でっちあげ (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.89
  • (150)
  • (215)
  • (144)
  • (21)
  • (8)
本棚登録 : 1771
感想 : 217
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101311814

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • こんなことあるんだ!って
    信じられないし何のために?!と思った。

    でもモンスターペアレンツの出現に意外性はない。私は21歳なんですが、教師の立場の低下ということには驚きはなかった。

  • 「筆者の主観が多い」と批判、あるいは否定している人に言いたい。著者の主観を除いて、客観的なことだけ拾って読んでみたらよいと。鼻持って振り回された子が鼻血で血まみれで帰ってきても病院に連れて行かなかったり(私だったら鼻骨骨折を疑って病院へ行く)、拳でパンチされたならいざ知らず、ほぺったぐりぐりされて歯が折れたりするか?口内炎より頬が腫れ上がるだろうよ、とか、虐待現場の小学校に似た別の小学校に近づいただけでPTSDを発症するような状態の子が、校庭でサッカーの練習は元気にできたり、通ってもいないアメリカの小学校で進級したり、もうツッコミどころ満載でノンフィクションでなければ「笑い話か?」と思う。特に反省してほしいのは言うなりの校長、そして弁護士と精神科医!頭の悪い私でも気づくことに気づかないなんて。法律家でしょ?科学者でしょ?プロでしょ!?

  • ただただ衝撃。こんな人が実際にいるだから、モンスターペアレント対策真剣に考えないと。

  • 2003年に福岡で起きた、教師によるいじめ事件。地元の新聞報道をきっかけに、全国的に知られることになった「福岡殺人教師事件」の衝撃の全事実。新潮ドキュメント賞受賞作。
    私たちはマスコミ報道を鵜呑みにしてしまいがちだ。それは、大手のマスメディアは嘘をつかないという先入観があるからだ。特にメディアスクラムを組まれると、疑うことさえしない。本作はそんな人間の弱さと愚かさを警鐘する一作である。

  • 面白くて一気読み。
    公務員という仕事の性質と些細な言葉がおおごとになってしまうので、普段から言葉に気をつけていかないとと思う。改めて日本語は奥ゆかしいけど、伝わりづらい。
    加害者はゆすりなのか正義感なのか。
    正義をふりかざす奴ほどろくなやついないと再確認できる本です

  • モンスター・ペアレンツにでっち上げられた教師の体罰、言動。この事実無根を煽るマスコミ。停職処分となった教師は法廷で争うが…

    何とも不条理な事件に迫るノンフィクション。こうした親が居ても不思議ではないと思うほど、今の日本は病んでいるように思う。

  • 1番最初に、実際に報道された朝日新聞の記事が載っていて、読んでいくうちに「信じられない」と、担任教師に怒りが沸いてきた。こんな教師が本当にいるの?!生徒がかわいそう。という気持ちになった。

    本書の中盤で全く同じ記事が載せられていて、読んでいくうちに、「信じられない」と報道の偏りに怒りが沸いてきた。担任教師側の主張は全く取り上げられず、被害者側の主張だけが真実のように書かれている。事実無根なのに、やってないことを「やった」と堂々と書いている。こわすぎるし、生徒もその親も怖いなと思った。

    でも1番怖いのは、目の前にある情報だけで物事を判断して「許せない」って本気で思ってる自分だった。怖い。いろんな証拠が、それらしく出ていたら信じてしまう。この事件と同じようなことが多分今も世の中にはたくさんあって、その真実を判断できない自分が怖い。何をどう信じて情報を受け止めていけばいいのか分からない。

    この事件の裏側を知って、ひとつの記事を全く違う読み方が出来たけど、その情報さえ正しいのか?と不安になる。

    被害生徒と保護者の虚言が本当に信じられなくて、途中何回も胸糞悪くなった。なんでこんなことを言うんだろう、って思った。教育現場にいる自分だからこそ確信して言えるけど、こういう親と子供は本当に存在する。こっちが「ありえないでしょ?!」と思うことを平然とやってのける人たち。そんな人たちと対峙していかなきゃいけなくなった時に、どう行動すればいいのか。
    自分の行動を明確に記録し、できるだけ1対1の会話や指導は録音する。これくらいしか浮かばないし、こんなの逐一必ずできるかというと分からない。それでも自分の教員人生の中でこういうことをやっていかなくちゃと思った。教師と保護者の立場はたしかに本書にある通り、教師が弱い。年々弱くなっているし、子供のことを考えるゆえにいろいろなことに盲目になっている親は存在する。

    生徒本人を「嘘つき」にしてしまったのは誰なのだろう。それは確実に、親や教師や報道者、弁護人をはじめとする、周りの「大人たち」だと思う。

  • こんなことが本当に起こり得るのか? と思うくらい、無茶苦茶非論理的な主張をするモンスターペアレンツと、裏付け取材なしにセンセーショナルに煽るマスコミと、その場凌ぎの本意ではない説明による火消しを目指して墓穴を掘った学校(被告の教師を含む)による、壮大な茶番劇の舞台裏。

    最大の被害者は、教師、生徒、の順番か。

    元祖モンスターペアレンツ、ともいうべき夫婦の思考回路がよく分からないが、うんと出来の悪い息子の出来の悪さを誰かのせいにして、すっとしたかった、って感じだろうか。。

  • こんなに大事になっておいて
    教育現場は何一つ変わろうとしない
    変えようとしない
    お上たちは何を考えてるんだろう。

    なにが子どもファーストだ
    逃げ回ってても本当の教育にはならない
    そんな環境の中で野蛮に育った
    その子供たちにどうやって
    国の将来が任せられようか

    最後まで追って事実を明かしてくれた
    著者に拍手を。
    映画化等、もっと話題になるべきだと思う。

  • 在宅ワーク中のため、読書が進みます。

    さて、テーマとしては興味深いのだが、書き方?構成?よく分かりませんが、読みづらかった…
    結果として流し読みしちゃいました。
    いわゆるモンペアなんでしょうが、ここまで凄いのいるの?私、昭和の人間なんで、そもそもモンペアなんて全く皆無でしたが、ちょっとキチガイですね。
    その後よく知りませんが、この夫婦はのうのうと生活してるんでしょうか…

全217件中 11 - 20件を表示

著者プロフィール

専門誌・編集プロダクション勤務を経てフリーライターに。以後、様々な雑誌、webメディアへの寄稿を続けてきた。学校での「教師によるいじめ」として全国報道もされた事件の取材を通して、他メディアによる報道が、実際はモンスターぺアレントの言い分をうのみにした「でっちあげ」だったことを発見。冤罪を解明した過程をまとめた『でっちあげ 福岡「殺人教師」事件の真相』で、2007年に「新潮ドキュメント賞」を受賞。他に『モンスターマザー 「長野・丸子実業高校【いじめ自殺】でっちあげ事件」』では、編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞・作品賞を受賞。他、『暗殺国家ロシア:消されたジャーナリストを追う』(以上新潮社)、『スターリン 家族の肖像』(文芸春秋)などがある。

「2021年 『ポリコレの正体』 で使われていた紹介文から引用しています。」

福田ますみの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
宮部みゆき
伊坂 幸太郎
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×