凍える牙 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 4782
感想 : 513
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  • Amazon.co.jp ・本 (520ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101425207

作品紹介・あらすじ

深夜のファミリーレストランで突如、男の身体が炎上した!遺体には獣の咬傷が残されており、警視庁機動捜査隊の音道貴子は相棒の中年デカ・滝沢と捜査にあたる。やがて、同じ獣による咬殺事件が続発。この異常な事件を引き起こしている怨念は何なのか?野獣との対決の時が次第に近づいていた-。女性刑事の孤独な闘いが読者の圧倒的共感を集めた直木賞受賞の超ベストセラー。

感想・レビュー・書評

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  • 2つの切り口での連続殺人事件を追うベテラン刑事の滝沢と数少ない女性刑事の音道。特殊な薬剤を利用した放火殺人と凜とした立ち振る舞いで人を魅了し、誰にでも尻尾を振るわけではなく本当に大切な人を家族のために殺人を犯すウルフドック。
    刑事という男社会の中で苦しみながら立ち向かう音道と少しずつ認めていく滝沢のやり取りと飼い主たウルフドックの絆を楽しみながら読み進められました。

  • 冒頭の意外性ある殺人シーンは面白く、その後も野犬らしきものに襲われて次々に死んでいくという意表をつく展開。中盤までは期待させるものでしたが、その後の事件解決までのプロセスや、謎解きとしての作品の魅力に乏しく、読後は圧倒的なオオカミ犬の存在感が際立っていた。

  • すごかった!
    ドンドン読まずにいられない。
    さすが 直木賞!

  • 音道貴子と滝沢保のコンビが捜査活動を行い、最終的に検挙に至る物語だが、男社会の刑事組織の中で葛藤する貴子の感情的な様子が巧みに描写されており、非常に楽しめた.原照夫が「発火ベルト」で焼け死に、堀川一樹、吉井知永子、水谷拓が喉を食いちぎられて死ぬという事件が起こり、それぞれの事件の関連性を捜査する過程で、オオカミ犬が登場する.知能の優れたこの犬を訓練していた人物を洗い出したが、大火傷に瀕死の状態.貴子らの努力で高木から動機を聞き出し、次の殺害者を守るべく貴子がオオカミ犬を追跡.手に汗握る迫力ある場面が面白かった.娘の復讐を企てた高木の執念は結果的に殺人を引き起こすことになったが、親として理解できないものではないと感じた.貴子のプライベートな動きも適宜出てくる構成が秀逸だ.

  • 乃南アサさん初読みの『凍える牙』の概要と感想になります。

    深夜のファミレスで1人の男性客が突然、助けを乞いながら燃え出すという不可解な事件が発生する。機動捜査隊に所属する貴子は、昭和の刑事(デカ)を代表するような滝沢と臨時のコンビを組んで捜査にあたる。2人は相性最悪ながら、事件に絡む謎の「牙」を追い求める中で次第に互いを認め合って「牙」を追い込んでいく。

    本作は直木賞受賞作で女刑事 音道貴子シリーズ1作目だそうですが、前半は人間味というか人間臭さを滲み出しながら音道と滝沢の相性の悪さが描かれている一方、後半の怒涛の展開は警察24時や逃走中を観ている時の緊張感を味わえるといった緩急が凄い作品で楽しめました。

    結城充考さんのクロハシリーズとは正反対な本シリーズも追いかけたくなりますね。

    • なおなおさん
      マメムさん、おはようございます。
      この本は私が超好きな警察小説で、音道さんの大ファンです!!
      乃南アサさんは心理描写を描くのが上手いですよね...
      マメムさん、おはようございます。
      この本は私が超好きな警察小説で、音道さんの大ファンです!!
      乃南アサさんは心理描写を描くのが上手いですよね。
      2023/11/22
    • マメムさん
      なおなおさん、コメントありがとうございます。

      そうなのですね♪
      確かに読みやすくて飾らない本音がリアルで楽しめました。これは続編も読まない...
      なおなおさん、コメントありがとうございます。

      そうなのですね♪
      確かに読みやすくて飾らない本音がリアルで楽しめました。これは続編も読まないとです^_^
      2023/11/22
  • 音道貴子シリーズ第1弾で直木賞受賞作品。深夜のファミリーレストランで男の身体が炎上し、その遺体には獣の咬傷が残されいた。さらに同じ獣による咬殺事件が続発。おおかみ犬の描写やそれを追う貴子の緊迫感が読み手をハラハラドキドキさせる。とても面白いシリーズ。

  • ファミリーレストランで起きた人が燃える事件。ウルフドッグが絡んだ話ですごく面白かった。ウルフドッグって可愛いけど大きいんだなぁ。

  •  「疾風はの全身は見事に躍動し、輝いていた。背中の中心から尾は黒に近い灰色、腹の方に下がるに従って毛は銀色に見える。自分をお追ってくる者の存在など、まるで眼中にもないように、一点を見つめて走っている。」

    走っている姿が目に浮かびます。

  • 音道の気持ちと環境がわかりすぎる

  • 冒頭の火災の焼死体に咬傷がのこされていた。テロ的なミステリーかと思いきや大型犬に襲われて命を奪われる事件が勃発する。孤高の女刑事が理不尽な男社会で抗いながら常に前を向いて闘う姿勢は読み手をひきこみます。ドラマ化されて音道貴子役は小池栄子さんが演じているようですがちょっとイメージがわきません。作品は違いますが誉田哲也さんのストロベリーナイトの姫川玲子を演じた竹内結子さんが個人的には適役で、相棒の滝沢刑事はマキタスポーツが適役ではないかと感じます。音道貴子シリーズを読破しようと思います。

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著者プロフィール

1960年東京生まれ。88年『幸福な朝食』が第1回日本推理サスペンス大賞優秀作となる。96年『凍える牙』で第115回直木賞、2011年『地のはてから』で第6回中央公論文芸賞、2016年『水曜日の凱歌』で第66回芸術選奨文部科学大臣賞をそれぞれ受賞。主な著書に、『ライン』『鍵』『鎖』『不発弾』『火のみち』『風の墓碑銘(エピタフ)』『ウツボカズラの夢』『ミャンマー 失われるアジアのふるさと』『犯意』『ニサッタ、ニサッタ』『自白 刑事・土門功太朗』『すれ違う背中を』『禁猟区』『旅の闇にとける』『美麗島紀行』『ビジュアル年表 台湾統治五十年』『いちばん長い夜に』『新釈 にっぽん昔話』『それは秘密の』『六月の雪』など多数。

「2022年 『チーム・オベリベリ (下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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