- Amazon.co.jp ・本 (372ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101349817
感想・レビュー・書評
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文庫4冊の中で、一番のめり込んでしまいました。娘の存在感と物語のスピードにはまりました。
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前半はなかなか入り込めなかったけど、景が復活してからはとても面白かった。
歴史に詳しい人や好きな人が読んだらもっとおもしろかったんだろうなぁ。
この時代、家というのはとてもとても大切なものだったんだろう。それぞれが思いを貫く姿はとてもかっこよかった。そして、切なくもあった。 -
最終巻は1冊まるまる木津川合戦。村上海賊を主力とした毛利軍と、真鍋海賊を主力とする織田軍の海戦は、さすがのド迫力。ぶつかりあう猛者たちの戦いっぷりにまさに血沸き肉躍る。景も自分らしさを取り戻して迷いがなくなったので、その戦いっぷり自体はとてもカッコイイ。
しかしどちらの海賊もいわば傭兵、雑賀党も含め、織田に雇われてるか毛利に雇われてるかの違いだけで凄惨な殺し合いをしなくてはならないのは勿体ないなあ。好敵手に出会えてワクワク、みたいな少年漫画的戦いには仕立て上げてあるけれど、やはり景が戦を始めた理由と、鬼手云々には最後まで納得いかなかったこともあり、主人公側から見れば敵であるところの泉州侍、真鍋海賊たちのほうに内心肩入れしてしまった。
作者が史実を徹底的に調べているところは好感度大。のぼう~からずっと、戦国時代とはいえ比較的マイナーな一戦場をクローズアップして主題に選んでいるのも一貫しているし。当時の人名や専門用語など、丁寧にふりがなを振ってあるのは新潮文庫にありがとう(笑)人名とか最初に覚えたつもりでも、しばらくするとまた読み方忘れたりするので、章が変わるごとに何度でもふりがなつけてくれるのが大変親切でした。
逆に気になったのは登場人物(とくに景)の言葉使い。昔の人がどんな喋り方をしてたか正確に再現するのは不可能だしもちろん雰囲気のみの基本現代語訳でいいと思うのだけど、それにしてもあまりにも場違いな現代の若者言葉がたまに混じるのが、のぼう~の頃からひっかかっていました。今回、泉州弁など上手く駆使してあっただけに、余計にたまに出る「現代弁」が浮いていたかも。 -
最後までほぼ一気読みしてしまうほど展開がどうなるのか引きずり込まれます。七五三兵衛さんの鮮やかなほどの戦いぶりに今の人にはないかっこよさ、それに負けじと挑み続ける景の粘り強さがぶつかり、減らず口を叩きながらも剣を交える姿は心討たれます。最後の描写と弟の強い事実からの活躍をもう少し読みたいなと欲を言えば思いましたが、概ね満足で読み終えました。
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ワクワク、奇想天外の海戦シーン
どちらかの立場で読めば、翻弄される展開
心理的 深い描写は 少ない
娯楽の極み -
木津川合戦の火蓋が切って落とされ、泉州侍と村上海賊の間で激しい戦闘が繰り広げられます。和田さんの文章から戦いの場面を想像すると非常に血なまぐさいのですが、ところどころ道夢斎と宗勝のやり取りのようなユーモラスな場面もありました。双方死力を尽くした戦いを終えた後、下間頼龍、お前だけは許せんと思っていたので、景のとった行動に胸がすーっとしました。史実をもとに見事なエンターテインメント作品に仕上がっていて、映像向きだと感じましたが、景姫の役にぴったりの女優さんが思い浮かばないなあ……。
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そしてこの巻の大半は、歴史上「第一次木津川口の戦い」と呼ばれる毛利vs織田、否、村上海賊vs泉州侍の戦いの描写で占められる。
攻防は目まぐるしく入れ替わり、どちらに利があるか全く予断を許さず戦況が移ろう中、ここで姫様は神出鬼没八面六臂の大立ち回り。
あれだけやられてそれはなかろうと思わせる鬼神の如き不死身の様だが、タイトルロールはこうでなくっちゃ。
探り合い騙し合う知能戦、矢・銛・種子島・焙烙玉が飛び交う空中戦、刀や槍を手に持ち肉弾相打つ接近戦、敵も味方も主だった登場人物にそれぞれに見せ場が用意され、最後の最後まで興趣満点。 -
歴史を感じられ面白かった。