主命にござる (新潮文庫)

制作 : 縄田一男 
  • 新潮社
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本棚登録 : 41
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (327ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101397320

作品紹介・あらすじ

信州松代真田家に仕える堀平五郎は、藩の権力抗争に巻き込まれる。彼には父の代から伝えられる秘命があった(「錯乱」)。妻となった女の過去に囚われる黒塚喜介。佐渡支配組頭配下の広間役に命じられたことを好機とし、間男を佐渡送りの水替え人足とするが……(「佐渡流人行」)。己の心に背いてでも、なさねばならぬことがある。されどその生に義はあるのか。人生の葛藤を描く珠玉の六編。

感想・レビュー・書評

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  • 短編集。池波正太郎『錯乱』、松本清張『佐渡流人行』、藤沢周平『小川の辺』、神坂次郎『兵庫頭の叛乱』、滝口康彦『拝領妻始末』、山田風太郎『笊ノ目万兵衛門外へ』の6編。
    池波正太郎の錯乱はさすが。厳しい徳川の監視のもと、たくましく生き抜いていく真田信之が見事に描かれている。

  • 武士のアンソロジーシリーズの中でも秀逸な作品ばかりだった。封建時代では主命は絶対。反することは自分ばかりか親族まで及ぶこともままある。現代では極めて緩やかになったとはいえ、組織に属する以上理不尽なことにぶつかり決断を迫られることもある。その時どうするか、その場の成功が、人生の成功となるか、何をもって人生の満足を得るのか、いつの時代も難しい問題。このような小説に触れて考える機会を得られる。2019.8.24

  • 武士の世を舞台に、不条理にもまれる人々を描いた珠玉の作品集。

    まさに、「題名どおり」で、やるせなさや悲しみがそこかしこに漂っていて、楽しい読書とはいかないかも。

    晩年の真田信幸の姿が浮かぶような池波正太郎さんの「錯乱」が好みかな。滝口康彦さんの「拝領妻始末」も、凛とした強さや美しさに富んだ作品だけど、私には悲しすぎました。

  • 新潮文庫のアンソロジーシリーズ。池波正太郎氏他五人の作品で構成されている。
    池波正太郎氏の直木賞受賞作品「錯乱」、山田風太郎氏の「笊ノ目万兵衛門外へ」がおすすめ。

  • 2015年4月刊。錯乱(池波正太郎)、佐渡流人行(松本清張)、小川の辺(藤沢周平)、兵庫頭の叛乱(神坂次郎)、拝領妻始末(滝口康彦)、笊ノ目万兵衛門外へ(山田風太郎)の6編のアンソロジー。理不尽で、やりきれなさを感じる話が多く、あまり楽しめませんでした。タイトルは、秀逸です。

  • 〈組織と人間〉をテーマに六つの短編から編まれたアンソロジー。どの作品も完成度の高い、楽しい作品集となっていますね。どれもよいのですが、強いて挙げるなら、滝口康彦『拝領妻始末』が印象に残りました。

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