白いしるし (新潮文庫)

著者 :
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本棚登録 : 7833
感想 : 661
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101349572

感想・レビュー・書評

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  • これも、いつも私が気に入りそうな小説を持ってきてくれる同僚が貸してくれたので読みましたが、今回はイマイチ。西加奈子さんは、やっぱり「サラバ!」と「 i 」が最高に良かったな。
    あ、この作品も、主人公が”内向していく”感じは「 i 」と似ていて好き。
    絵を生業にしている主人公が、同じく絵を描く男性と出会い、強烈に惹かれる物語。それだけと言えばそれだけだけど、恋愛って美しい面と醜い面の両面を併せ持っているんだなぁと感じられて、すっかり”恋愛”から遠ざかってしまった私もつい、「恋愛したいかも!」と思ってしまいました。したらまずいけど。しかし異性(恋愛対象)に限らず、第一印象から「あ、この人好きだ、お近づきになりたい」と思う相手はいるもの。そういう出会いは逃したくないなと思った。
    さて、主人公は文字通り一目惚れしてしまって、彼の内面を好きになると同時に、内向してゆく。自分の芸術についてもより突き詰めて考えていく。
    少し前に読んだ、白石一文の「プラスティックの祈り」に近親婚が出てきたので、「あ、また?なんかつながってるな」と思った。恋愛というものを突き詰めて考えるときに、近親相姦ありなのか?っていうのはテーマとしてあるのかも。川上弘美さんの小説にもあったような。
    あと猫が恋愛対象かもしれないっていうのも(違ったけど)ぞくぞくした。近親相姦より猫が恋愛対象の方が、私としては受け入れやすい感じがする・・・なぜだろう。
    もうちょっとハッピーエンドで終わって欲しかったけど、ある意味で主人公は行きたいところに到達したような気もする。

  •  登場人物の内面の複雑さがどのページにも溢れ出るように出てくる。見た目で淡々としているような人も、ある種のどろどろを抱いているのかと思ったりで、登場人物に共感できたりできなかったりで感情移入が難しい雰囲気もあった。

  • 西加奈子さんはやっぱりエネルギーのある文章を書くなあ、と。

    ひとをものすごく好きになると、
    その人の魅力が強烈すぎて、それは恐怖になる、みたい。

    この世には、恋することによってしか得られない情動、感動がある。
    解説がまた秀逸。わたしも男修行、しないといけないのかな。

    この絵が好き!っておもったことがまだない、し、
    こんなにも感情が動くことがうらやましいな〜

    白っていう絵の具は、また、
    何色とも混ざれるようで、
    でもひとりで唯我独尊、強い色。
    真っ白は、もしかしたら人を遠ざける色かもしれない。
    白い富士山の絵見てみたいな〜とおもった。

    あと、猫ちゃん。濃い血の猫も、なんか訳あり。

  • 恋をした時にその相手に感じるあの絶対感、、、もう何にも勝てない絶対感。あの感覚を知っているので、恋をしている間の主人公に共感しまくっていた。そして「女の理解者は女なんだ」と改めて痛感した。女の持つ時に異常とも取れる恋愛感情は、男性には理解しがたいものだと思う。逆も、そうかもしれない。西加奈子の「ーと思った。願った。」と確かめるように言い直す書き方がわたしは好きだ。

  • 心と身体、全部を使って本気でぶつかるような…
    そんな恋をしたいと思えた。

  • あまり入り込めず、なんだか理解も出来ず。短かったから読めたけど、何度かもうやめようかと思った。自分が壊れてしまう程誰かを好きになる気持ちが分からないから共感出来ずだったのかな。でも富士山を見て、ああああああーって叫んでみたいとは思った。気持ち良さそう。

  • 失恋はこんなにも辛いのに、どうして人は恋をするんだろうと思った。

  • 人を好きになるって、すごいことなんだね。

    自分の身を削って、好きになるし、
    もう恋愛なんてたくさんだ!って思っても、
    好きになってしまうものなのだ。

    これくらい、いろんなものに影響がでてしまうくらい、人を好きになりたいものです。

  • 西さんの本はエネルギーに溢れていて力強くて、繊細さもあるけれどそれ以上に引っ張られて前へ前へ進んでいってしまうような、そんな物語が多いような気がする。

  • 想像してなかった展開に突然なった。
    文章もとても読みやすい。

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著者プロフィール

1977年イラン・テヘラン生まれ。2004年『あおい』で、デビュー。07年『通天閣』で「織田作之助賞」、13年『ふくわらい』で「河合隼雄賞」を、15年『サラバ!』で「直木賞」を受賞した。その他著書に、『さくら』『漁港の肉子ちゃん』『舞台』『まく子』『i』などがある。23年に刊行した初のノンフィクション『くもをさがす』が話題となった。

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