すみれの花の砂糖づけ (新潮文庫)

著者 : 江國香織

• 新潮社 (2002年11月28日発売)

感想・レビュー・書評

[ogawayさんの感想 · 2020年7月25日]

きっとこれ、
どうしてわたしのことそんなに知ってるの？
って思う女の子がたくさんいると思う。

恋をしている、したことがある、全ての女の子に。
そして愛しいひとがいる男の子にも。
たぶん、せつなくてぎゅってなる一篇が見つかると思う。

恋愛だけじゃないよ、『父に』っていう詩もすごくいい。

[ねんねさんの感想 · 2020年7月9日]

とても軽やかな口当たり。ふわりとした余韻はほのかに切なく、いつもそこにあるはずの、でもいつもは忘れかけている、ぽっかりと空いた心の存在に気づかされる。
お気に入りは、「真実」と「アメリカンバーのさくらんぼ」。

[chisa547さんの感想 · 2020年6月29日]

大好きな詩集。
誰のものでもなかった私。

[あおさんの感想 · 2020年5月2日]

詩集だと知らずにタイトルや装丁、
みなさんのおすすめから手に取った本。
赤裸々に繰り広げられる江國香織ワールド。
素直な部分と少し冷静ですましたような姿を
想像しながら読むことができた。
江國香織の成長を、恋を、こころのやわらかいところを
特別に見せてもらった。

お気に入りは
「うしなう」「5才」「父に」「願い2」「時間」

詩集はあまり読まないが、共感したり想像したりと
たくさん楽しませてもらった。
タイトルのすみれの花の砂糖づけ。
いいタイトルだと思う。たべてみたい。

[ふわふわのもあさんの感想 · 2019年8月23日]

短い言葉の中に、恋することの切なさ、リアルな愛、
が詰められているように感じた
辛いことがあった時読むと特に、
心にそっと寄り添ってくれるような作品
江國さんはやはり天才です

[popaichanさんの感想 · 2019年8月20日]

場面思い出せる詩が少なく、30分で読んだ 江國さんはすきだけど小説の人だなと思った

[chiakihiranoさんの感想 · 2019年7月12日]

江國香織の詩集。
ずっと手を出さずにきたのはなんとなく想像できる内容に怯んだから。

江國香織の小説を読むたびに感想に書いてきたので繰り返しになるけど、私はこの人の小説の登場人物たちの倫理観のなさというか奔放さという「のびやかすぎる」生き方が苦手。

「浮気や不倫はよくない。まちがってる」などと正論を言いたいわけではなく、するすると浮気してしまう、その「するする」感がどうも苦手なのである。

この詩集でも『夫に』という詩と恋人に向けて書かれた詩が並んでいて、その不道徳さにどうしていいのかよくわからなくなる。
（もちろん小説だからフィクションでエッセイや詩集は事実を書いているなんて思ってないです。とくにこの人の場合、どこまで本当のことでどこから創作かとか意味がない。）

「あたしはリップクリームになって
あなたのくちびるをまもりたい
日ざしからも寒さからも乾燥からも
あなたのつまのくちびるからも」

なんていうのを読むと解説の町田多加次さん同様に「少し困ったような気持ち」になる。

私が今、35歳で不倫の恋をしていたら、もっと共感できるのでしょうか。いや、たぶんできないな。

むしろ彼女の中にいる永遠の少女、きっとかわいげのない顔で世界に向かっている孤独な女の子のほうに共感を覚えます。

「すみれの花の砂糖づけをたべると
私はたちまち少女にもどる
だれのものでもなかったあたし」

「私をうしないたくない
と
あなたはいうけれど
私をうしなえるのは
あなただけだよ」

「せかいぜんぶをむこうにまわし
ひとりぼっちだった
あの日。
しじみちょうと とかげだけは
すこし
仲間だった。」

「どっちみち
百年たてば
誰もいない
あたしもあなたも
あのひとも」

[千葉敬愛短期大学（メディアセンター）さんの感想 · 2019年3月28日]

大人になって変わったこと・変わらないことを思い出すために

所蔵情報
https://keiai-media.opac.jp/opac/Holding_list/search?rgtn=B17384

[さわをさんの感想 · 2019年2月23日]

人間味があった

[maimaiさんの感想 · 2018年10月18日]

ひとつひとつの言葉が素敵

著者プロフィール

1964年、東京都生まれ。1987年「草之丞の話」で毎日新聞主催「小さな童話」大賞を受賞。2002年『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』で山本周五郎賞、2004年『号泣する準備はできていた』で直木賞、2010年「真昼なのに昏い部屋」で中央公論文芸賞、2012年「犬とハモニカ」で川端康成文学賞、2015年に「ヤモリ、カエル、シジミチョウ」で谷崎潤一郎賞を受賞。

「2023年 『去年の雪』 で使われていた紹介文から引用しています。」