天と地の守り人〈第2部〉カンバル王国編 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101302812

感想・レビュー・書評

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  • 展開が一気に進んだ。読む手が止まらなかった。第3部が楽しみ。

  • 力ある者の誇りと、その使いどころ。

    チャグムの成長がまぶしい。かと思えば、ヤギの臭いに辟易している。カンバル王とのシーンは、思わず目頭が熱くなった。見えてきた希望と、迫りくる異変と。

  • 2018/6 10冊目(通算99冊目)。ロタ王国でやっとの思いでバルサに出会えたチャグム皇子。カンバル王国を目指して、バルサとの旅は続く。結果的にカンバル王国とロタ王国の同盟が結べそうな話の流れになり、チャグム皇子はロタへ、バルサは新ヨゴ皇国へ向かう。戦争が最終的にどうなるのか?。こうなってくるとチャグムの想いが叶うといいなと切に思う。それが叶うにはまだまだいくつもの問題がありそうだけど。色々な人物が絡んできて少し読んでいて混乱しているが、とにかく一度最後まで読んでみたいと思う。感想はこんなところです。

  • 国ごとに異なる王の考え方、民の感覚、政治のやり方…
    とりあえずチャグムに会えてよかった!

  • 2018(H30).3.23読了

    国どうしの異なる思惑が複雑に絡み合う中、チャグムの命を懸けた願いは通じるのか?
    それをバルサは守れるのか?
    巨大帝国が迫り来る中、必死に生き抜く一人の青年の生き様を描く一冊。

    などというポップが書けそうな一冊。

  • 普段はそこまで戦略的要衝ではないのに、時勢に応じて途端に他者の命運を決める立場に立たされる。人でも国でもある話しだが、今回の物語におけるカンバル王国がそれ。チャグムは悩める王の決断を引き出せるのか……。

    前巻に続き、皇太子チャグムの成長と覚悟が著しく、どんどん格好いい男になっていく。そんなチャグムを襲う、刺客などの物理的な危険と、心の不安。それを、自らを押しころし支えるバルサ。親子的でも恋人的でもない、寄り添い支え合う2人の姿に、胸が熱くなる。そして、物語は終巻へ。

  • 『精霊の守り人 最終章』
    NHK/毎週土曜放送
    2017年11月25日から

  • 2013.6/23 シリーズ9作目。久しぶりのバルサとチャグムの旅に1作目からの時の経過を感じずにはいられない。チャグム...本当に見事なホイだったね...経験は人を成長させると。心優しき呪術師タンダには一般人のおかれた境遇を描くという大事な役割があるから...ね。

  • 2017/12/29

    感想は3冊読んでから。
    これを読む前に闇の守り人を再読したのが正解だった。
    巻末の鼎談を読んでいて、小学生の頃読んだ勾玉シリーズを読み返したくなった。
    指輪物語やナルニア国物語は通ってこなかったけど、今からでもチャレンジしてみようかな。

  • ロタ王国との同盟は、カンバル王国との同盟が成立すれば、という状況。
    そこでチャグムはカンバル王国へ旅立つ。
    カンバルはバルサの故郷でもある。
    再び「山の民」や「王の槍」たちも登場する。
    ナユグの川の水位上昇。
    それがサユグ、人間世界の騒乱と重なって不穏な雰囲気。
    そんな時に、ヨゴ皇国では聖導師が死ぬ。

    ロタ王弟の命で再びバルサたちの前に現れたシハナ。
    今は敵対関係ではないが、まだひと悶着あってもおかしくなさそうな二人の雰囲気。
    (が、次巻まで読むと、それほど大きなこともなく、あれ?と思った。)

    タンダは草兵として、戦に駆り出されている。
    やがて描かれる戦争を、タルシュや新ヨゴの将軍や王族の立場からだけではなく、地を這うように、戦争の中で「消費」される立場から、複眼的に描いていくためだろう。
    人力で荷物を担いで移動し、塹壕を掘り…古代中国での戦争も、こんな風だったのかと思う。

    これまでに出てきた様々な人物、出来事が前巻から縒り合されてきて、結末に向けてのラストスパートをかけられている感がある。
    壮大なストーリーを追っかけるだけでもそれなりに満足してしまうのだが、人を深く描いているのがこのシリーズの魅力だろう。
    例えば、と「英明だ」「清廉だ」と持ち上げられてきたチャグム。
    この巻では自分が皇太子のプライドに縛られていることに気づく場面がある。
    こういうところに、チャグムの若さが見えるし、バルサにフォローされても今一つ解消しきれていない雰囲気なのがリアルで面白い。

  • バルサとチャグムはカンバルとロタを結びつけようと進み続ける。誰をも幸福にする解決策なんてない、と気を張っているチャグムを諭すバルサに、でもおれは、そういう解決をしたいんだ、と目に涙をためていう。「おれ」というくだけた言葉が、駄々をこねる子どものよう。高みを目指してここまで来られたチャグム。でも、それを宥めたいバルサの気持ちも分かる。
    しかし、カンバル王はすでにタルシュにつくことを決めていた。僅かな望みをかけて牧童を頼るも、信頼を穢すことは出来ないと静かに断られる。
    諦めかけたそのとき、チャグムはラウル王子とハザード王子の兄弟争いをカンバルが知らぬということに気づく。そして、ロタ王の名代として、タルシュの実態を説き、カンバルとの同盟を膝を折って願った。
    天ノ神の子である皇太子が膝を折るということが、自分の面子のために迷うカンバル王の引き際となり得ることを、チャグムは知っていた。後々それを恥だと思ってしまう自分を嫌に思っていたけれど、バルサは「いいホイ(捨て荷)だったね」と言ってやる。率直な感想としては「なるほどそう来たか」だ。
    そして、ナユグの水についての異変を、魂飛ばしをして師匠に異変を知らせるタンダ。草平に出された彼の身を案じる師匠。雪崩と雪解け水の危険を知らせる牧童。向こう側の春は、新ヨゴ皇国に最も危険をもたらすと予測されるのだった。それでもチャグムは目の前の戦争に目を向ける。あとをバルサに託して。

