繋がれた明日 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (514ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101270265

感想・レビュー・書評

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  • 罪が許されることがあるのか。とりわけ損害を与えて弁償できるケースではない場合、それはどこまでいっても許されるものでもない。一方で刑期を終えて社会に復帰する場合、それ罪が許されたことと同じなのだろうか。お疲れ!といって迎ええるようなケースは身近にはないが、元服役人として、白い目で見られることは想像に難くない。
    中道のように、「どうせ」という思いや、「俺だけが悪いのか?」という感覚は、なにも犯罪が絡んだ世界だけの話でもないような気がする。
    仕事上の失敗や、家庭内での不和が、「あのときそうしたのは自分だけのせいなのか?」と考えてしまうし、対人関係としても、出来上がってしまった人間関係の中では、「ほらまた」、「どうせ、こう思われてる」といった本ストーリーの主題そのものが日々展開されている。
    だとしても、本人の思いや、周囲のいろいろな人の想いが、あるいは相手の考えにも想いを致したとき、本人の鬱屈した思い込みや相手の思い込みをも変えていき、新しい関係性そ存在意義が浮かび上がってくる。その点がうっすらと輝かしく描かれている部分が、すっきりとした読後感を誘った。

  • 時間があれば。

  • 誰が? というより犯罪者更生ものかな

     主人公の成長が著しい。それを読む方に力が入って、ミステリーとしての楽しさは後回しになった。もちろん良い意味でよくできたお話だ。

  • 中洲が舞台のハードボイルド、街の描写が懐かしく読めた。
    展開も早く一気に読める作品
    違う作品も読みたい。

  • 記憶がない

  • 勉強にはなる。ただストーリーがやや平板だったかな。

  • 殺人の罪を犯した少年院から仮出所した主人公に待ち受けた苦難の日々。人と接しながら心境の変化、成熟していく過程が綴られる。保護司という職業の輝きも発見できる。13.12.14

  • かなり楽しめました。 
    途中からストーリーの1つの軸となった”ビラを配った犯人”の答えは
    かなりお粗末なものだったけど
    犯罪を犯した者の絶望感、疎外感がヒシヒシと伝わってきた。
    途中からやめられず、一気読みでした。本当に楽しめました。

  • 罪とは何か、償いとは何かを考えさせられる本だった。

  • 決して泣かせものではないんだけれど、じんわりうるっとくる作品。
    とことん「自分」を見つめていく物語。主人公の偽りない心情は人間の汚さを感じさせ、しかしその汚さにかえって共感してしまう。
    誰だって自分が殺人犯になることなんてないと思っているはず。だけどこの物語は、自分とは関係ない遠く離れた世界を興味本意で覗くのではなく、他でもない自分自身をそこにみる、そんな作品である。
    心がじんわりあったかくなる、そんな物語。

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著者プロフィール

真保裕一(しんぽ・ゆういち)
1961年東京都生まれ。91年に『連鎖』で江戸川乱歩賞を受賞。96年に『ホワイトアウト』で吉川英治文学新人賞、97年に『奪取』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞長編部門、2006年『灰色の北壁』で新田次郎賞を受賞。他の書著に『アマルフィ』『天使の報酬』『アンダルシア』の「外交官シリーズ」や『デパートへ行こう!』『ローカル線で行こう!』『遊園地に行こう!』『オリンピックへ行こう!』の「行こう!シリーズ」、『ダーク・ブルー』『シークレット・エクスプレス』『真・慶安太平記』などがある。


「2022年 『暗闇のアリア』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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