恋 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (517ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101440163

感想・レビュー・書評

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  • 予想だにない展開と結末で「衝撃の芋」にしようか迷いましたが、あえて「しんみり芋」にしました。切なくも魅力的な話で大好きな作品です。
    今年の冬、ドラマ化されるようでとても楽しみです。

    熊本県立大学:おつまみ

  • ある種の恋は宗教。相手が異性でない場合は勿論、単体ですらなくても恋は成立する。
    面白かったが三人の性生活の話は(大久保登場以降の話がやや急展開なだけに尚更)そんなにクローズアップしなくてもよかったんじゃないか。
    最後に鳥飼氏が片瀬夫妻について「至って普通の容貌」と評しているのが、そこも含めて布美子の恋だったかと思わせて秀逸。

  • うーん、いまいちわたし好みではなかった。先生とひなこさんが素敵なのはわかるし、でんきやさんがちょっとうざいのもわかる。今までの保たれていた微妙なバランスが崩れることへの不安や焦りっていうのも、わかります。

    ただ、ふうちゃんの魅力がよくわからなかったー。
    だから、先生とひなこさんがそこまで肩入れするのがよくわからず。電気屋さんの言う通り稚拙な人、いたいこちゃんにしか思えず入り込めなかった。

  • 再読。世界観に一気に引き込まれる。

  • 重たい。でも、引き込まれた。読後、引きずるほど。

  • 一気読み。
    登場人物が少なく、その分濃密な内容。
    この本が好きかどうかは、主人公フミコに感情移入できるかどうかだろう。
    片瀬夫妻の魅力は、存分に伝わってくる。軽井沢の描写も美しい。
    フミコは切なく痛々しいが、自分の人生を投げ打ってでも、守りぬこうとしたその思いの強さに感嘆する。

  • 最初の方ですごく謎が知りたくなり読み進めるが、ある程度予想していた展開で、ちょっと拍子抜け。

  • 面白かった!そして読み応えがあった。

    1970年代初めの学生運動の熱気と混沌の支配する日本を舞台として、その一瞬の混沌の中でのみ成立した人間関係の危うさみたいなものが描かれている。

    ラストの90年代の描写がまたいい。
    混沌の中の一瞬の儚い出来事や情念は確かに存在し、残された者はそれを大切に胸にしまっているのだということを感じさせる。

  • 物語の時代は浅間山荘事件の起きた学生運動の盛んな頃。
    一人の女子大生が別荘で一人の男性を射殺し、その別荘の持ち主の男性にケガを負わせるという事件が起こった。
    別荘の持ち主夫婦と事件を起こした女学生、そして射殺された男性はどんな関係で、何故彼女はそんな事件を起こしたのか。
    ノンフィクション作家は、死期の迫ったかつての女学生にインタビューをして事件の全貌を知る。

    アルバイトの女学生と夫婦。
    女二人に男一人の三角関係となれば恋愛関係のもつれが事件の原因か、と思う。
    でもこの三人の関係はそんな単純なものでなく、女学生は夫婦二人が仲よくある事が前提として、夫婦のどちらにも恋という感情を抱く。
    そういうのって、何て子供っぽく、幼稚な、少女趣味な感情だろうと思う。
    だけど陳腐なストーリーにならないのは作者の力量だろうと思います。
    多分、文章力のない人がこれを書いていたらとても最後まで読めなかった。
    ラストに近づく毎に面白くなるストーリー。
    だけど、個人的にはそれほど好きじゃない話です。

  • アンソロジー以外の小池真理子作品を初めて読んで見ました。

    「恋」というタイトルのイメージとはかけ離れた内容だと、読み始めてすぐに思ったのだが、読み終わってみると、布美子にとっては恋以外の何物でもなかったんだろうと改めて思うのです。

    1970年代のころの時代背景や雰囲気が伝わってきて、人物のキャラもすごくはっきりと伝わってきて、読みながら頭の中で一本の映画を見ているようでした。

    出てくるタバコやお酒や車や部屋のインテリアまでも、全て絵になってるという印象。

    描写力半端ないです。

    マルメロの実の匂いを嗅いでみたいです。

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著者プロフィール

作家

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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