消された一家―北九州・連続監禁殺人事件 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (339ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101368511

感想・レビュー・書評

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  • なんでこんな本買ったんだろうと思うけれど、新潮45の文庫シリーズを意外と読破しているので、好きなのかもしれない。

    タイトルの通り、北九州であった事件をテーマにしたもの。
    とにかく酷い。グロい。えげつない。
    世の中で一番怖いのは、やっぱり人間。

  • しょえ~・・・コワッ!!! っつーか、この事件、ちゃんと知らずにいた。
    読めてよかった。
    暴力に支配されちゃうのって、ほんとヤバい。。。

  • これからこの本を読む人がもしこのレビューを見たなら、ぜひこの事件で保護された息子の言葉を探してほしい。検索したら見つかるはず。
    この本の内容では「松永の息子は優遇され」感を感じると思いますが、息子がどうあったのか、実の息子ですらどういう扱いをしていたのか、知ってあげてほしい。保護された子どもたちの描写はほぼないので、それだけでも印象は変わるかと。
    モンテクリスト伯の「父の罪が子に問われる時代じゃない」を思い出す。

    二度と読まないと自信をもって言える。でも読めば現実に起こったのだと再確認できる。
    だいぶ昔にwikiで読んで、概要を知っていたはずでも胸糞悪くなる。心が荒む。
    すべての描写がすさまじい。イライラして腹が立って心が荒むから早く読み切りたい、その一心で途中から一気読みした。電車で少しずつ読んでいた間、数日間の私の不機嫌さは仕事に支障すらあったと思います。
    自分で決定させる、だから勝手にやった、自分は悪くない。とんでもなく胸糞悪い。
    関わった人間すべてを不幸にする才能なんてとんでもない。

    世の中では気づかれないだけで、知られていないだけで死体の見つからない・発覚していない事件はまだあるのではないか、と最近また思いました。
    逃げてくれてよかった、保護してもらえてよかった、未成年の彼女の話を聞いてくれる世の中でよかった。保護された子、過去の被害者、遺族、本当に救われてほしい。

  • こんな、サイコパスが世の中に実際にいることに震え上がる。

    最近サイコパス的な犯罪増えてはいるが、このケースはどれにも当てはまらない残虐性がある。

    途中で止めようと何度も思いながら、読み進めた。好奇心と、気持ち悪さとの闘い。

    こういう記録は必要だろう。別の視点からの本もあれば読んでみたいとも思う。

  • 実際に起きた北九州で起きた残虐な事件の怖さがわかる本。気分が悪くなるほど残虐な場面もあるので読む際は注意。この事件の首謀者は指示するだけで実際には手を下してない。心理的に被害者たちを支配し逃げられないようにし密告もさせたりする。確か角田美代子もそうだったのではなかったか。この事件殺人の証拠を徹底的に隠滅してるので逃げ出した子供がいなければ発覚せず被害者がどんどん増えていったのかもしれない。なぜ被害者たちが逃げ出さなかったのか、その点も精神科医の本から引用説明されていてわかりやすかった。

  • 事実は小説より奇なりという言葉があるが、そんな言葉では片付けられない程、筆舌に尽くし難いもので何度も何度も本を置いた。
    事件のあらましや凄惨さはネットの情報等で知っていたが、数多ある事件の1つとどこか思っていた。
    しかし、供述や裁判記録、記者達や関係者の情報や話を整理して時系列にまとめられた本書を読み、いかに残酷な事件であったかまざまざと思い知らされた。
    松永がなぜあんな風になってしまったのかを知りたかった。学生時代に担任が幾ら家庭訪問を試みても叶わなかったという点で家庭環境にも闇を感じる。

