センセイの鞄 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (299ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101292359

感想・レビュー・書評

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  • 居酒屋の風情ある描写がとても好み。
    自分も呑みに行ってる気分になれる。
    汽車土瓶もこの本で覚えた。
    ツキコと一定の距離感を保つ淡々としたセンセイが好きだったのでまんまと一線を超えたあたり(正確に言えば頭を撫でたあたり)から生理的に無理な初老の男になってしまった。

  • こんな恋がしたい。淡淡と、互いの適正な距離を保って、ぴたり合わないタイミングに焦れて、全部知っている気になれるほど何も知らない相手にただ惹かれる。どこがどう好きだとかではなく、ただ、センセイ、とそっと呟きたくなるような。

  • 静かな気持ちで読める優しいお話だった。
    恋愛小説好きだけど、若い年齢層の主人公のお話をよく読むから、自分的に新しいジャンルを開拓した感じがした。
    教師と生徒の間柄だった、親子ほどの年の差のある2人が、ゆっくりと心を通わせていく様子にはちっともいやらしさや恋愛のどろどろした感じがなくて、作中で居酒屋で冷やかす男が出てくるシーンがあったけれど、そういう年の差カップルへのなんともいえないイメージとか偏見を優しく払拭するような感じがした。
    読んでいる間ずっと情景が想像できて、なんだか映画を見ているような気分だった。
    もう少し年を取ってから読んだらまた全然違う風に感じるのかもと思い、また読み直したい一冊になった。

  • 「センセイの鞄」、読了。
    終始この「センセイ」が水谷豊で脳内再生されてた。老人と三十路女性のどこか奇妙な恋愛といえど、主人公ツキコの一方的な想いとセンセイのインテリだけど不器用なちぐはぐさにやられた。読みながらもどかしくもドキドキして最後に涙。作品の随所から感じられる気品。
    p.s.この読了感、何かを読んだ後に似てるなあと思ったら「しゃぼん玉」だった。(内容は全然違う)

  • 37歳のOLツキコさんが、飲み屋で学生時代の国語の恩師(センセイ)と出会うところから物語が始まります。

    そこから2人は、なじみの飲み屋で飲むだけではなく、露店めぐり・キノコ狩・お花見などに行き、共に過ごす日々を重ねていきます。

    年の差30歳の2人がどう恋愛していくのか想像がつかなかったので、ついつい読み進めてしまいました。

    大人の恋愛をしていくのかなと思ったら、子どもに戻ったようにワイワイしてるシーンもあり、恋愛のかたちは様々あるんだなと思いました。

    図書館スタッフ(学園前):うに

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    帝塚山大学図書館OPAC
    http://lib.tezukayama-u.ac.jp/mylimedio/search/search.do?target=local&mode=comp&category-book=1&category-mgz=1&materialid=2410001804

  • 37歳のツキコさんが、30歳程度年上の、学生時代の国語の先生と居酒屋で再開し、2人の関係は恋愛へと進んでいきます。1話1話がある程度完結していて、ゆっくりセンセイとツキコさんが愛の親しみを交わしていく物語です。自分の将来と月子さんの姿を重ねて読んで、こんな恋愛もありだなと思います。2人の柔らかくて壊れやすい雰囲気が好きでした。最後の場面も、らしくて良いです。

  • 40目前の大町月子と30歳年上の退職したセンセイの不思議な恋物語
    月子の飲みっぷり、半端ない。

  • ゆっくりと愛しさがこみ上げてきます。生涯、大切にする一冊になりました。

  • 映画から先に観てしまって、
    どうかなー。。と思ったけど、
    小説もとてもよかった。
    湯豆腐食べたくなる。
    好きな人とお酒を飲みながら湯豆腐をつつく。
    それが1番幸せなんじゃないかな?
    ってなる。
    暖かくて切ない恋愛物語。

  • 淡々と進む恋愛小説とあったが、
    本当に淡々で、
    ちょっと私にはわからなかった

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著者プロフィール

作家。
1958年東京生まれ。1994年「神様」で第1回パスカル短編文学新人賞を受賞しデビュー。この文学賞に応募したパソコン通信仲間に誘われ俳句をつくり始める。句集に『機嫌のいい犬』。小説「蛇を踏む」(芥川賞)『神様』(紫式部文学賞、Bunkamuraドゥマゴ文学賞)『溺レる』(伊藤整文学賞、女流文学賞)『センセイの鞄』(谷崎潤一郎賞)『真鶴』(芸術選奨文部科学大臣賞)『水声』(読売文学賞)『大きな鳥にさらわれないよう』(泉鏡花賞)などのほか著書多数。2019年紫綬褒章を受章。

「2020年 『わたしの好きな季語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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