- Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101292328
感想・レビュー・書評
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短編集。恋愛もの12編。
川が一番すきです。
「きかん気で落ち着きのない少年」に「内気でぼうっとした少女」が「やだ、おいてかないで」なんていうシーンが堪らなくなりました。
川上さんの文章自体がすごくきれいで、曖昧な人間関係を書くのにすごく似合う気がします。すきなひとの一人になりそう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
【本の内容】
いつも束の間の逢瀬しかできない2人。
年末の一日、初めて過ごした2人だけの長い時間。
鍋を準備して、「おかえり」「ただいま」と言い合って(「冬一日」)。
ショウコさんと旅に出る。
電話の最中に「なんかやんなっちゃった」と声が揃ってしまったのだ(「春の虫」)。
いつか別れる私たちのこの一瞬をいとおしむ短篇集。
[ 目次 ]
[ POP ]
ふわふわした感じのする12の作品。
どこか悲しいのに暖かくもあり、読み終わるとなんだか人恋しくなる作品もあり。
川上弘美という作家さんの作品はいつもいろんな感情を渦巻かせている。
読んでて忙しい。
それすら心地よいのですけど。
「眠ったらおいていく」という言葉に不安で仕方が無くなる『川』、「冷たいのが好き。さめて冷たくなるのはさみしい。最初から冷たくしようと意志して冷たいのが好き」、というセリフが印象的な『冷たいのがすき』どれも、二人で居ることの危うくも愛しい風景ばかり。
12の作品、きっとどれかお気に入りが見つかると思います。
オススメです。
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
出会いとか、別れとかって、
自分では気がついていないくらい
頻繁に起きてる。
大切に、しなければ。 -
色んな気持ちの短編集
川上さんの小説には[ピンキリ]みたいな揺れ幅がなく、突飛な流れも怒りも悲しみも仕方なさも緩やかに描かれているために物足りなさを覚える方もいるかもしれないけれど
私は好き
<冷たいのが好き…から引用>
(心に)こちんとくる=
「カチン、みたいに、陰性の雰囲気はないの。ただ、当たるだけ。
当たって、やな感じになるときもあるし、いい感じになるときもあるから」
…川上弘美作品のこういう感性が、たまらない -
2013 1/1
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作品のほとんどが不倫の恋愛を扱っているにも関わらず、生臭さがない。細部ではとてもリアリティのある話なのに、登場人物たちが皆、匿名めいてるせいかもしれないですが、どこか夢の断片のような非現実感があります。生々しすぎず、かといってキレイゴトでもない現実、その距離感が心地よい。
「いまだ覚めず」「どうにもこうにも」「春の虫」「夜の子供」「天上大風」「冬一日」「ぼたん」「川」「冷たいのがすき」「ばか」「運命の恋人」「おめでとう」 -
短編集だが、それぞれの物語からそこはかとなく立ち上る「気配」がある。「運命の恋人」は秀逸。
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会社近くのカフェで残作業を終えた後、気分転換にページを開き、目についた小編。
家庭を持つ2人のイレギュラーな、でもおだやかなある日を描いた『冬一日』。
土曜の夜、楽しげな会話がさざめくカフェの一角でひとりうっかり涙ぐんでしまった。
2人の関係がとてもたおやかで確からしいのだ。
諦感とは全く違う淡々さは、この恋の確かさと切なさを強調して胸をしめつける。
節度と思いやりに満ちた関係にふっともたらされたある一日。
二度と訪れない日を過ごす二人の高揚が静かに、でもすごく情熱的に描かれた小編。
現実のままならなさとつい比べてしまい悲しくなってしまうという副作用つき(笑) -
ほっこりする本