  • チャグムとバルサの再会!
    しかし、戦火と天災はひしひしと進行しつつある。
    聖導師の死はシュガに影響を与え、陰謀に巻き込まれていく。
    また、強大国タルシュにも抱える問題が・・・。
    国の・・・北の大陸の運命を変えるため、
    チャグムとバルサはカンバルへ!
    しかしカンバルにもタルシュ帝国の手がしっかりと伸びていました。
    同じ頃、タンダもまた、草兵として戦場へ・・・。
    「闇の守り人」の懐かしいカッサやトト、カームの他、
    「神の守り人」のシハナまで登場とは盛り沢山。
    人、時間・・・運命か!?様々な事が錯綜し、
    一枚の布を織り上げていくような物語です。
    で、ラストにバルサとチャグムは道を分かれて
    行動するということで、第三部・・・最終部に続くと。
    とにかく一気読みできる面白さといったら、このうえないです。
    ハードカバーは既読済。
    文庫が出たので、自宅用に購入しました。

  • バルサが王国を守るために必死に体を張る姿に感涙してしまうほどだった。チャグムと同様に旅を続けていく途中に様々な困難が続き、大変な思いをしながら、旅を続け、満身創痍の中、光を見出そうとなにか良い方法はないかと道を辿る姿、王国の季節の移ろいや情勢の変化、王国の住人の思いが複雑に絡み合い、様々な感情が表現されている世界が新たな道へ突き動かされていくような感じであった。ファンタジーの世界だが、壮大な大河の情景が浮かび上がり、異次元とハリウッドさながらの世界観へ引き込まれていくかのようだった。第三部へ。

  • カンバル王国、新ヨゴ国、ロタ王国、タルシュ帝国で事態は刻々と動く。

    そしてナユグは数百年ぶりの春を迎えようとする。

    それぞれがそれぞれの役割を懸命に果たそうとすることがタルシュ帝国に有利な状況を生むが、バルサがすべてを変える。

  • カンバル王とのかけひきが心に残る。
    国を治める人は大変だ。。。

    後書きで、バルサはずっと一貫人としての立場を貫く、とあって ナルホド、と。

    次巻のバルサのセリフにあるが、泥にまみれて一所懸命やって、
    神のような超人的な力で成し遂げた、と言われてしまったら本人は確かに辛いな。。。

    タンダが。。。
    戦争シーンが怖くて、これ実写映画でこのシーンを再現されたら本当観るのが辛くなる。。。

    ファンタジーといえど、本当シビアな作品だと改めて思った。

  • 最終章 第2部

    ナユグ(ノユーク)の異変に気付き始めているタンダ・トロガイそして チャグムやカンバルの牧童や氏族の長達も。

    ロタとカンバルの同盟を結ばせるために奔走するチャグムとバルサ・・・・

    TVドラマに踊らされず、最初からシリーズ読んでて良かったぁ~

    登場人物が繋がってきて 最後の新ヨゴ国編へと続く

    シュガの出番が少ないのがちょっと寂しいけど
    国同士の駆け引きが大きく感じた第2部でした。

  • バルサの故郷カンバルにて、ロタとカンバルの同盟に動くチャグム。
    ここでもそう簡単に事は運ばない。
    カンバル王とチャグムの最後のシーンにはグッとくるものがあった。
    これから本編最後の新ヨゴ編へと突入する。
    一人でも傷つく人が少なくなるように・・・・と願いながら、次作に進みたいと思います!!

  • チャグムとバルサの最後の旅。少しずつ希望が見えてきたラスト。あと1巻で終わりかと思うと、悲しくなってきた。

  • カンバル王説得のためチャグムがとった行動。
    小泉首相が米国大統領にした有名なエピソード思い出す。
    民を救うためなら、王は自分のプライドは捨てる。

  • 2017/03読了。タルシュの脅威とナユグの影響からくる天災の予兆。バルサの前では子どもらしい一面を見せるチャグムが愛しい。

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著者プロフィール

作家、川村学園女子大学特任教授。1989年『精霊の木』でデビュー。著書に野間児童文芸新人賞、産経児童出版文化賞ニッポン放送賞を受賞した『精霊の守り人』をはじめとする「守り人」シリーズ、野間児童文芸賞を受賞した『狐笛のかなた』、「獣の奏者」シリーズなどがある。海外での評価も高く、2009年に英語版『精霊の守り人』で米国バチェルダー賞を受賞。14年には「小さなノーベル賞」ともいわれる国際アンデルセン賞〈作家賞〉を受賞。2015年『鹿の王』で本屋大賞、第四回日本医療小説大賞を受賞。

「2020年 『鹿の王 4』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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