- Amazon.co.jp ・本 (341ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101333120
感想・レビュー・書評
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『ジーン・ワルツ』を、もう一つの視点からみた物語。
アチラをどこか冷めた寒色の物語とすれば、
こちらは太陽のような光に彩られた暖色の物語、でしょうか。
「生命」を作る、「生命」を育む、、そして産む。
母と呼ばれるのは果たして、誰になるのでしょう。
題材は同じであるにもかかわらず、人が違えば変わるものですね。
たとえ母と娘と言う、血のつながりのある親子であっても。。
『医学のたまご』とも仄かにつながっていて、ラストはなかなかに味があります。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
『ジーン・ワルツ』を読んでから本作を読むことをおすすめします。産婦人科医・曾根崎理恵は母のであるみどりに代理母出産を依頼する。そのみどりから見た代理母出産‥娘のためが赤ちゃんのためにと変わっていくのはある意味自然なことなのかも感じました。続編、読みたいですね!
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テーマは代理母。
日本では今のところ法律で認められていないが、今後法整備が進み選択肢の1つになるのだろうか。
「産む」から母なのか、「遺伝子」から見て母なのか。
そのどちらでもなくても養子を迎えて親子になる場合もあるので、難しい。
代理母を引き受けた女性自身も、この経験を通してしっかりした考えを持って「母」として強くなっていった気がする。 -
ジーン・ワルツと間を開けないで読まないと。
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■ 1406.
<読破期間>
2014/1/5~2014/1/15 -
もっかいジーンワルツ読みたくなる。母のこの心の動きが新鮮というか、現実どうなんだろう…と。自分の子しか産んでないからなぁ。なんとも複雑な気持ちになる。その違和感とか、複雑さをもって問題提起してる部分もあるんだろな。
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松坂慶子さんのイメージが強くなってしまいましたが、この著者の他の本より、落ち着いた文体が好感が持てました。
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映画化された「ジーン・ワルツ」のもうひとつの物語です。母と子の間に横たわる物語がやっぱり一筋縄では行かないものがあって、それが読み応えのあるつくりになっております。
この本は映画化にもされた「ジーン・ワルツ」の続編、というかそれと並行」して語られたもうひとつの物語といったほうがいいのかもしれません。ちなみに僕はドラマ版のほうは見ていません。機会があれば見てみますが…。物語を簡単に書くと山咲みどりは「クール・ウィッチ」の異名をとる曾根崎理恵の母親で、その彼女から子宮を失う自分のために、代理母として子どもを宿してほしいというのだ、という提案から話はスタートします。
まさか、母親にこういう提案をする曾根崎理恵もそうですが、それを了承して、彼女の子供を身ごもるみどりにも複雑なものがあるんだなぁ、ということを感じながら読みました。そして、みどりの視点から、曾根崎理恵が院長代理を務めるマリアクリニックにかよう妊婦たち、特にユミとの交流がすばらしいものでした。ハイライトは院長の三枝茉莉亜をはさんで、曾根崎理恵に母として何かが欠落していると感じたみどりが夫の理恵の夫(作中で離婚)の曾根崎伸一郎 の手紙を武器にして生まれてくる子供の真剣をめぐって母子で争う場面です。
鬼気迫る場面で、「クール・ウィッチ」と呼ばれ、医局の中でも恐れられる医師としての曾根崎理恵ではなく、娘として、これから母になろうとする女性としての曾根崎理恵の姿が垣間見える瞬間でした。生まれてくる子供たちの運命はご自身で確認していただきたいのですが、「フツー」ではない曾根崎伸一郎・理恵の二人と、みどりの出した答えに、僕は読んでいてため息が出ました。彼女の言うとおり、これがベストであると、そう思いました。