優駿(上) (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101307060

感想・レビュー・書評

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  • 良い小説を読んだなー、と素直に思った。一頭のサラブレッドを軸にした群像劇ともいえる。宮本輝の作品中でも一番好きだ。

  • 競馬にはまったく興味なかったので読み始めるまで抵抗があったが、予想とは反しかなりはまった!
    馬にかけるそれぞれの登場人物の思いが描かれ、それは生きる望みであり、罪の意識からの執着心であり、名を明かすことができない家族への思いでもある。
    馬にかける青春だけでは終わらせないストーリー、下巻に期待。

  • もともと競馬ファンでもあるけれど、サラブレッドの神秘や人間の業、欲、夢、ロマンを学んだ一冊。
    とくに好きなシーンが、上巻終わり~下巻冒頭のシーン。

  • 競馬の世界に生きる様々な人たちの人生。
    オラシオンという、奇跡ともいえる駿馬が生まれたところから始まり
    様々な人の手に渡り、いろんな事情が交錯しながら
    優勝を目指します。

    すごく人間くさい作品だと感じました。
    弱さとか、意地悪さとか、嫉妬ねたみ
    誰もが持っている感情。。
    いろんな人が第一人称でかかれてるので、皆の心内を私だけちょっとずつのぞいちゃったかんじ。

    そういった人間の事情の渦中にあるオラシオンの
    事情を知らずとも、そんな人間どもに答える勇ましさっていうのかなぁ。
    じーんときました。

  • 上下巻合わせて一気に読みました。

    一頭のサラブレッド「オラシオン」の周辺の人々の物語。

    初めから最後まで変わらないのは、
    まっすぐに成長していくオラシオンと、
    博正の純粋さ。

    馬の描写の美しさと、関わる人の背景が丁寧に書かれている。
    一気に宮本輝のファンになりました。

    (そういえば、いつかの国語のテストの問題文になっていたような。)


    とても好きな作品です。

  • 1頭の競走馬とそれを取り巻く人たちの話、
    読み始めると物語に引き込まれて行きます。
    物語と言うより、登場人物たちの感情の中に、でしょうか。

    この話の何が面白いって、人間の書き方。
    それぞれのキャラクターが本当に実在する人間のようなのが良い。
    「このキャラクターはこういう風な人間なんだよな」、
    と定義付けられないのが良い。

    たとえば自分のことを臆病だと思っている
    一人のジョッキーは他人には「命知らず」と言われる。
    たとえば完全無欠で冷静沈着な一人の青年は、
    「木で出来た人形」のような自分にジレンマを抱えているし、
    人並みに心の中で葛藤もする。
    温和な一人の初老の男は実は誰よりも子供らしく、
    癇症だったりする。
    お芝居をして生きている娘は田舎の牧場の息子には
    素直で純情な少女の顔を見せる事がある。

    物語の始めの方では可愛らしい、
    希望を宿した仔馬だった一頭のサラブレッドは、
    成長するにつれて化物じみた闘争心の塊になる。

    人間には色々な面があって、
    それは見る人によって、見せる人によって違う。
    それをちゃんと理解した上での
    キャラクター造形の巧みさが良いなぁ、と思いました。

  • ”オラシオン(祈り)”と名づけられた競走馬

    オラシオンは周囲の人々の「祈り」を乗せ走り続ける…

    結構古い作品です。

    僕は競馬好きなので 嵌りましたが

    競馬あまり知らない人でもサクサク読めますよ~

  • 宮本輝…大好きな作家さんです。そのスタートはこの本でした。文句なしに5つ星です。

  • 馬とか競馬とか興味ないのに面白い。
    興味のない分野なのに、夢中にさせられる。作家の腕だと思う。

  • 大作家 宮本輝の大名作。

    競馬というものを取り巻く人たちの人間模様が胸を打ちます。

    語り口がうますぎます。描写がうますぎます。

    いわゆる「文学」っていうのは、これだなって思った。

    映画で言ったら、黒澤明。

    歌謡曲で言ったら美空ひばり。

    野球で言ったら巨人。

    王道!!!!!

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著者プロフィール

1947年兵庫生まれ。追手門学院大学文学部卒。「泥の河」で第13回太宰治賞を受賞し、デビュー。「蛍川」で第78回芥川龍之介賞、「優俊」で吉川英治文学賞を、歴代最年少で受賞する。以後「花の降る午後」「草原の椅子」など、数々の作品を執筆する傍ら、芥川賞の選考委員も務める。2000年には紫綬勲章を受章。

「2018年 『螢川』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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