覚えていない (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101354149

感想・レビュー・書評

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  • あー、おもしろかった。ものごとの合間、合間にパラパラめくりたくなっちゃう。自分に正直に達観した感じの佐野洋子……でも、いくつになっても悩みはつきぬのだなあとも思ったり。

  • 佐野洋子さん、らしい本。
    嬉しかったのは森謠子さんについて触れたエッセイが読めたこと。
    対局にあるような二人だけど仲良しだったんだなぁ。

    二度目の結婚、そして離婚についてもさっぱりあけすけに書かれていて、相手があの人だと知ってから読むとほうほう…という感じ。

  • 「私は年月がたっても全く成長などしていないのである」生まれ変わるなら迷わず女を選ぶ。結婚はカン違いのたまもの。教師と医者がヤクザよりこわい。ワイドショーに人間のいとしさを見る。男と女の不思議、ビンボーだった青春時代、子育ての苦労と喜び、父母の記憶ーー人生のほとんどは、忘れてしまうことばかり。小さな悩みなんか吹っ飛ばす、名言・至言にあふれた痛快エッセイ。
    (2006年)
    --- 目次 ---

    「お金」の問題/女の入口/ガートルード・スタインと花束/
    満員電車とミスコンテスト/山小屋の渡辺淳一/フロイトとクリネックス/
    アンナ・カレーニナの不満/孤立無援の昼寝/たかがゴミ袋/悪女と善人/
    銀色マニキュアの黄昏/カラオケセットと井戸端会議/恋愛相談の躁鬱/
    山手線夫婦の葛藤

    覚えていない/キモノ/着物地獄の一里塚/こわーい/ただ、何となく/幻の場所/銀の杖/真二つの結婚/カン違いと成り行き/テレビの中のいとしい人/
    菊千代のおしり/おどおど/電気釜と洗濯機/しみじみ/ミラノの美術館/
    拙いという美徳/尋常でない/とおい草のにおい/白いオホーツクを見に行く

    過去の子供、未来の子供/大地/もう一つの世界で遊ぶ自由/立派なファザコン/
    起きては読み、眠っては読み/華やかな荒野を/
    私は本当のタヌキババアになれるだろうか/ねずみ版マディソン郡の橋/
    最後の男ーー『かつをぶしの時代なのだ』(集英社文庫)解説/
    比呂美さんーー『おなか ほっぺ おしり』(集英社文庫)解説/
    私だけが百閒を好きならいい
    あとがき
    解説/西原理恵子

  • この方のエッセイ初めて読んだけど面白い。虚飾がなくてかっこいい。

  • 今まで読んだ佐野洋子さんのエッセイはどれも「とりとめがない」印象でしたが、このエッセイはちょっと違います。
    文章がきっちりしているし、書いてあることもテーマに添ってきっちりしてる。
    若い頃に書かれたエッセイなのか?と思い、発行年を見ると2006年・・・思ったほど昔じゃない。
    でもあとがきを見て納得。
    どうやら50代の頃に書かれたエッセイを2006年にまとめた物のようです。
    それでなのか、今までのエッセイに比べるとちょっと鋭いというか、結構辛口で毒舌な部分が多い。
    でもそれが楽しめました。

    まず、最初の『「お金」の問題』という話が面白かった。
    佐野洋子さんの男友達で一日五、六時間、自分の貯金通帳を眺めているという人の話。
    そんな・・・嘘でしょう~。
    と思ったら、その理由を見て、「なるほどね~」と何となく納得してしまった。
    あ、でももちろん、残高が多いからこその楽しみだと思うけど・・・。

    『満員電車とミスコンテスト』という話で、もし生まれ変わるなら男か、女か選べと言われると間違わず女と叫ぶという話も、その理由に納得した。
    私も同じような考えではあるけど、それで女に生まれ変わろうと思うという発想にはつながらなかった。
    そこまで想像してつなげてしまうのが作家なのかな~と感心してしまった。

    『山小屋の渡辺淳一』なんて何て絶妙なタイトルをつけるんだろう~と感心。
    タイトルだけでちょっと覗いてみたいと思ってしまう。

    ものすごく知的で、感性が光っていて、バッサバッサと世の中を斬っているのに、ちっとも偉そうじゃないエッセイ。
    今まで読んだ中で一番読みやすかった。

  • 年末に、父が読めと勝手に私のカバンに入れた、大量の本の中の一冊。久しぶりに読んだエッセイ。基本的に、怒っているんだが、どこか爽快。
    正直なところ、美人に対する考え方と、ブスな人間の生き方はこうよっていう考え方は、あまり共感できず。でも、素直に感じるままに、気持ちを表現されているところが、なんだか羨ましく、強さも感じる。
    「100万回生きたねこ」読んでみよう。

  • 何をしても、何を語っても、格好いいなぁーと憧れる。その強さに、その潔さに。無条件で降伏する。この人の語る子どもの話がすき。「おなか ほっぺ おしり」の解説を読みながら、うんうんうんと頷くわたし。

  • 書き方に勢いがあって、あけすけで、ざっくばらんで、おおらかで、読んでいてついついにやけてしまう。世の中にはいろんなヒトがいて、いろんな考えがあるのねぇ、とワイドショーを観ているような気分になっていつの間にか自分のちっぽけな悩みが消えている一冊。

  • 月の話がよかった。

  • 百万回生きた猫の作者。面白いエッセイ。百万回も遠回りをしたネコ。遠回りしなきゃわからないことがあると思う。僕はそれを大切にしたいと思った。

著者プロフィール

1938年、北京生まれ。絵本作家。ベストセラー『100万回生きたねこ』のほか『おじさんのかさ』、『ねえ とうさん』(日本絵本賞/小学館児童出版文化賞)など多数の絵本をのこした。
主なエッセイ集に、『私はそうは思わない』、『ふつうがえらい』、『シズコさん』、『神も仏もありませぬ』(小林秀雄賞)、『死ぬ気まんまん』などがある。
2010年11月逝去。

「2021年 『佐野洋子とっておき作品集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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