不実な美女か貞淑な醜女(ブス)か (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (326ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101465210

感想・レビュー・書評

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  • なんせ面白い。言葉が楽しい!!

  • 2010年10月31日購入

  • 日露通訳者、米原万里の通訳に関する考察エッセイ。
    通訳という職業について、面白く語る。非常に興味深い……。
    ただ、本人も言っているけど、ちょっとシモネタを多用しすぎなのと(少し下品だと感じてしまうレベル)、文章から我の強さをかなり感じてしまう(実際お会いしたら私は苦手意識を持ってしまうだろう)のが残念なところ。

  • ロシア語通訳から作家に転身した著者のデビュー作。中味はかなり骨太の通訳翻訳論。実は過去に1回途中で挫折した。しかし数年おいて再読したら面白いのなんの。一気に読了。こういうこともあるので読書はやめられない。

  • 2010年9月13日購入。
    2011年4月27日読了。

  • 日本のロシア語通訳では史上最強と謳われる米原女史が、失敗談、珍談・奇談を交えつつ同時通訳の内幕を初公開!

    という米原さんの通訳、言語に関するエッセイ。これも面白かったぁ~。
    タイトルは
    「原文を誤って伝えている(不実な)整った訳(美女)か、原文に忠実な(貞淑な)翻訳的なぎこちない訳(醜女)か」
    という意味。
    どちらが好まれるかはもうその場と通訳者による、としかいいようがないようです。
    商談なのか、パーティなのか、会議なのか、研究発表会なのか。
    なんにせよ、場数を踏んで成長していくしかない、とのこと。

    米原さんが心がけていたのは文脈を把握し、スピーカーの一番伝えたい単語を的確に取り出すこと。
    これは通訳に限った話ではなく、日常の会話や何か文章を読んでいる時にも必要とされる力でしょう。
    この力をつけるのに、米原さんがプラハの学校で習ったことというのはとても効くなぁと思いました。
    図書館に本を返す時や授業などで本を読んだとき、その感想ではなく内容を聞かれたそうです。
    しっかり内容を掴んでいなければ他人には説明できませんから。
    日本に帰国後、国語の授業で「このとき○○が感じたことは?次のア~エの中から答えなさい」というテストで非常に驚いたそうです。さもありなん。

    英語一辺倒になってゆく日本への危機感をこのころ(平成6年刊行)からもっていらっしゃった米原さん。
    私のまわりでも英語教室へ通うお子様がちらほら・・・。
    やっぱり母国語をきちんと習得させねば、という気持ちをあらためて持ちました。

  • 動詞は変わらず、動詞の自由自在な操縦が通訳にとっての決め手あること。
    用語集の制作&共有as勉強の場
    身の回りの全てを英語化すること

  • 語学に興味がある人、言語に関わる仕事に携わっている人にとっては非常に興味深いであろう本。通訳理論だけではなく、痛快なエピソードも混じっているので飽きずに一気に読みきることができるはず。

  • すばらしいエッセイ

  • ロシア語通訳者として有名だった米原万里さんのエッセイ。

    米原さんはこれで読売文学賞の随筆・紀行賞というのを受賞してる。


    タイトルだけみると何の本かわからないが、

    「原文からはかなり外れているが、美しく意訳された訳」が良いか、

    「原文には忠実であるが、いかにも翻訳調の訳」が良いか、

    という選択を、

    「不実だが、顔の細工やスタイルは美しい女」が良いか、

    「貞淑だが、顔の細工やスタイルは不出来な女」が良いか、

    という選択になぞらえたもの。


    さすがの面白さだったけど、

    けっこう難しくて読むのに時間がかかったところもあった。

    でもところどころに小ネタ、シモネタがちりばめられていて退屈しない。

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著者プロフィール

1950年東京生まれ。作家。在プラハ・ソビエト学校で学ぶ。東京外国語大学卒、東京大学大学院露語露文学専攻修士課程修了。ロシア語会議通訳、ロシア語通訳協会会長として活躍。『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』(角川文庫)ほか著書多数。2006年5月、逝去。

「2016年 『米原万里ベストエッセイII』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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