あの歌がきこえる (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (338ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101349244

感想・レビュー・書評

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  • どストライク!音楽もしきたりも人間たちも空気も雰囲気もすべて私が過ごした青春時代と同じだった。育った場所が違うだけで、体験したことも目標も瓜二つ。まるで各年代の自分のアルバムを見ているよう。涙が溢れるような感動こそなかったが、大きな共感を覚えた。ありがとう!重松清さん。

  • 本州の西の端の小さな街で生まれ育ったシュウ、コウジ、ヤスオは1980年ごろに中学生となる。親の離婚、交換日記、高校への進学や、大人の女性に憧れ、ギターで流行歌からちょっとズレた歌を歌い、様々なイベントを当時の流行していた歌とともに思い出していく連作。

    重松清というと重くるしくて理不尽な不幸の連続というイメージが有り、これを含め何冊も買って寝かしていたが、この作品はそういう雰囲気ではなかった。

    コウジのように親が離婚してしまうわけでもなく、ヤスオのように思い切り弾けるわけでもなく、馬場くんのように引っ込み思案でもない平凡なシュウは、作者のいち部を反映したものなのだろう。

    しかしそこは重松清である。それぞれのエピソードに出てくる人たちはいろいろな背景があり、一筋縄ではいかない人生であり、高校の途中で駆け落ちをしたり、事故で生死をさまよったりということになる。

    それぞれのテーマとなっている曲も1980年前後の邦楽中心の、当時を生きた人なら知っている、その後に生まれた人にも、Youtube等で聴けるような曲が選ばれており、若い人たちにも読みやすい作品であろう。

    どこかで重い雰囲気になるんじゃないかと、若干警戒、もしくは期待していたところは有ったが、そういう作品ではなかったね。気楽な重松清。

  • 「意地っ張りだけどマジメなシュウ、お調子者で優しいヤスオ、クールで苦労人のコウジは、中学からの友だち同士。コウジの母親が家出したときも、シュウがカノジョに振られたときも、互いの道を歩き始めた卒業の日にも、三人の胸にはいつも、同じメロディーが響いていた。サザン、RC、かぐや姫、ジョン・レノン……色あせない名曲たちに託し、カッコ悪くも懐かしい日々を描く青春小説。」

  • 1.8

  • 小学生で彼らが友達になり、高校を卒業するまでの彼らの成長を覗き見してるようで、だんだん親近感が湧いてくる。たくさんの歌が出てくるので、一緒に歌を聴きながら読み進めても、より楽しめそう。昭和の懐かしい雰囲気に切なくなる。

  • 友達の話

  • 自分と同じ方言で書かれた、親子、友人の物語に感動。

  • 重松清。ちょっとませた、小中学生の感情を思い出す。
    作品登場曲が良かった。その音楽を聞きながら本を読むって素晴らしい。この世代に生まれたかったなって思う。今も悪くないけど。

  • シュウたちはオイラの4つ上だ。だから「風を感じて」はオイラが小学四年生の時ということになる。確かにその頃から部屋でラジオを聴くようになった。だから「風を感じて」以降の曲たちはどれもよく聴いていた。シュウが高校を卒業したら東京に行こうとしていた気持ちがちょっとわかる。別に家族と仲が悪かったわけでもないが、地元を出てみたかった。馬鹿だから国立は諦めて私立に決めたが、経済的に厳しいのはわかっていたから新聞奨学生というやつになった。それでも家を出ることのほうがはるかに嬉しかった。まあ、そのあといろんないいこと、わるいことがあったけど家を出たからこそわかったことはオイラの大きな糧になっていると思う。シュウ、コウジ、ヤスオが3人組なようにオイラも小学校から高校を一緒に過ごした2人のツレがいる。数年前に3人で集まったがオヤジになっても関係が昔のままというのが何とも可笑しい。シュウたちもきっとオヤジになって一緒に酒飲んだりするんだろうな。

  • 馬場くんの嫌われっぷり可哀想だと思ったけど、実際クラスにいたら私も目を合わさずに声も掛けないだろうな〜
    ヤスオのあのお気楽さ私にも分けてくれ笑

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著者プロフィール

重松清
1963年岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。91年『ビフォア・ラン』でデビュー。99年『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞、2001年『ビタミンF』で直木三十五賞、10年『十字架』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『流星ワゴン』『疾走』『その日のまえに』『カシオペアの丘で』『とんび』『ステップ』『きみ去りしのち』『峠うどん物語』など多数。

「2023年 『カモナマイハウス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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