- Amazon.co.jp ・本 (520ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101329741
感想・レビュー・書評
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健やかで、そこに愛があれば、
それが最高の幸せなのかもしれない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2015/01/24読了
ブラジル移民やその子孫が外務省に復讐を計画する話。 -
思考力が高いなぁと思っている社会派ブロガーちきりんさんがお勧めしていたので、読むことに。
1960年代の南米日系移民の移民政策を推し進めた日本政府に対するの復讐物語。
読むほどにページをめくりたくなり、暗いテーマに反して登場人物は魅力的で後味も悪くないのもよかった。
終盤急ぎ過ぎた感はあるけど、面白い本でした。
小説ということで誇張しているところもあると思うけど、移民の方がこんなひどい状況下に置かれていたことを知り、びっくりしました。無知で恥ずかしいと思ったけど、情報統制されてるのかなとも思った。。
そして宮沢和史の解説が熱かった。 -
このミスベスト10、2004年版10位。冒頭のブラジル移民の過酷な暮らしのところから引き込まれる。その後も適度に場面転換があり、ストーリー展開のスピード感と意外性もあって長いけど飽きない。ドキドキするけど、どこか作り物っぽい安心感もあって息苦しくなく楽しめる。テーマは重いけど良質のエンタテイメントに仕上がってる。久々の一気読み本。
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復讐のための綿密な準備と行動は、迫力もスピード感もありかなり痛快であった。
解説の中で、村上龍の「半島を出よ」との対比があったが、確かに政府の無能さという点での共通点はあったことは事実。松岡が毛糸再開することを祈るのみ!!! -
最後の松尾のシーンが1番好きだなと感じた。
育ての親からの独立、自分の為に生きる覚悟、そしてなんといってもスピード感。
復讐劇の中で変わっていく登場人物を見ていくのが好きでした。
周りの目を気にする貴子の悟りもすごく印象に残る。
本当に大切なものはなにか?
それを考えさせられる作品でした。 -
上巻に続き楽しめた。
決して許される行動ではないが、その行動、感情を完全には否定出来ない過酷な過去を持った彼らの外務省への復讐劇。
移民した人々の歴史や外務省の悪事など殆ど知識が無くても読みやすく歴史に興味が出てきました。
ラストも清々しく最近読んだ中では圧巻の一冊です。 -
買ってない
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昭和20~30年代にブラジルへ移民した人たちは、外務省や政府、その他関係者のずさんな仕業から、何の備えもないアマゾンの奥地へ送られ、人間とも思えぬような生活を強いられた。この小説は、そこで煮え湯を飲まされた二世代の人たちによる復讐劇を描いたもの。
戦後のブラジル移民が過酷な状況におかれたということは以前にも見聞きしたことがあって、それが読むきっかけ。この本のなかでも過酷な生活が描かれている。特に、大人たちが出ていき、あるいは死に絶えたアマゾン奥地の開拓地で野生児のように一人生きていたケイには泣かされた。
その後、本編の復讐劇へと入っていくわけだけど、このあたりは感動とかではなくただ面白い。男たちってどうして自分のルーツをそんなに気にするんだろう、大切にしたがるんだろうと、ちょっと思ったり。途中から復讐劇を捜査する警察が幅を利かしてきて、「あれ、これはもしかして復讐果たせず、警察の餌食になってしまうのかも」とも思ったものの、最終的にはまあ納得できる終わり方だった。
それにしても、おじさん作家が書くミステリーやハードボイルド系の小説って、話ことばのこなれてなさや女性の扱いやセックス描写が、わりとハナにつく。