- Amazon.co.jp ・本 (449ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101347189
感想・レビュー・書評
-
良かった…。
長かったけど最後までのめり込んでよんじゃいました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
下巻のスピード感がたまらなく良かった。上、中、と途中で何度も人物像を振り返りながらも諦めずに読み続けた価値が本当にあった作品。やはり高村女史らしい、と感じたラスト。こういう読後の余韻、ほんとにいい。
-
怒涛の最終巻。ホント…色々あった…。半田の何者にもなれない不安、狂気というのは多分誰しもが持っていたりするんだろうなぁと思った。城山や倉田から自由とはなんだと考えたり。合田さんが自分を受け入れられたというのはこの中でとても明るい兆しだった。大切にしたい相手がいるというのはどんな形にしても素敵なことだと思う。ああ読後がじわじわくる。
-
この世の中のたまりにたまった鬱憤や憤怒、悲哀が全編に漂っていて、読むだけで精神的にもっていかれてしまう、あいかわらずだった。
企業、警察、検察、裏の世界がいろんなところで絡まっていて、いくら解こうとしても解けない。これを解こうとひとり奮闘しているのが加納、なんだろうなあ。ハードカバー版では自分の愚かさに取り乱して泣いていたけれど、改稿されていた文庫版では取り乱してはいたけれど、想像できるどうしようもなくやるせない世界で生きつづけていた強さがあそこまでの崩壊を止めていたのかなあ、なんて。
物井のじいさんが「悪鬼」と呼ぶものはだれかしらも持っている、のだと思う。ひとつなにかをやってやろうという気持ちが、最終的にはおおきなもの同士の駆け引きの道具に使われてしまうのも、なんだかすごくやるせない。根来も同じく。
加納と合田の関係はあまりにもあからさまになっていて、読むひとを選んでしまうのかもなあと思った。この微妙な関係の行く先、はどうなるんだろうかと。
人間が崩壊していく芽は、いつでもどこでも生まれていくものなんでしょうね。
(1535P ※上中下巻) -
もうはっきりとほもぉでした。合田☓加納か加納☓合田かは貴方次第!
-
著者は警察関係者しか知らなそうな用語・事情にまで精通している。よってかなりの緊張感をもって読める小説。展開も面白かった。ラストはやや違和感あり。
-
再読。めっちゃ長くかかったわー。これを最初に読んだのは、学生の時。ただただミステリーのつもりでラストまで突っ走って読んでいた。でも今回は、登場する男たちのやるせない日常とか、積もっていく疲労とかを中心に読んでしまった。なかなか進まなかったなー。ま、相変わらず経済の話しは全然わからなかったけどね。
-
☆$$大作すぎた割には、イマイチ。$$状況説明が長すぎて、疲れる。$$その割りに話しの展開は遅いし、オチもイマイチだった。
-
男たちは一体何処へたどり着くのだろうか・・・
なんだかんだ言っても、やっぱり半田でしょう。
冷静で常識的な所と鬱屈として壊れちゃってる所のギリギリ感が。
合田は、いつ読んでも掴み所が無いなぁ。でも、「照柿」の合田が一番好き。 -
それぞれの登場人物がそれぞれの結末へ向かう。人生の岐路に立ったとき、たとえそれが重い決断であったとしても、自分自身で道を選べる人はまだ幸せなのかもしれない。
合田と元義兄の関係が切ない終わり方になりそうな気がして、途中から読み進めるのをためらう気分になってしまった。
レディ・ジョーカー事件は壮大で緻密。面白い。
そしてまた一方で合田と元義兄の関係が、静かな湖面に小さな石を投げ入れたような、かすかな恋愛小説のようにも感じられた。
単行本から文庫本になる際、大幅な改訂がされたはず。単行本の方も読んでみたい。