がらくた (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (339ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101339269

感想・レビュー・書評

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  • 途中であきた。

  • 文体が好き。
    言葉のチョイスが独特で、
    よくその言葉を見つけて当てはめることができるよな、と。
    内容は正直好きじゃないけど。
    15の女の子と寝ちゃう夫なんて最悪だもん。
    他の女と寝てもいいけど、
    やっぱ未成年はやめてほしい。

  • 夫溺愛の翻訳家「柊子」と半分大人の帰国子女高校生「海物」が繰り広げる、アンニュイなムード漂う恋愛小説。日本でいうと昔はやったトレンディドラマ風、洋画で言えばヨーロッパ自由恋愛風な物語のよう。現実世界とは距離感をもたせた作品ですが、繊細な文体で面白かった。赤いボルボ、シャンソンは私も若いころ憧れた。

  • 特に何も起こらない。読後感はミミちゃんのちょっとした成長記。江國さんの美しい文体を愉しむ、が正しい読み方なんだろうか。自分は常に何かしらの緊張感を伴って読んだ。なんでだろう。

  • フランスのカザンの小説みたい。若くてこましゃくれた女の子と大人たち

  • 柊子さんに寄りすぎてしまって、
    とてもそわそわして、ぎゅっとなった。

    駅までの道で、
    好きな人と会ってすぐの頃、
    何度も迎えに行ったことを思い出した。
    ドキドキしながら。そわそわしながら。
    嬉しいことを悟られないように、
    子どもに見られないように。

    彼が好きなったのは、いつのわたし
    今じゃないの

  •  だいぶ前に買って、そのまま放置していた本。
     こういう純文学的な本を読みたくなることもある。

     というわけで、読んでみたのだけれど、まあ「娯楽小説」。
     そこから得るものも何もない。しいて言うなら怠惰と嫉妬と大人のずるさと捻じれた愛を感じることができるのかなあ……という小説。

     物語は夫のことが大好きな女の人が、15歳の美しい少女を海外旅行先で見つけ、そこから入り組んだ人間関係が始まる……という感じの話でした。
     最後には夫と女の子の関係が出来上がってしまうのだけれど、たぶん、それは主人公の女性からしたら予想の範囲内のことで、そういうことも含めて愛のスパイスなんだ、と話すんだろう。
     本当はそうじゃなくても。
     そういう大人な恋愛でした。
     人間なんてしょせん理解しあうのは難しくて。
     お互いを維持するためには、ちょっとずつの余裕と、ずるさが必要。

     でもなくてもいいよ、という娯楽なお話。
     そういうのをお求めの方にはオススメします。

  • この著者の文体、言葉の選び方やリズム感等が余程肌に合うのか、読んでいるだけで心地良い。物語の起承転結を追ってわくわくするというよりも、江國香織を通じて切り取られていく世界を眺めている感覚に近い。物語として全体を俯瞰してみると「そこでその二人が関係を持っちゃ駄目だろう。」等々無理を感じる展開もあるのだが、文章の美しさや居心地の良さは相変わらず。皮肉屋の老婦人のキャラや言い草も痛快。

  • 「おっ、あれはまちがいなく、僕の好きな柊子だ」もしも原さんが私の目の前に現れたら。魅了されてしまうかもなぁ。
    「会いたい」は、言うのではなく、言われたい言葉。その気持ちがとても理解できてしまって、思わず唸った。
    原さんは「野暮ったい」カウチンセーターを、「とてもいいよ」と言う。野暮ったいと言ったこともきちんと覚えている上で。

    同年代の中では浮いていて、大人びている美海が、大人たちの世界に入れば「可愛がられる」「庇護される」存在になっていて、どれだけ入り込もうとも100%入り込むことはできない。原さんだけがその一線を越える。亘くんはそんなこと絶対にしないと思う。

    あ、でも原さんと亘くん、どちらとデート(恋人同士でなくとも、男女が約束をして二人で会う以上、そう呼べるんだって)したいかと聞かれると、私は亘くんと焼肉が食べたいです。

  • 『生きている相手に対して、感情を不変のまま保存することはできないのよ。』
    P314

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著者プロフィール

1964年、東京都生まれ。1987年「草之丞の話」で毎日新聞主催「小さな童話」大賞を受賞。2002年『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』で山本周五郎賞、2004年『号泣する準備はできていた』で直木賞、2010年「真昼なのに昏い部屋」で中央公論文芸賞、2012年「犬とハモニカ」で川端康成文学賞、2015年に「ヤモリ、カエル、シジミチョウ」で谷崎潤一郎賞を受賞。

「2023年 『去年の雪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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