楽毅(一) (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (418ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101444277

感想・レビュー・書評

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  • 名前だけ、キングダムに出てきて知っていたが燕の大将軍、楽毅の生涯を書いた作品。
    幼少のころ、斉の臨淄に留学をしていたことから大局的なものの見方ができているように感じた。また、その際に会った孟嘗君の影が1巻を通じて見られる。
    同作者の孟嘗君では、孟嘗君となるまでの話に主軸が置かれているように感じていたので、別の作品からこのように光が当たるとそれも面白い。
    内容的には、戦いのシーンが多い。

  • 楽毅一
    210430読了
    今年28冊目今月7冊目。
    #読了
    #楽毅一
    #宮城谷昌光

    #コテンラジオ から興味を持ち手に取る。

    さくさく読める。
    理詰めもそうだが、観念的な戦い方をするな、という印象。

    人を見る目、人から良くも悪くも学ぶ姿勢、想定外を極力無くす合理的考え方。

    凛としていてかっこいいが、国の君臣に評価されないのは嫉妬なのか。

  • 弱小国の中山に楽毅はいた。斉に憧れて、斉へ行き、田氏に会い、兵法を勉強する。楽毅は、斉でもう一つ運命的な出会いがある。中山に帰った後、趙との戦いに中山内部で活躍するが、まだ、世の中に知られた存在ではない。

  • キングダムで興味を持ち読み始めました。文献の解説が丁寧で、すんなり読めました。地味に人名のルビが定期的に表記されるのはありがたい。

  • 【作品紹介】
    内容紹介
    古代中国の戦国期、「戦国七雄」にも数えられぬ小国、中山国宰相の嫡子として生まれた楽毅は栄華を誇る大国・斉の都で己に問う。人が見事に生きるとは、どういうことかと。諸子百家の気風に魅せられ、斉の都に学んだ青年を祖国で待ち受けていたのは、国家存立を脅かす愚昧な君主による危うい舵取りと、隣国・趙の執拗な侵略だった。才知と矜持をかけ、若き楽毅は祖国の救済を模索する。

    【感想】
    読み始めてほっと一安心。これまでの宮城谷作品「三国志」「三河物語」と初っ端から人物紹介のオンパレードで、人とその背景を認識するのに一苦労。
    だが、この作品はそれまでの作品と比較して登場人物はそこまで多くはなく、物語が進行していくので読みやすい。
    今後の展開が楽しみなシリーズ。

  • 漫画キングダムから興味をもち、購入しました。

    戦国七雄の趙と燕に隣した小国「中山国」で名将楽毅が目覚め始めます。1巻では楽毅と戦国四君の一人である「孟嘗君」の出会いが印象的に描かれています。彼との出会いが楽毅の将器を大きくし、趙との戦争の中にその片鱗が見え始めます。愚君に仕えざるを得ない楽毅の葛藤ややりきれない心理描写も読みごたえありです。

    印象的だった文章
    ・成功する者は、平穏なときに、危機を予想してそなえをはじめるものである。
    ・ー真の名君は、臣下に聴き、臣下を信じ、臣下をうやまう人である。

  • 中国の戦国時代の名将・楽毅の生涯を描く長編小説。第1巻は井陘の塞、防衛戦まで。
    聖王の時代の故事なども興味深く、本筋も脇道も楽しい小説。

  • 高校時代だろうか「孫子の兵法」を読んだ事がある。殆ど内容は覚えていないのだが、なんとなく想像していた「寡兵をもって大軍を征する」的な戦術論ではなく、至極あたり前といえる「味方が敵より少なければ戦うな」とか「相手が攻めて来ようと思はないほどの強兵を養うのが上将軍」といった記述が多かった。
    ところが将軍・楽毅は常に敵より少ない兵力で、強敵を打ち破る戦いをしており、ある意味で義経を見るような気がする。最後の斉都侵略はいわゆる「中入り」戦術の最たるもので、寡兵をもって敵の本拠を一気に急襲し、これを落としてしまう(もちろんその前に戦略=外交戦を十分やっているのだが)。
    しかし、この外交戦はわかりにくいですね。とにかく各国が節操無く連合したり、敵対したり。著者のせいではないのですが、昨日の敵は今日の友。ぐちゃぐちゃです。関連する人の名前も多く、私みたいな速読派には向いていない。戦術的シーンはなかなか面白いのですが

  • 楽毅という中山の将の話。キングダム以前なので、キングダムを読んでいると話が結構つながったりと面白い。

  •  宮城谷昌光の歴史物が好きで昔よく読んだ。そのうちさすがに飽きてきてしばらくご無沙汰していたのをまた再開。未読だったものからまず楽毅。名前は聞いたことある気がするが、いつの時代のどこの国の人やらわからない。中国の歴史は時系列の縦軸が明快で理解しやすく、脈絡なく複雑怪奇で苦手だった高校世界史の中で、そこだけは理解できた。が、戦国時代の中山国といわれてもまったくピンと来ない。春秋戦国時代は周王朝が分裂してから秦の始皇帝によって統一されるまでの時代、ああそうか。それにしても漢字一字名称の国がほとんどの中国に中山国なんてあったかな。それはともかく読んでいくと斉、趙、燕、楚となじみの国名があらわれてきて、しかも孟嘗君、なるほど同じ著者の同名書はすでに読んだ。本書では弱小中山国が趙に攻め滅ぼされた後、縁あって燕に移り、宿敵斉を破るまでの楽毅の活躍が描かれる。もともとの才幹のうえに、部下に恵まれ、伴侶に恵まれ、そして師に恵まれて、これで活躍できなかったらどうかしているというハッピーストーリーなので、結構波乱万丈なのに起伏に乏しい印象に感じられてしまう。随所に引用される孫子の名句が読みどころか。

著者プロフィール

宮城谷昌光
1945(昭和20)年、愛知県蒲郡市生れ。早稲田大学文学部卒業。出版社勤務のかたわら立原正秋に師事し、創作を始める。91(平成3)年『天空の舟』で新田次郎文学賞、『夏姫春秋』で直木賞を受賞。94年、『重耳』で芸術選奨文部大臣賞、2000年、第三回司馬遼太郎賞、01年『子産』で吉川英治文学賞、04年菊池寛賞を受賞。同年『宮城谷昌光全集』全21巻(文藝春秋)が完結した。他の著書に『奇貨居くべし』『三国志』『草原の風』『劉邦』『呉越春秋 湖底の城』など多数。

「2022年 『馬上の星 小説・馬援伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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