- Amazon.co.jp ・本 (520ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101329741
感想・レビュー・書評
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第二次大戦後、日本政府が行ったブラジル移民政策を絡めた小説です。
ブラジルの日系社会を語る際に、「大変な苦労をされたブラジル移民の方々」という枕詞を良く聞いていたのですが、この小説を読んでブラジル移民政策についてきちんと知らないといけないかなと思いました。
この小説はフィクションで、一般国民を何とも思わない官僚たちが立てた計画でブラジルのとんでもない土地に送られた日本人の移民の子が、日本政府に復讐するという話です。
最近特に結局みんな自分のことしか考えていないのよねって思っているので、外務省の官僚たちが移民政策について、何の反省もなく、何の罪の意識も感じていないのをまあ当然の描き方かなと。
人物の性格描写も設定もそれなりに楽しめて、割と入り込んで読めたけれど、最後は結局作り物よねという感想になってしまいました。
丁寧に書かれている前半の方が好きでした。
感動しすぎて、読んだ後に腑抜けになってしまうような小説が読んでみたいです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
こんなに面白い作品がまだあったとは。スケールが大きく、サスペンスとしても一級品。読み応え充分。それにしてもブラジル移民の実態について知らなかったことが悔しい。
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自動車好きの小生ようなものは、RX7の改造車が、登場する部分は、非常に面白い。リアルで、ロータリーエンジンの魅力は、分かっているし。
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下巻も面白いが上巻と比べるとやや見劣りする。理由は3つ。1つに上巻で色濃く語られていた移民政策への復讐という動機が薄れてしまっている。2つ目にご都合主義が多々見受けられる。最後にケイと貴子との恋愛ストーリー、というか自分探しの物語になってしまっている。上巻にあった社会派部分がなくなり、普通のアクション小説になってしまっているのは、題材が俊逸なだけに残念だ。
とはいえ日本人特有の陰鬱さを残す松尾と、日系だがブラジリアンそのものであるケイの対比が巧みであった。負の歴史はどこかの世代で断ち切らなければならない、そんな前向きなメッセージが感じ取れた。ラストもスカッとする気持ちの良いハッピーエンド。良質なエンターテイメント作品といえよう。 -
ストーリーはフィクションですが、実際にあった歴史上の出来事にもとづいて書かれているとのことで、今まで南米の日系移民を甘く見ていた自分を恥ずかしく思いました。
これほどまでに困難と努力を積み重ね、生きようとしていたのか、と衝撃を受けると共に彼らの復讐劇を通して何か虚しい気持ちにもなりました。
しかし、復讐劇ではあるけれども決して暗いわけではない所が面白く、天井が抜けたような爽快な気持ちにさせられる部分が確かにありました。 -
日本政府への復讐劇が爽快。
上下巻2日で完読。
久々の寝不足。 -
内容がやや堅過ぎて上巻はなかなか進まなかった。下巻の核心に触れてから最後までのストーリーは目が離せず夢中に一気に読めた。