白いしるし (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101349572

感想・レビュー・書評

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  • この本の主人公夏目は、ある日誘われて行った画廊で出会った白い絵に一瞬で心を奪われ、作者の間島に出会ったとたん、この人に深入りするのは良くないと察する。しかし心には抗えず、激しくのめり込んでいく。
    薄い本であるのに、読むのに数時間しかかからなかったのに、なんかもう激しく疲れて、この夏目という女性にあてられた気分。
    西さんは初読みの作家さん。こんな作風なんだ。
    全身全霊をかけて人を好きになる過程が激しくて強くて、なんか凄かった。夏目は私とは全然違う女性なのに、なぜか共感してしまう。
    はぁー、本の中に入って、夏目の友人になってた気分。ほんと疲れた•••

  • みんな幸せになればいいのに

    よく分からんけど、こういう複雑な大人の女の恋!みたいなのに、共感ができない。気持ちをわかってあげられない。それが悔しい。

  • なるほど、超全身恋愛小説。映画のような、この短さと勢いがいい。

  • 紡がれていく言葉が絵画のように広がっていく。
    目に見えないこころの風景を伝えるための言葉をきちんと選んで表現してくれる人の文章だ。

    全身全霊をかけたような想い。みんなみんな、それは恋。ただの恋だった。
    「ただの恋」彼らの恋を見守って、その先を見つめる夏目の目線から聞く、この「ただの」という言葉の含むものの重さにグッときた。

  • 律儀で、とても細くて、言葉を疎かにしない人。『まじまさん』はきっと、一般的に言えばとても変わっていて、簡単に好きになれる人ではないんだと思う。それでもその人のことを心から好きと思える瞬間というのは、自分の中に新しい自分みつけたような気がして、世界が一変するような心地になる。これは相手が人に限らず、景色だったり誰かの言葉だったり、映画や本だったりなんでも起きうることなんだけど。そういう出来事がたくさんあると、ぼんやりとしていた自分の形がはっきりしてくる感覚がある。恋愛の甘さというより、報われる恋というより、日常に溶けきってしまっている『私』を救ってくれる物語だったのかなと思った。


  • 初の西加奈子の作品!
    一気に読んじゃった。

    徐々に夏目が間島にときめきを
    感じてるのがよかった。少女のようで可愛かった。
    恋したらどんどん時間の流れが早くなって
    沸騰していくような。

    陽に浴びない人と夏の湿気
    みんなどこかしらおかしい。

    夏目と間島が自分の名前の漢字の話をしている
    場面がすごく好きで、間島の人としての
    面白さが出てるなぁ〜って思っちゃった。

    最後のスピード感ものすごく好き。
    ふぅ〜。人間臭さがいい。

    恋っていいね。

  • 生きる!と熱意がすごい。私は苦手だった

    会いたい。そのシンプルな欲求に抗うことが出来る人間は世界にどれだけいるのだろうか。
    という一文が大好きです。

  • 前半は読ませる。西加奈子の巧みで力強い筆致は圧巻であり、女性の心理を女性作家特有の描写で迫っていく。ただそれも後半になると、それが鼻につく。徐々に飽きがきて、いや気が起こる。

    夏目、女32歳、独身。誰かにのめりこんで傷つくことを繰り返した過去を振り切り、恋を遠ざけていたが、間島の絵を一目見た瞬間、心は波立ち、持っていかれてしまう。白、白い、富士山。ただ、そこからがついていけなくなる。

  • めげずに西加奈子さんを読むぞキャンペーン
    円卓よりは読めた。さくさくと。

    アーティスト同士の人間模様、
    アラサー、簡単には恋はしないと誓ってるけど恋人がいるとわかってる不思議な年下男に恋に落ちる女性と、
    その数少ない友だち、というにはお互いのことを良く知らない男性。メインはこの3人。

    いやいやありえない展開でしょ、と思うこと多々あれど、こういう独特の「ありえない展開」の世の中の常識をふっ飛ばして進んでいく世界は、
    「こういうのって小説ならではだよなあ」という印象。
    (ほめてる)

    でも、ちょっと私にはフィットしないかなという感じで、西加奈子さんへの挑戦はもうしないと思う。わたしの負け戦だから。これも読書の醍醐味でおもしろい。

    ちなみに西加奈子さんの本は、ひいきにしている小さな本屋さんの福袋のなかに入っていて「自分では絶対読まなかった作家さん」だから、やっぱりオフラインの本屋さんの存在は大きくてありがたい。

    まだまだ世の中には読んだことがない作家さんや作品がたくさんある。挑戦はまだまだ続けたい。

  • 共感も理解もできないけど、圧倒的な内容だった。一気に読み切った。猫、可哀想。

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著者プロフィール

1977年イラン・テヘラン生まれ。2004年『あおい』で、デビュー。07年『通天閣』で「織田作之助賞」、13年『ふくわらい』で「河合隼雄賞」を、15年『サラバ!』で「直木賞」を受賞した。その他著書に、『さくら』『漁港の肉子ちゃん』『舞台』『まく子』『i』などがある。23年に刊行した初のノンフィクション『くもをさがす』が話題となった。

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