ナイフ (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 9759
感想 : 824
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  • Amazon.co.jp ・本 (403ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101349138

感想・レビュー・書評

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  • 重松清の小説の中でも特に「いじめ」にフォーカスした短編集。さらっと読めますが、いじめの描写はやはりリアルで痛々しい。

    印象に残ったのは「エビスくん」です。どんなにいじめられても、強い子が好きだから、いじめっ子であるエビスくんが好き、という主人公キヨシには共感できませんが、、エビスくんには一度会ってみたい。
    最後のあとがきで、エビスくんは実際に亡くなった友だちがモデルになっていることを知りました。「どこにおるんや、エビスくん」というキヨシの最後のセリフは、切ないです。

    • アールグレイさん
      忙しい中、返信無用!
      忙しい中、返信無用!
      2021/10/09
    • アールグレイさん
      先程プロフィールをなんとなく見ました!
      終わったんですね!
      鎌倉うずまき案内所、短編集ですが、お薦めです。
      先程プロフィールをなんとなく見ました!
      終わったんですね!
      鎌倉うずまき案内所、短編集ですが、お薦めです。
      2021/10/09
    • かりうささん
      ゆうママさん、お久しぶりです!
      試験は無事終わりました。
      結果発表は11月末ですが…自分の力は出し切れたと思います(*^^*)
      実は時々本を...
      ゆうママさん、お久しぶりです!
      試験は無事終わりました。
      結果発表は11月末ですが…自分の力は出し切れたと思います(*^^*)
      実は時々本を読んでいましたし、ここも覗きに来てました。
      おすすめありがとうございます。鎌倉うずまき案内所、読んでみます!
      2021/10/09
  • どこかのサイトで紹介されてたので買ってみた一冊。

    いじめの話しの短編集だった。

    短編の話でも続けていじめの話しを読むのはなんとなく気が重くなる。
    結構えぐいいじめの描写もあったし

    この小説は20年以上前の話みたいだか、いじめの内容がけっこうえぐい。今も多分実際に同じような内容のいじめを受けている人はいるだろうし、これからもひどいいじめを受ける人はたくさんいるのだろうと思う。

    時代がすすんでもいじめはなくならないし、解決できない問題だと思う。
    この小説の話でも、いじめ問題は解決してない。

    どの短編もいい感じで話が終わってる感じがするが、根本的な所は解決していないように感じた。

    いじめについて改めて考えさせられた小説でした。





  • イジメ題材の短編集

    少し前の作品ですが、今も昔も同じことが繰り返されて問題となりますが、何一つ変わらないんだなぁって思いました。
    ゲーム感覚だったり、些細なことがきっかけで行われる人の残酷さが怖いお話でした。

    子供の頃には今の気持ちを持てなかったのかなぁ...

    変わらないかも知れませんが、考えるきっかけになれる本だと思いますので、沢山の人に読んでもらいたいです。

  • いじめを受ける子供と、その家族のお話。
    いじめは子供が最も辛いけど、側で見守る親も辛い。親の立場になった今なら分かる。
    助けてあげたい、毎日一緒に学校に行ってやりたいと思う。大事に大切に思う自分の子供がいじめに合うなんて悔しい。
    親の感情が如実に伝わる話ばかりだった。
    短編「ナイフ」が1番親の気持ちで読めた。

  • いじめの回は入り込みすぎて自分がいじめられてれている気分になってしまった

  • 重松さん好きだけどあんまり刺さらなかった。
    いじめの描写が結構苦しかった。
    もやもやした感情を持つ家族の話ならビタミンF、ちょっとしたすれ違いを描いた話なら日曜日の夕刊、ふとした時に思い出して読みたくなるのはロングロングアゴーです。この本はイマイチって人にはそちらをおすすめします。なんか最後の話のオチが同じ作者の別の作品で読んだような気がして残念でした。

  • 夫の友人からお借りしました。

    いじめをテーマとした5作品が収録された短編集です。
    今まで、温かい涙を誘うようなほっこりした気持ちの読後感の作品しか読んだことがなかったので、著者が書いたものでこんなにつらいいじめの描写があるなんて思いもよらず、衝撃を受けました。
    ラストはほんのり希望のみえる作品もありましたが、とにかくいじめの描写が鮮烈過ぎて今も憂鬱な気持ちから立ち直れません。これが今のリアルないじめなのでしょうか・・・
    それは私には知りえないことですが、ただ、読んでいてハッキリわかったのは、いじめられている側はそれを周囲に隠したがり、心配や同情も嫌うんだなっていうこと。
    大人にSOSを送れば心配かけちゃうしカッコ悪いし、という子供なりのプライドも大事にしてあげたくなりました。
    でも。
    それ以上に大切なのが、心や命なんだよ、と教えてあげたい。
    小説では父親が悩みながら奮闘する姿に救いをみましたが、実際にはどうなんでしょうか。

  • 「いじめ」をテーマにした短編小説集。

    個人的には「ワニとハブとひょうたん池で」の「ワニはいる。ひょうたん池に、棲んでいる。元気だ。元気にみんなから嫌われながら生きている。うん」というところに何だろう、無意識に今の自分と重なったのか、凄くグッときた。

    自分で言うのもあれだけど、過去にいじめられていた身としては、自分のプライドだとか、親、先生らとの距離感だとか、色々共感出来る箇所が多々あって、正直昔を思い出して泣きそうになった。

    僕はこの小説はどちらかと言うと、いじめにあっている本人より、その周りの大人達、親や先生らに是非読んでもらいたいと思った。

  • 今も昔も人間の本質は変わらない。ハブられる、なんて使わなくなったかもしれないが、今でもきっと目の前でそんな光景は至るところにある。
    みんな弱くて、みんな強い。

  • 短編集。初めの4つの話は酷いほどのイジメの話。いじめにあってる、いじめを見ている子供の心理が克明に描かれる。外から見ている大人の視線がいかに的外れか。読み進めるのが辛かった。
    私はもう、子供の気持ちには戻れない。だから私の子供がこんな風になったらどうするだろう、と考え続けた。答えは出ない。
    最後の一篇は、共働きを辞めた奥さんと、二人でやっていた子育てを任せきりになる中間管理職の旦那さんと子供が二人。どこにでもあるような家庭のどこにでもあるような家族の物語。子供が育つにつれて変わっていく家族のカタチと、それぞれに葛藤しながら何とか寄り添い続けるミチを手探りで探す夫婦。迷ってもいいんだな、って言うか、子供を育てるなんて正解がないんだから迷って当然なんだな、それぞれの思いを抱えながら、時にはそれを話し合ったりぶつけ合ったりしながら、暮らしていけばいいんだな、と思った。

    あとがきにあった、作者本人のエピソードも心が痛んだ。

著者プロフィール

重松清
1963年岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。91年『ビフォア・ラン』でデビュー。99年『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞、2001年『ビタミンF』で直木三十五賞、10年『十字架』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『流星ワゴン』『疾走』『その日のまえに』『カシオペアの丘で』『とんび』『ステップ』『きみ去りしのち』『峠うどん物語』など多数。

「2023年 『カモナマイハウス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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