世界ぐるっと肉食紀行 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (293ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101333533

作品紹介・あらすじ

肉。それはジューシーでおいしく、噛むたびに尊い命をいただく喜びが湧き上がってくる。ミラノの巨大な牛カツレツ、韓国の屋台でしゃぶりつく豚足、モンゴルの捌きたての羊、柔らかな沖縄のラフティ、幼いころに食べた軍鶏の鍋…頬っぺたが落ちる美味な肉から、タブー視される動物の肉まで。各国の肉料理を食べ尽くした著者が、多数の写真とともにつづる垂涎必至の紀行エッセイ。

感想・レビュー・書評

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  • 読書録「世界ぐるっと肉食紀行」3

    著者 西川治
    出版 新潮社

    p76より引用
    “ いろいろなところで、いろいろな食べ物
    を撮影していると、遠く離れた国同士にどう
    してまったく同じような調理法や加工品がう
    まれたのだろうと、不思議におもうことがあ
    る。”

    目次より抜粋引用
    “牛を食う
     豚を食う
     鶏を食う
     羊を食う
     内臓を食う”

     写真・文筆家・画家でありながら、料理研
    究家としても多くの著作を持つ著者による、
    多くの国で食べてきた肉料理について記した
    紀行エッセイ。
     スーパーで手に入るような身近な肉から各
    国現地でした食べられないような肉まで、一
    冊丸ごと肉尽くしな内容となっています。

     上記の引用は、世界で美味しいと言われる
    生ハム三種について書かれた一文。
    元の肉が同じような物であると、美味しく食
    べる方法も同じように収束するのかもしれま
    せんね。似たような環境で生きる生き物が、
    似たような姿かたちに進化するという話を思
    い出しました。
     ずっと肉肉肉、一冊通して読もうとすると、
    疲れる・胸焼けする人もいるかもしれません。
    他の食材の本と合わせて読むと、その日の食
    事メニューのアイデアも浮かんで良いのでは
    ないでしょうか。

    ーーーーー

  • 新鮮な内容が多く面白かったが、ややあっさりした文章

  • 世界ぐるっと肉食紀行 (新潮文庫)

  • 2011-1-29

  • 文章に独特のリズムがある気がする。
    著者西川さんのものを読むのはこれが最初。
    写真家が本業というだけあって、ふんだんな写真がこうきしんをそそる。

    韓国の焼肉、モンゴルの羊料理、イタリアのモツ料理、ベトナムの蛇やカエルの料理などなど、様々な国の肉料理が紹介される。
    モンゴルなんぞは、おそらくそのうち仕事で行かねばならないことになりそうなんだけど。
    羊料理は、残念ながらやはり匂いがダメなのだけれど、現地で認識を改めることができればいいな。

    この手の本を読むたびに、自分の食に対する偏狭さが身に染みて感じられる。
    ついでに小さくなっていく自分の胃袋にも若干の不安を覚えつつ…。

  • 2011年刊。

     世界中(韓国が多いが)の肉料理を食い尽くすルポ。鶏肉が少なめで残念。
     もちろん、食欲をそそる内容で、夜中に読むものじゃない。腹が減りすぎて、見境なく冷蔵庫を漁りかねないからだ。
     ゲテモノもバラエティに富んでいるが、鰐肉がなかったかも…。
     また、著者の羊肉に対する愛着は、著者の少年時代のノスタルジィがスパイスとなっているのかもしれないが、ジンギスカンが食べたくなるほど上手い描写だ。

     犬食・鯨食に対する原罪観念はご愛嬌だが、「タブーは情愛から発生するのではなく、経済効率から生まれる」との指摘には蒙を啓かれる。ちなみに、本書で紹介された先の指摘は、文化人類学者マーヴィン・ハリスによるもの。

  • 新書文庫

  • ぐるっと3部作。肉編。
    やっぱ肉だなーと思ってしまった。焼くだけに塩と胡椒が最高だよなとアメリカに居たときの事を思い出した。

    相変わらず文章が素敵だった。

  • 韓国の小皿料理=ミパッチャン、韓国の女性は右足を立て食卓につく(オンドル生活の知恵)、牛の部位を300くらいに分類し名前を付けている、梨をすった薬味(ヤンニョム)、ご飯ものを手に持ってはいけない/コトレット・アッラ・ミラネーゼ(子牛のロース)=バターで揚げるのに対し、シュニッツェル(子牛の後脚、腿肉)=ラードで揚げる/世界の有名3ハム①伊ランギラーノ、プロシュート・クルード②中国浙江省の金華火腿③スペイン・ハモンセラーノ(アンダルシアのハブコ村有名)/モンゴル人は羊心臓の動脈を切る

  • 西川さんの本を読んでいると、お腹が空いて困ります。
    わたしも現地に行って、野性味あふれる肉を現地の人の食べ方でたらふく食べたい。

  • 「肉食」というテーマに絞っても、よくもこれだけ食べて回りましたね…、という事に感心。

  • この本のせいで、肉が更に好きになってしまった。
    牛肉を食べない家庭で育ったせいでなんとなく忌避感というか、そんなようなものを持っていた。なのに牛肉が好きになってしまった。困っている。

    今日スーパーで売っている一番安くて固い牛肉をステーキにして食べた。シチュー用とかそんな肉だ。
    固くて噛みきれず、皿に乗せたまま文化包丁で切り分けながら食べた。
    美味かった。ついでにビールも美味かった。

    また、この本では羊肉も随分フィーチャーされている。
    マトンの美味しさを全国民に広めたいと思っている私としては大変うれしかった。

  • 肉料理が食べたくなる。世界各地で様々な肉を食らった著者、うらやましい。

  • 西川さんの世界ぐるっとシリーズを読むことは、うまそうな食べ物飲み物の話はもとより、西川さんの素晴らしく開かれた人柄を堪能することでもあるんだ。

  • 正直タイトル買い…; お肉人間としてははずせなかったんだよ!それぞれが短くまとめられていて、写真やレシピも載っているので、非常に読みやすい印象。

  • 来ますねぇぐるっとシリーズ!西川さんの文章好きだから大歓迎。
    解説にもあったけれど、私も一番感銘を受けた文章は、
    「シャキシャキとした歯応え、アミの塩辛と豚足の厚みのある味がする。濃淡、強弱の違う歯応えが交互に来る。これはいくら繰り返しても飽きない。そして句読点のようにジンロを呷る。」
    なんて食の愉しみを上手く言い表した表現。特に「句読点のようにジンロを呷る」って!なんかもう…素敵すぎです…。戦前の、あの流麗な文章が用いられていた頃の古き良き随筆を読んでいるようだ。

    肉あまり好きじゃないのに食べたくさせる西川治マジック。次は「菜食紀行」…はなさそうだから魚だったり?何にしても楽しみにしています。

  • 兎も角、「牛すじ煮込み」は自分でつくってみなければなるまい。

  • 買った!
    旅行本としてしっかり醗酵させてから読む。

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著者プロフィール

1940年、和歌山県生まれ。写真家であり、料理研究家としても多数の著作がある。著書に『マリオのイタリア料理全六巻』『世界ぐるっと朝食紀行』『世界ぐるっとほろ酔い紀行』『世界ぐるっと肉食紀行』など。

「2014年 『マスタードをお取りねがえますか。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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