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- Amazon.co.jp ・本 (313ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101356013
感想・レビュー・書評
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太宰研究の先駆けと言える奥野健男氏の太宰論。太宰文学は太宰のコミニズムからの転向が負い目となり深い影を落としている、という点を特に興味深く読んだ。なかなかそういう政治感覚は同時代に生きた人ではないと行き当たらないものだと思う。「ぼくたちは太宰が好きなら好きと真向から叫んでよいのです」という一文に胸が熱くなった。実に丹念に太宰文学を論じている本書だが、執筆当時著者がまだ二十代というのが驚きだ。同時収録の「津軽幻想紀行」も楽しく読んだ。詳細な太宰の年譜付き。
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太宰治論の超古典。もとは東京工業大学文芸部雑誌「大岡山文学」第88号に発表されたもの。書いた当時著者は若干25歳でした(「ぼくにとっての最初のまとまった評論であり、ぼくの精神のひとつの記念碑」とのこと)…。若いのに洞察力がハンパない…。すごすぎます。
内容は太宰とともに青春があったという著者の、高尚な太宰治全面肯定論。「そんな切り口があったのか!」といちいち唸らされる名評論、だと僕は思います。
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