うたかた/サンクチュアリ (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (179ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101359168

感想・レビュー・書評

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  • 読めば読むほど良い


    『長い目でみろよ。
    大丈夫だよ。

    お互い気に入ってるって事はな。
    うまくいっちゃうもんなんだよ、
    きっと。
    無理とかしなくても。

    だめなもんはなにしても
    だめになるし、
    うまくいくものはどうやっても、
    うまくいくよ。』


    若気のいたり

  • 先のことはわからない。
    無限だ、寂しい程の無限だ。限りある人生の中で、人はその無限の重みに耐えきれなくなり、何度も目をつぶる。

    「幸せっていうのは、死ぬまで走り続けることなんだぞ。」
    嵐の中で優しく目を細めて父は言った。「それに家族はどこにいてもひとつだけど、人は死ぬまでひとりだ、わかったか。」

    一番最後のページでお父さんの優しさが初めて垣間見えました。家族は大事にしようって改めて思える作品でした。家族は支え合って生きている。そう、強く感じました。

  • 「うたかた」は不思議ばななワールド感があるものの爽やかで落ち着いた話。「サンクチュアリ」は暗く静かな海の情景が根底から抜けず、でも優しく健やかな話。
    (所蔵は1988年発刊の福武書店ハードカバー)

  • 今さら読んだ「キッチン」がとても好きだったので、吉本ばななを借りまくった第二弾。

    同じ著者が書いたという同じ雰囲気で、またもや切くて、哀しい、けれど暖かい話。

    別々に育った兄妹が出会う話と、大切な人を失った男女が出会う話。

    どちらも絶望的な話かと思いきや、希望のある終わり、で、救われる。

    あとがきで著者は、「若気の至り」(?)的なことを書いているが、根本に流れているものは、他の作品と同じような気がする。

  • 相変わらず、吉本ばなな先生はすばらしい。あとがきで自分で書いたような感じがしないとあったが、吉本先生らしい表現がたくさんあった。かなり前の作品だからか表現が1つのセンテンツに含まれていていい意味で濃く、ごちゃごちゃした感が文章にあり集中していないと読み落としてしまう。テーマや伝えたいことはいつも同じなのにほとんど同じ言い回しが出てこないところ、後半におっと思わせる違った表現を入れるところが吉本先生のすばらしい点だと思う。だーっと何となく何も考えていなくとも読破できてしまう、最近流行の恋愛小説とは次元が異なる。今恋をしているから泣いてしまった。

  • 読み心地のよい文章と、やさしい物語で癒される。
    サンクチュアリは壮絶なんだけど、傷ついた人、絶望している人に対しての包容力のある展開が素敵だった。

    少女漫画的で、深みがある物語ではない。
    でも、描かれていることが綺麗で、浸っていたくなる独特の世界観だ。

  • 透明感。

  • 再読。

    うたかた/破天荒な親父には通ずるものがあり、共感できた。

    サンクチュアリ/大人になった今、改めて読むととてもよく理解ができた。
    でも、昔に読んだ時ほどの、幼さゆえの共感はできなかった。
    ただひとつ、変わらなかったところといえば“泣くときはひとりよ”という言葉。
    この言葉を胸に私は生きてきて、これからも生きていくだろう。


    大人になって読むと、若いな~ってやっぱり思う。
    今初めて手に取ったのであれば、読めないだろうくらいに。

  • 読んだと思うけれど。

  • 両作品とも、その風景描写、登場人物の気持ちが、読者の頭の中に鮮明に思い描くことができれば、
    良い作品、面白い作品になると思う。

    この描写は、分かる人・分からない人にくっきり分かれると思う。

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著者プロフィール

1964年、東京生まれ。日本大学藝術学部文芸学科卒業。87年『キッチン』で第6回海燕新人文学賞を受賞しデビュー。88年『ムーンライト・シャドウ』で第16回泉鏡花文学賞、89年『キッチン』『うたかた/サンクチュアリ』で第39回芸術選奨文部大臣新人賞、同年『TUGUMI』で第2回山本周五郎賞、95年『アムリタ』で第5回紫式部文学賞、2000年『不倫と南米』で第10回ドゥマゴ文学賞(安野光雅・選)、2022年『ミトンとふびん』で第58回谷崎潤一郎賞を受賞。著作は30か国以上で翻訳出版されており、イタリアで93年スカンノ賞、96年フェンディッシメ文学賞<Under35>、99年マスケラダルジェント賞、2011年カプリ賞を受賞している。近著に『吹上奇譚 第四話 ミモザ』がある。noteにて配信中のメルマガ「どくだみちゃんとふしばな」をまとめた文庫本も発売中。

「2023年 『はーばーらいと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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