すずの爪あと: 乃南アサ短編傑作選 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (459ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101425566

感想・レビュー・書評

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  • 乃南アサ短編傑作選 第3弾

    ・すずの爪あと
    ・こころとかして
    ・寝言
    ・僕のトンちゃん
    ・指定席
    ・出前家族
    ・向日葵
    ・氷雨心中
    ・秋旱
    ・Eメール
    ・水虎

    「すずの爪あと」のみ小説新潮への執筆作品。

    あとは氷雨心中、花盗人、団欒、悪魔の羽根、行きつ戻りつ。

  • 2018_10_03-116

  • 11篇の短編集。
    乃南アサ氏の作品で、読んでしまった物も含まれているのだが、、、
    読み終えて、結末のホラー的な部分を怖いもの見たさの人間性をわしづかみにしていると、思った。

    最初の表題の「すすの爪あと」は、『おらっちゃあ猫ながや』の出だしで、珠洲、原発 地震、ふくで、以前読んだ事を思い出し、東日本大震災でも、ペットの犬などのはぐれた動物が、飼い主に戻されているのを見て、動物側から見た震災との再会場面を「吾輩は猫である」と、同様に描かれてる。

    その他10篇は人間のつながりであるのだが、、、、オー・ヘンリーのような最後の結末が、面白くもあり、怖い話もあって、1冊でも十分楽しんで読んでしまった。 

  • どこかで読んだような…のオンパレードだった。期待していたので残念。問題集だと思って読むといいかもしれない。最初の数ページを読んで「このオチはこうこうでこうだ!」と予想し読み進めて「やはりな…」で読み終えてしまった。暗くて、性根が腐ってる人がたくさん出てきて嫌でした。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    一つになれない家族を猫だけが見つめ続けた――「すずの爪あと」。不倫に倦んで故郷に帰った女が癒やしを求めたのは――「秋旱」。幼時の事故で嗅覚を失った男が、ある女と出会って――「向日葵」。かつての恋人に書き続けたメールの思わぬ行方――「Eメール」。すれ違い、交錯する男女や家族の想いを、美しい風物とともに丁寧に描き出した11篇。最新作を含む珠玉のベスト短編集、第三弾。

  • 短編集。久しぶりの乃南アサさん。さくさく読めますが、おそろし、おそろし。

  • 表題作以外は他の短編集で既読だったのでその点は残念だったが、傑作選と銘打っているだけあり、外れがなくどれもこれも面白い。中でも印象に残っているのがは「僕のトんちゃん」と「こころとかして」の2編。これは怖いが、トんちゃんの方は少し主人公の気持ちがわかるだけに切ない。「指定席」も良い。どれもこれも人の悪気のない率直な気持ちが空回りしたり、すれ違ったりする様を描いていて、心にチクリと刺さるものばかりだ。
    唯一初めて読んだ表題作「すずの爪あと」も良かった。『吾輩は猫である』へのリスペクトが込められたような、猫の目から見た人間社会風刺。扱っているテーマのが原発利権というのがまた現代風。猫たちが「ゲンパツ」という言葉の正体について語る場面が印象的。ラスト、ふくが昔の家族に再会する場面は希望があってとても良かった。

  • 本を開いて、一番最初に飛び込んできた文章が
    『おらっちゃあ猫ながや。』
    ・・・もう心鷲掴みです。
    11個の短編、すべて外れなし。
    不気味で少し残酷ででもどこか切ない、
    乃南さんが浮き彫りにする人の心の形は
    読後いつまでもザラリとした後味を私に残すのです。

  • ひとひねりされたミステリー&ホラーが11篇からなる短編集。。読みやすくあっさり読了。一つ一つは繊細で工夫が凝らされているも物足りない印象。ハッピーエンドが好きな僕にはすっきりしないテーマが多く読後感ももう一つ。

  • 乃南アサさん「すずの爪あと」(2016.9)、短編傑作11話が収録されています。短編だけど読み応えがあります。さすが乃南さん。揺れる男と女の心理、なぜか幸せに着地できないすれ違い、そしていつも死の影が隣り合わせになっています。大地震で家族と別れてしまった雄猫のすずが、10年の放浪の末に再び家族に会えた「すずの爪あと」は思わず手を叩いてしまいましたw。学生時代の恋人と20年ぶりにメールで交信、癌に侵された男性の優しさを描いた「Eメール」秀逸です!「氷雨心中」は以前も読んでましたが、2度目に読んでも怖ろしい世界です。匂いを感じない男性と匂いに超過敏な女性の辿る道はどうなるのでしょうか「向日葵」です。

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著者プロフィール

1960年東京生まれ。88年『幸福な朝食』が第1回日本推理サスペンス大賞優秀作となる。96年『凍える牙』で第115回直木賞、2011年『地のはてから』で第6回中央公論文芸賞、2016年『水曜日の凱歌』で第66回芸術選奨文部科学大臣賞をそれぞれ受賞。主な著書に、『ライン』『鍵』『鎖』『不発弾』『火のみち』『風の墓碑銘(エピタフ)』『ウツボカズラの夢』『ミャンマー 失われるアジアのふるさと』『犯意』『ニサッタ、ニサッタ』『自白 刑事・土門功太朗』『すれ違う背中を』『禁猟区』『旅の闇にとける』『美麗島紀行』『ビジュアル年表 台湾統治五十年』『いちばん長い夜に』『新釈 にっぽん昔話』『それは秘密の』『六月の雪』など多数。

「2022年 『チーム・オベリベリ (下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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