笑う怪獣ミステリ劇場 (新潮文庫 に 18-1)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (335ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101308517

感想・レビュー・書評

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  •  怪獣気分を高めるために須賀川に旅行に行く列車で読了。
     日常の謎寄りのミステリ嘆が語られる・・・が、その「日常」に「非日常」・・・っていうか「非常識」を持ち込んでロジックを完成させた短編集。
     この「非常識」を請け負うのが「怪獣」「宇宙人」「幽霊」達であり、普通なら成立しないロジックを彼らの存在で成立させる荒技が面白い。
     「九マイルは遠すぎる」を彷彿させる、犯人の台詞を頼りに生前の幽霊を殺した犯人を探ったり・・・完璧なミステリに足された怪獣が愛おしい。
     ミステリ色が希薄なのが混ざっているのもをかし。

  • アタル・一応会社員。主人公で、いつもアパートをたまり場にされてる。
    京介・アパレルメーカーを経営する青年実業家。別荘やクルーザーを所有する成金だがケチ。
    正太郎・市役所に勤めてる。純情なところがある。「役所は毎日夏休み」とからかわれると怒る。

    いい年して、ナンパにせいを出す3バカトリオ。ナンパ成功率は、限りなく0に近い・・・。こんな三人が、脅威的な事件に巻き込まれる短篇集です。

    「怪獣は孤島に笑う」
    地元では、有名な海水浴場に来た3人。ナンパしてクルーザーに乗せ孤島に連れて行こうと計画する。40代だけどスタイル抜群のおばさん。整形美人のおかま。寸胴で顔も良くないけど若い女の子をナンパして、クルーザーに乗せて孤島に到着。ペアを組んでそれぞれテントを張ろうとしたのだが、そこに怪獣が現れて・・・。
    「怪獣は高原で転ぶ」
    京介は、高原に別荘を買った。その別荘の近くでは、元女優の別荘があるらしい。車が動かなくなって、その別荘を訪れてあわよくばと、計画を立てる。そして計画を実行して、別荘の扉が開いた。そこには、元女優・女優・友達と美女が三人。お邪魔して仲良くなろうとすると、地震?違う奴が現れたのだ・・・。
    「聖夜の宇宙人」
    クリスマスイブの夜、ナンパに出掛けた三人だったが、成果も無く街を歩いていた。そして、一人でただずんでた少女と出会う。声をかけたら食事に一緒に行く事に・・・。女の子は、ステーキ二人前・土佐巻き四人前をまたたく間に一人でたいらげた。さらに・・・。
    「通りすがりの改造人間」
    正太郎はに美しい彼女が出来た。いちゃいちゃしながら、正太郎の部屋に入っていく2人の姿を京介が見たのだ。しかし、正太郎はやつれてる。幽霊と付き合ってるのでは?と疑いを持った京介とアタルは、二人を尾行する。そして二人が見たものとは?
    「怪獣は密室に踊る」
    京介が結婚した。若くて可愛い嫁をもらったのだ。住まいは、住んでた豪邸じゃなく、マンションの一室だった。結婚して一週間後、電話が携帯にかかってきた。京介からで、「助けてくれ〜」と、どうやら監禁されてるらしい。アタルと正太郎は、京介を助けようと動きだしたのだが・・・。
    「書店、ときどき殺人」
    アタルは、突然読書に目覚めた。理由は、書店の店員の白人と仲良くするためだ。アタルは彼女と店の外でも会うようになり、幸せな日々を過ごしてた。今度、レストランに誘いプロポーズをすると言う。世間では、謎の通り魔殺人が多発してた。プローポーズの日、アタルが外を見ると事件が起きた・・・。
    「女子高生幽霊綺譚」
    ナンパするたび、女性と付き合うたびに、怪獣・宇宙人・人造人間に出くわす三人は、命あっての人生と考え、三人でアタルのアパートにたまってた。そこに現れた幽霊の可愛い女子高生。彼女は、15年前に殺されたらしい。「せめて雨さえ降っていなければ」彼女が最後に聞いた犯人の言葉だ。三人は、幽霊から詳しく生前にあった事を聞いて、事件を推理する。

    ま〜こんな感じです。本格的な推理物もあり面白く書き上げた作品かな?スケールはデカイのに探偵役がおバカとは、これいかに

  • 西澤保彦は気が狂ってるんじゃないだろうか。
    ミステリとナンセンスの究極の融合。
    ひたすら破天荒に下品なギャグ。
    アンフェアすぎる設定だから本格好きにはオススメできない。

  • 2007/2/10購入。
    2013/3/25〜3/27

    西澤さんは、様々なチャレンジをする作家さんだが、この連作短編集はすごい。不思議な設定も、その世界の中でフェアに進むのですんなり読めた。いつもの難読苗字がないのもGood。

著者プロフィール

1960年高知県生まれ。米エカード大学創作法専修卒業。
『聯殺』が第1回鮎川哲也賞の最終候補となり、1995年に『解体諸因』でデビュー。同年、『七回死んだ男』を上梓。
本格ミステリとSFの融合をはじめ、多彩な作風で次々に話題作を発表する。
近著に『夢の迷い路』、『沈黙の目撃者』、『逢魔が刻 腕貫探偵リブート』などがある。

「2023年 『夢魔の牢獄』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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