- Amazon.co.jp ・本 (437ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101349268
感想・レビュー・書評
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中学校という狭い世界の中で
どの子も何かしら抱えてる
自分を嫌いになる前に
「間に合ってよかった」と笑いかけてくれる先生がいる
村内先生。
ずんぐりとした見た目で、吃音があり
何かを話す時激しくつっかえる
それでも喋る。ひどく苦しそうに顔を赤くして…
ただ、本気で伝えたい事だけ
本気の言葉で話す先生の言葉は、
つっかえていてもちゃんと相手の心の届く。
教師を刺してしまった男の子
ハンカチを握りしめていないと喋れない女の子
何気なくいじめに加わってしまった男の子
そんな子たちにそっと近づき
笑いかけて
彼らが立ち直る頃には、もう別の学校に行っている
そんな先生
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どの話にも「悪い役」はいる
でも「悪い子」はいない
どの子にも理解できる感情があって
反発しながらも、自分の行動を省みる場面がちゃんと描かれてる
現実はこうは上手くいかないと分かってはいるけど
こんな現実だったらいいなと願ってしまう
重松先生も吃音のコンプレックがあり
教師の夢を諦めた、とあった
だから私の村内先生のイメージは、本の書影の重松先生そのもの
たとえ上手く言葉に出来なくても
伝えたいという気持ちまで諦めてはいけない
そういう事を感じさせてくれる読書でした詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
登場人物は中学生で大人ではありませんが、悪意ある人ばかり出てきて嫌悪感が募りました。村内先生は素晴らしいかもしれませんが、それを上回る性根が腐った子供たち。
あまり共感できず、救いもなく、私には合いませんでした。 -
孤独を感じる寂しさ、みんなとは違う劣等感、逆にみんなと同じでなければいけない窮屈さ。思春期の悩みは言葉にし難いけど、モヤモヤを抱えた自分を理解してくれる誰かを求めている。
それが本書では村内先生のだと思う。説教する訳でもなくアドバイスをする訳でもなくただそばにいる。
自分を認めてあげよう、前を向いていこうとさせてくれる村内先生の人柄に憧れた。
思春期特有の悩みを抱えた小中学生にはぜひ読んでもらいたい。 -
学校を舞台にした連作短編集。
短編ごとに、様々な「問題のある」子どもたちが登場する。
全ての短編には、吃音を持った教師が登場する。彼が子どもたちを「救っていく」という話。
子どもたちの心象風景の描写は、さすがの重松清。もうすっかり昔のことになってしまった子ども時代の記憶が蘇る。あの頃の、とても小さな世界の空気感がよく描かれていると思う。
でもちょっと読むのが遅すぎたかな。子どもたちにはオススメ。人生に影響を与えた一冊になるかもしれない。
大人が読むのはどうだろう。自分個人は、子どもたちのウジウジした感じが、読んでいてじれったく感じてしまった…笑
あと、短編の中には、「これって問題解決してるの…?」みたいな話もでてくる。 -
自分が中学生だった頃の記憶が蘇ってきて大変でした。(辛い日々でしたので)冷静に読もうと思ったのに…。
次から次へと何かしら抱えた中学生が登場するので、誰かには共感できると思います。共感できない「なんだこれ?」という話もありますが。
最後、カッコウの卵は題名見たら「村内先生の話かな?」と期待しましたが違いました。村内先生の視点で描かれる短編も読みたかったなあ…。 -
みんな誰かだとか何かを心の拠り所にしている主人公達の話。
少しのヒントで気づける子達。
素直な子達の話だった。 -
たったひとりでも、ひとりじゃないよとそばにいてくれるだけでぜんぜんちがう。
こんな先生に出会いたい。 -
やっぱりいつ読んでも重松作品は優しい。
今回も先生のお話で、吃音でうまく喋れないけどたいせつなことを教えてくれる非常勤講師の村内先生と、ひとりぼっちの生徒のオムニバス。
すごく優しいんだけど、終わり方が希望のある終わり方で素敵だけど個人的にはもっとその先まで読みたかったなーと物足りなくなってしまった。
村内先生に出会え「間に合った」生徒たちは本当によかったし、村内先生のような、重松さんのような優しい人になりたいなぁと思った。 -
小、中学生の時に読んだらいいんじゃねっていう感じの本だった。
悩みはもちろん人それぞれだが、悩んでる背景が個人的には浅く感じてしまった。