界のどこかで起こっているハードボイルドなのかも。スピード感があり、あっという間に読了。エンターテイメントとして面白かった。3.5

  • 対象人物の「国外処理」を行う秘密機関の工作員である主人公の夫が、身元不明の女と怪死を遂げた真相を探るアクション・ハードボイルド。

  • 帯に「美しき妻。愛情深き母。その正体は凄腕の暗殺者」で手に入れました。
    しかし期待していた内容はシリアスと言うか、地味でした。

  • 夫の死の謎を究明しようとする、暗殺者である妻の物語。
    重厚ではあるが、逆にそこが現実的でない。というか、ヒューマニティーでないというか。
    原因を探るまでの過程が機械的というか、うーん、なんて言ったらいいんだろう。
    ハードボイルドに特化しすぎて、心情が心に響かない。

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著者プロフィール

1956年愛知県名古屋市生まれ。慶応義塾大学中退。1979年に小説推理新人賞を「感傷の街角」で受賞しデビュー。1986年「深夜曲馬団」で日本冒険小説協会大賞最優秀短編賞、1991年『新宿鮫』で吉川英治文学新人賞と日本推理作家協会賞長編部門受賞。1994年には『無間人形 新宿鮫IV』直木賞を受賞した。2001年『心では重すぎる』で日本冒険小説協会大賞、2002年『闇先案内人』で日本冒険小説協会大賞を連続受賞。2004年『パンドラ・アイランド』で柴田錬三郎賞受賞。2010年には日本ミステリー文学大賞受賞。2014年『海と月の迷路』で吉川英治文学賞を受賞、2022年には紫綬褒章を受章した。


「2023年 『悪魔には悪魔を』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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