  • 読了

    読んでる最中に5.6回ほど涙を零し
    実際、報道規制が
    かかるくらい残酷な事件で
    途中心が痛み何度か読むのを辞めようと思ったほどだ。

    本人は手を下さず、洗脳して
    次々殺し合いをさせる。

    人が1番怖い……。
    事実は小説より奇なりと思える本でした。
    読んだ後はどっと疲れます。

  • 以前から興味があった事件で読んでみたかった本。いろいろなネットの情報や紹介文にはほぼ、内容が凄惨すぎて読むと後悔するといったたぐいの文句が踊っていたから、読むのを躊躇していたけど、kindleで買ってあったので、読んでみた。確かに凄惨っていえば凄惨で、とくに子供に手をかけるところなんかは嫌ーな気分になることが必至だけれど、望めば、ネットでいくらでも世界中の嫌な話や、グロい情報が手に入る現在にあっては、そのうちの一つといった感もないではない。ただ、そういう風に書かれているからなのか本当にそうかはわからないけれど、松永太のサイコパスぶり加減が、私たちが住む世界の側と、理解不能な人間が住む世界の境界線のギリギリこちら側にいるような塩梅で、全く理解できないわけではない(異常にコントロールフリークな人間とかいるので延長線上じゃないかと思ったり)今後の人生、ミニ松永のような人間と関係を持たざるを得なくなったらどう対処したらいいのかなんてことに思いがいたって、それがきつかった。あと、松永のセリフが、変な造語とか横文字を混ぜていたり、理屈が独善的で幼いところとかが読んでいて気持ち悪かった。

  • 興味がある事件のノンフィクション本だったので、買って読んでみたが、この松永という殺人者があまりにも酷過ぎて、作中の描写も犯罪模様をリアルに再現し過ぎていて、途中で気持ち悪くなって、読み進められなくなった。人間はここまで残酷に、人を道具や家畜のように扱えるのかと恐ろしく、悲しくなった。

  • たかしげ 逢瀬を重ねた 懐柔 居丈高 詰問しながら殴打を加える バタードウーマン(DVの被害女性) 安全ピンと墨汁を使って 心的外傷をシステマティックに反復して痛めつける 死人に口なし 柳川市 一連托生の逃亡生活 JR小倉駅 競馬予想のビジネス 無頼漢気取り 事実関係証明書 身体への通電 亀の子束子 蹲踞の姿勢 肉が溶けてケロイド状になり、骨が見えていた。 絶対服従の奴隷を何人も従え 秩序型通電 大分県の湯布院 解離症状 暗澹たる気持ちになった 関門海峡 富士の樹海 門司駅 松永の巧みな誘導術 理事長の座を虎視眈々と狙っていた学習性無力感 倒錯的な心理段階に至ったようだ ナチス収容所 カポー 誰が聞いても荒唐無稽な死因だが 静美は皮下脂肪が多かったので、大腸を切断すると多量の便が出てきて、強烈な悪臭が漂った。 肉片を煮込む鍋に大量の茶の葉を入れたり、内臓を泥状にするミキサーに大量の生姜を入れたりといった処置がなされた。 オールP この種の供述は、枚挙に暇がない。いずれも法廷が寄席と化したかのように笑いに包まれた。 哀悼の意を表しますが 両被告は善悪のタガが外れた発案者と、その指示にひたすら従う忠実な実行者として、車の両輪と言える関係だった。 かつての『天動説』の信者みたいなものです 激しい徒労感に苛まれた 僥倖 岩波明 アーサー・ウィリアムズ 「私の解体方法はオリジナルです。魚料理の本を読んで応用し、佃煮を作る要領でやりました」 復讐するは我にあり サイコパス(精神病質) 情動麻痺 離人症 群馬県榛名山 永田洋子 酸鼻な犯罪

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著者プロフィール

1966(昭和41)年、東京生れ。早稲田大学第一文学部卒。ニューヨークの日系誌記者を経て、ノンフィクション作家に。戦争、犯罪事件から芸能まで取材対象は幅広く、児童書の執筆も手がけている。『ガマ 遺品たちが物語る沖縄戦』(講談社)は、厚生労働省社会保障審議会の推薦により「児童福祉文化財」に指定される。著書に『妻と飛んだ特攻兵 8・19満州、最後の特攻』(角川文庫)、『消された一家』(新潮文庫)他多数。

「2018年 『ベニヤ舟の特攻兵 8・6広島、陸軍秘密部隊レの救援作戦』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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