かたみ歌 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.60
  • (179)
  • (433)
  • (431)
  • (73)
  • (18)
本棚登録 : 2829
感想 : 468
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101337715

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • いっぺんさんという短編を読んで作者に興味を持つ。

    この人、オチがいいなぁ。。

    毎回主人公は違うけれど、
    登場人物は年代は違えど被ってくる。というか、毎回登場する人物こそ真の主人公だと最後に気づいた。

    作中で紹介される音楽が昭和で馴染みが無いけれど
    聴いてみたくなる。

    作中の少女が憧れているサリーなる人物がどんなにイケメンなのかと検索したら
    岸部 一徳さん という事実が一番衝撃的だったけども。

    女性目線、男性目線の時もどちらもすんなり感情移入できるのが凄い。

  • なぜか不思議なことが起こる街の商店街を舞台にしたオムニバス作品集。
    どれも不思議なんだけど、哀しく切なく、どこか優しい素敵な作品でした。
    必ず出てくるのが古書店の店主さんというのが、また直前に読んだ作品とリンクしててなんとも…
    芥川龍之介似の店主さん、とても素敵です。過去が明らかになっても、素敵です。

    紫陽花のころ…近所のラーメン店で起きた悲しい事件とその被害者、そして主人公夫婦の秘密。靴を隠す場面で「?」となりましたが、最後は納得。ただただ切ない…

    夏の落とし文…ちょっと怪談風。哀しすぎます。いつかまた、出会えますように。

    栞の恋…どこかで見た…と思ったら、世にも不思議な物語で映像化された作品。当時から大好きでしたが、原作もとにかく良かった。栞で交わす心。救われる人。とっても好きです。これが入っているだけで、☆4

    おんなごころ…哀しいけど、それより悔しい。幼い子どもは本当に純真で、一途で、可哀想…

    ひかり猫…可愛くて切ないです。誰もが愛されたいし、寂しさを抱えているというのは…真理すぎて切ない。

    朱鷺色の兆…誰かが命を落とす印が見えてしまうということ。淡いピンク色というのが、逆にとても切ない。かなり好きな作品です。

    枯葉の天使…まとめとして素敵。やっと店主さんのお話。読後感がとっても優しくなりました。

  • 久しぶりに「もっと読んでいたかったな」と思える本に出会えました。
    7つの短編から成っています。すべてに「死」が絡んでいるので、ゾクリとする場面がありですが物語全体が優しさに満ちているので怖い反面良い話だなぁという印象を受けました。平成生まれの私ですが、昭和の時代に生きてみたかったなと思います。ちなみに、一番好きなお話は「ひかり猫」です。朱川湊人さんの他の作品も読んでみます。諸田玲子さんがすごく丁寧にこの作品を解説していたのもよかったです。初めて知った作家さんですが、諸田さんの作品も読んでみたいです。

  • これ全く期待していなくて、例によって表紙がいいなあと思って買いました。家で読んでいたら何故か嫁が反応しました。この表紙の版画作家さんのファンらしく、コレクションを色々見せてもらいました。なかなか面白い偶然でした。

    さて、表紙から想像するに3丁目の夕日的なものを想像すると思うのですが、実際はホラーだったりするんです。
    昔ながらの商店街で色々な人々が不思議な体験をするのですが、その核になっているのが町の神社ととある古本屋さんで、その不思議な体験は全てが霊体験。連作なのに全部霊体験なんですよ。全然予想していなかったので正直びっくり。
    話し的には切ない話が多いのですが、中にはぞくっと来る話も有って飽きることなく読めます。
    「なんだよほんわかしたかったのに、ケッ!」
    とか思いながら読んでいたらば、どれもこれも懐かしい風景と、胸に迫る情感が素晴らしくて、結局は大感動してしまいました。
    商店街なので、一つ一つの話しがさりげなくリンクしていて、ああ、そういえば昔は誰かが誰かに関わってみんなすこしずつ数珠つなぎだったなあと思いだしました。

    都内ですが僕も商店街の生まれだったので、優しい人々に見守られて大きくなった子供でした。商店街を歩いて買い物するとみんなが声かけてくれて、えらいな!買い物か!とか言っておまけしてくれたりしました。
    虫捕まえて餌が欲しくて果物屋さんの前ででかい声で「腐った果物下さい!」と叫んで「うちには腐った果物なんて無い!!」と怒りながら色の変わったバナナくれたり、畳屋さんで一日畳作るの見ていたり、喫茶店のおねえさんにチーズケーキごちそうして貰ったりと思い出してもみんな優しかった。
    なのでダメ親父は全然家に帰ってきませんでしたが不思議と寂しくなかったです。

    話し逸れましたがこれは心に残る本になりました。

  • 平成生まれなのになぜか懐かしい
    アカシア商店街を中心にした様々な
    不思議なお話が集結してます

    特に本屋の店主はいろんな方向から
    ほとんどの話に関わってきます。(笑)

    今ではあまり
    ”ご近所さん”との関わりは
    薄いですが、昔ならではの
    人間関係や、発想があって
    でも、どの時代になっても
    変わらない物もある。

    こーゆー世界観好きよ。

  • 楽しくするっと読めた。
    生活感がとてもすき

  • 微妙かな

  • 一つの街で起こった出来事が、重なり合って、不思議だけど心あったまるお話し

  • 「幸子書房」と「覚智寺」を軸に、展開する物語。どこか懐かしく、ちょっぴりもの悲しい。少し不思議な物語。

  • まぁ面白いな。
    って読んでたけど、最後にやられた。

    感動しました。
    温かい気持ちになれたので
    人にオススメしたい本。

全468件中 71 - 80件を表示

著者プロフィール

朱川湊人
昭和38年1月7日生まれ。出版社勤務をへて著述業。平成14年「フクロウ男」でオール読物推理小説新人賞。15年「白い部屋で月の歌を」で日本ホラー小説大賞短編賞。17年大阪の少年を主人公にした短編集「花まんま」で直木賞を受賞。大阪出身。慶大卒。作品はほかに「都市伝説セピア」「さよならの空」「いっぺんさん」など多数。

「2021年 『時間色のリリィ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

朱川湊人の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
瀬尾まいこ
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×