花宵道中 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (374ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101285719

感想・レビュー・書評

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  • 図書館 2017.10.6読了
    ふぅ〜。ため息。
    熱くて、冷たくて、渇いてて、じっとりと湿ってて…濃厚な時間を過ごさせてもらった。

    章の頭にある日本の季節や風景の描写が素晴らしい。

    読み終わってしまってさみしい…。

    口は悪いが気持ちのいいねぇさんたち。
    …それにしてもあまりにツライ仕事だ…。

  • わたしには想像もできなかった遊女たちの日常。吉原での恋愛は切なすぎて泣きたくなるほど胸が苦しくなった。
    何の知識もなくても、花魁への興味がなくても、楽しめる。
    文字だけで、頭の中に色鮮やかなイメージが浮かぶ。その表現も素敵。

  • 短編が折り重なる緻密な構成。生きることが、生き抜くことが、その中で、自分を持つことがいかに過酷か。

    「十六夜時雨」での八津と三弥吉の逢瀬と三津の父に関する告白がクライマックスか。最後の「大門切手」の弥吉のけなげさ、勝野のやるせなさも味わい深い。

    読後、「甲斐性」という言葉、「頼もしさ」という言葉がしみじみと思い出されました。

  • 色っぽいです。

  • 切ない。
    誰もが果たせぬ想いを諦めている。
    貫く女性もいる。
    自分で決めた訳じゃないのに、誰だって幸せになっていいはずなのに。
    看板女郎の桂山のエピソードはなかったけど、一番の売れっ子で呼び出しの位にいても、苦悩はあるんだろう。
    客を選べるとしても、客を取らないでいいわけではない。
    華やかな場面と、すごく暗い場面との対比がくっきりと描かれていて、暗いからこその華やかさなのかな、と感じる。
    何の罪も犯していないのに、囚人のように生きなければならない女郎たち。
    唯一、美しく着飾ることで、明るく笑うことで、きれいな景色を愛でることで、罪人ではないのだと主張しているかのようだ。
    切ない美しさ、儚い豪華さ。

  • あー、なんか…。

    恋はステキだ、けど
    しちゃいけないって
    自分自身に制約しなきゃいけないなんて…

    そりゃ、つらい。

    個々に想いがあって…
    微妙にずれたり、絡んだり。
    そうやって生きてんだなぁ、って。

    性の表現はなぜか
    エロさは感じにくく、
    それよりも欲の純粋さが伝わる、感じ。
    純粋にいきてみたい、と
    勘違いさせてくれたかも。

    あー、それと
    この頃の、日本って
    生きるってたいへん。
    縛られっぱなしだもんなぁ。

  • 遊女達の儚くも美しい数々の恋愛の話が収録されている短編集で、どの話もあっという間に読み終わった
    R-18文学賞受賞作品だが、女性達が一生懸命恋愛したり、生きている姿に感情移入し、胸が切なくなった。
    一つ一つの話には伏線が張られていて、少しずつ繋がってるので後からなるほどと、納得する場面が多くあった。

  • 遊郭に生きる、女性の恋愛模様
    同じ女性として、安易に感想をのべることはできない。
    単なる物語として気楽に読めたら良かった。

  • 遊女の話。短編でどの話も切ない恋の話でした。特に朝霧の話はぎゅーっと胸が苦しくなりました。官能的な場面も見られたけれど読みたくない!と言う感じではない江戸時代の儚い恋が印象に残りました。

  • —私たちの知らない吉原で、恋に泣いて、思いを遂げられないまま死んでしまった遊女たちの魂が、少しでも慰められることを願います。

    この文章にたどり着いたときの体の重さといったら…

    最初に読んだ花宵道中と、最後に読む花宵道中の違い。
    読み進めるにつれ、繋がって厚みを増していく物語は、ページをめくる手を早くさせる。

    最後の「大門切手」は後から追加された話しらしいけれど、心の落ち着く章で、とても好きです。ちゃんと朝霧が出てきて、勝野さんと一緒に思い出す。
    思い出したときに、どの時代も綺麗な色に包まれていて、切ない。

    花宵道中っていうタイトルと装丁が可愛いらしい。
    官能小説の分類をされているけど、手に取りやすくて、吉原が好きな人はもちろん、そうでないひとも読みやすいと思う。

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著者プロフィール

1976年神奈川県生まれ。2006年『花宵道中』で女による女のためのR-18文学賞の大賞と読者賞をW受賞しデビュー。『白蝶花』『雨の塔』『セレモニー黒真珠』『野良女』『校閲ガール』シリーズ等著書多数。

「2023年 『百合小説コレクション wiz』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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