魔術はささやく (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 13780
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  • Amazon.co.jp ・本 (476ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101369112

感想・レビュー・書評

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  • 個々の事件や人がどう結びつくのか怪しみながら読んでいたけど、中盤からは先が気になって仕方がなく、一気に読了。
    かなり不運な主人公の勇気と行動力にひやひやしつつ、優しさには感動。良い子!!
    真紀が部屋に入ってきていきなり「坊や」と語り出したくだりは鳥肌。怖かった。
    事件のトリックにはちょっとハテナも感じつつ、丁寧な心理描写と爽やかな読後感で星4つ。

  • 469頁の文庫の400頁を越えたところで、あっこれ前に読んだことがあるな!って気づくというのは、頭の劣化が相当進んでるってことなんでしょうね。
    宮部さんのミステリーはどんなあり得ないできごともワタシにはOK。ほっと一息心のオアシスです。その400頁を越えた頃から明かされる後催眠現象のトリックは、あり得ないけどおもしろい、2回目だというのに出張の楽しいお供にさせていただきました。
    宮部さん、ご馳走さま。

  • 3人の女性の死は自殺ではないのか?だとしたらどんな方法で殺したのか?そしてどんな繋がりがあるのか?気になってどんどんと読み進めました。
    その方法は反則…と思ったけれど、伝えたいところは他にあるのでまぁよし。
    守のせっかくの能力が序盤にしかつかわれず残念。普通の高校生だもんね。

    文庫版の表紙はマグリットの山高帽のオマージュかな。さてその意図は?

  • 主人公は高校生の男の子、守。

    父親が横領の罪に問われ、その後失踪。

    失意のどん底の守の母親はそれでも父を信じ、待ち続けた。そしてその母も死に、守は叔母の住む東京へ。そこで起る数々の奇妙な事件に守は巻き込まれて行く。。。


    宮部みゆきさんの小説は私のような者にも読みやすく、ハラハラドキドキを感じさせてくれます。それがミステリーの醍醐味ですよね。


    あの頃多分パソコンもそんな普及してなかった頃、病気の事を調べたり、トリックとなるある事柄について調べたり(ネタバレになるので伏せます)して書くのは、大変だっただろうなと思います。すごいです。


    事件は謎だらけで起こります。突然人が自殺したい衝動にかられ、自殺してしまう。

    本当にこんな事があったら怖いですよね。自殺してしまう人の気持ちは分からなくはないですが、それを実行出来るかと聞かれたら、NOだと思います。


    でもそれでも、そうせざるを得なくなる、ある恐ろしい言葉。

    もし自分が…‥と思ったら怖いです。


    物語には「償い」「報復」「罪悪感」など様々なキーワードがあって、実際それによって動いてしまう人間はなんて愚かで、弱い生き物なんだと痛感させられます。

    結末は。。。期待通りでしたが、少し悲しくもある結末でした。


  • 読んでいく中でこれほど展開の多いストーリーだとは思わず本当に驚いた。泣きそうになったり思わず息を呑んだり。解説にもあったがこれはスリリングな本だ!調べてわかったが随分前にドラマ化されていたらしい。どこかで見たい。読み終えた時に拍手をしてしまうほどの素晴らしい作品を書ける宮部さんをこれからも追っていきたい。

  • 30年前の作品。
    会話とかが古く感じるけど、それでもやっぱり色褪せないなぁ。さすが宮部みゆき。
    でも、催眠術かぁ。
    うーん。

  • プロローグから惹き付けられた。

    犯行の方法はちょっとずるいかな、と思いつつ、犯人がわかって終わりかと思いきや。
    とある人物の正体が明かされてからが本当のクライマックス。

    加害者家族の苦しみが痛いほど伝わってくる作品。
    守くんとその家族にはこれから幸せになってほしい。

  • 推理ものとして読むと評価は辛くなるが、本作のテーマは『罪と罰』であると感じた。
    罪は誰が定め、罰は誰が与えるものなのか。どうすれば相手を、自分を、赦せるのか。

    SNS中心に義憤という名の暴力が蔓延る中で、ぶつからずに、ぶつかられずに生きていたいと思った

  • 印象に残る話ではないけれどおもしろかった。最後に主人公と魔術師が「分かりあってたかもしれない」というところが良かったな。

  • 一見、関連のない三人の死。どれも自殺や事故と思われたが…。
    よくある謎のパターンだと思うし、犯人も意外ではない。けれど、主人公の守のしなやかな強さが良い。彼の周りの人物も良い。
    守の父親が罪を犯して行方不明となったせいで、彼は周囲の人間の嫌がらせや差別と無縁ではいられない。彼を支えるのは‘大切な友達’から教わった特技。そして、守はその友達の言葉も大切に守っている。
    解説で北上氏が「宮部みゆきは<愛の作家>である」と書いているが、その通りだと思った。
    ミステリーで人生を考えさせられました^^;

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著者プロフィール

1960年東京都生まれ。87年『我らが隣人の犯罪』で、「オール讀物推理小説新人賞」を受賞し、デビュー。92年『龍は眠る』で「日本推理作家協会賞」、『本所深川ふしぎ草紙』で「吉川英治文学新人賞」を受賞。93年『火車』で「山本周五郎賞」、99年『理由』で「直木賞」を受賞する。その他著書に、『おそろし』『あんじゅう』『泣き童子』『三鬼』『あやかし草紙』『黒武御神火御殿』「三島屋」シリーズ等がある。

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