- Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101377230
感想・レビュー・書評
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ほんまに良い! 変わってる人、変態には良いのでは?
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絶頂期最期の作品
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ミナゴロシがお気に入り。
山形弁アツいなあ。 -
阿部和重の話題の長編小説『シンセミア』。。。
でもそれを読む前にどーしてもどんな本を書く人なのか知りたかったんです。。
結果・・・はまりました。 処女作『アメリカの夜』もとても面白かったのですが、
やっぱりこっちの方が読んで欲しい。。
短編が三つ書かれています。どれもすごく面白いです。
現代に蔓延る残酷かつ非情な日常をどーしてこんなにユーモラスにかけるんだろう?
とても個性的な作家でずば抜けたセンスを感じます。
こんな本が書けたらなぁ・・・。
ともかく、野間文芸新人賞に輝いた作品。。小説の新しい楽しみ方を魅せてくれます☆ -
「鏖」にのめり込んだ。瞳と中学生の視点に立った時はもうオオタやばいと思った。主体性を持たないバカヤロウが暴走してる。
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野間文芸新人賞受賞作品。
やはり阿部ちゃんはただ者ではないと実感。
今まで読んだ阿部作品の中で最高傑作かもしれない。
阿部和重の文章と言うのは現代小説から欠かすことの出来ない「比喩」を徹底的に(意図的に?)排除している。
それはとても新しいし、現在他にそんな作家はいない。と思う。
この点、天才的な比喩を駆使する村上春樹とは対極の位置にいる作家と言える。
『トライアングルズ』
『無情の世界』
『鏖(みなごろし)』
の三篇が収録されているが、どれも良い。
とくに『鏖(みなごろし)』は一気読み間違いなし。
とにかく普通じゃないけど、面白い。
「のび太は放っておけ!あいつには構うな」 -
時々こんな小説に出会うことが出来る。何も知識もないまま本屋でそれに触れて、出会った本が逆にその小説家の名前を僕の胸に刻んだり。
この本はそんな本の一つだ。
著名だった作者を知らなかった僕がこの業界に疎いのは問題だが、運よく、この小説と出会えて良かったと思う。確かにこの本の内容は人によって好き嫌いはあるかもしれない。しかし、このような真っ暗な世界は僕は好きでたまらない。なぜなら、真っ暗な世界でこそ、煌きがより一層生えるのだから。 -
「鏖(みなごろし)」最高!ラストはみんなで「半殺し!半殺し!」って騒いでるけど、タイトルがすでに「みなごろし」だよ!
阿部和重の文章は小説という形式において絶対的な位置にあるはずの「比喩」というものが徹底的に欠如していたり、たったの一文がねちねちと理屈っぽく書かれていたりするので、小説を読んでいるというよりは小説ではない、別の何かを読んで(見て)いるような感覚になる。それは阿部和重から読者へと発信された「映像」ではないのだろうか。「〜のような」という書き方は、文学を読んでいるという満足感が得られるというだけでなく、その人の持つリアリティをもたらすものである。それは同時に小説の内部へ読者の視点を引きずり込むようなもので、例えば村上春樹の『海辺のカフカ』を読んだあと、我々が田村カフカの視点で世界を見るようになることはあっても、阿部和重の「鏖(みなごろし)」を読み終えた読者が主人公オオタタツユキの視点でものを見るようにはとうていなれない(ならない)。これは阿部和重のすべての作品に共通して言えることで、これは阿部和重の文章が、主人公(オオタタツユキ)の視点に読み手の意識を置くのではなく、むしろ物語とは少し離れたところから、作品の外部から様々なことが起こり得るひとつの世界を覗き込んでいる状態に読者の意識レベルを持っていこうと意図的に仕組んでいるからである。この状況がテレビや映画を見る時の我々の意識レベルに非常に近い。そのことを一番端的にあらわしている箇所は、「鏖」の中でデニーズを訪れたオオタタツユキが、渡されたメニューを一覧し、注文するに至るまでの描写だ。「ベリーベリーチーズケーキサンデー、ミルクキャラメルサンデー(kcal 塩分)」という調子で書かれたデニーズ。文学ではなく映像だ!