- Amazon.co.jp ・本 (404ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101482255
作品紹介・あらすじ
「ボッコちゃん」「マイ国家」など数多のショートショートを生み出し、今なお愛される星新一。森鴎外の血縁にあたり、大企業の御曹司として生まれた少年はいかなる人生を歩んだのか。星製薬社長となった空白の六年間と封印された負の遺産、昭和の借金王と呼ばれた父との関係、作家の片鱗をみせた青年時代、後の盟友たちとの出会い-知られざる小説家以前の姿を浮かび上がらせる。
感想・レビュー・書評
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なんだか、世界が滅びた後に変な機械だけが動き続けてる小説ばかり書いていた、という親族の評価が書かれてた気がするが、星新一の虚無性のようなものに迫った傑作。
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ハードカバーで出たのは知っていてずっと読みたいな~と思っておりました。でも文庫になるまで待とう!と思っていたので発売されてすぐに購入しました。
自分と星新一氏のショートショートの出会いは中学生の頃でした。著者は高校時代に星新一氏の作品をむさぼるように読み、殆ど忘れてしまった、と後書きにありました。私も全てを覚えているわけではありませんが何作かはあまりに衝撃を受けたのでいまだにきちんと覚えております。
人間が宇宙に進出して今の人類と同じように発展した惑星にたどり着く。文化レベルも人類のそれと比較してもほぼ同じか上ぐらいなのになぜ宇宙に進出しなかったのか?疑問に思った人類が尋ねるとその惑星の人達は砂漠化を止めたり、災害や飢餓対策をしていたらとても宇宙に進出する余裕はなかった、と答える。
このお話は読んだときから忘れられません。
星新一氏のお父さんが星製薬と言う会社を運営していた、と言う話は以前星氏の著作を読んだ時知りました。それにしても星一と言う方は壮絶な人生を歩まれた方だなと思いました。時代もあるのでしょうがなんというのか明治・大正・昭和初期の頃に生きていた人達は一人一人が一冊ぐらい本になりそうなドラマを持っている気がします。
星新一氏に経営能力があったら今のショートショートは、SFはどうなっていたのでしょう?星氏の作品を熱中して読んだことのある読者はこれだけの作品を残してくれたことを感謝するでしょうが著者ご本人はどう思っていたのか。
それにしても今は直木賞も芥川賞もぽんぽん色々な人にあげているよなあ~、だったら星氏にあげてもよかったじゃない?なんて読み終わった後悔しく思いました。 -
2022I184 910.268/Sa
配架場所:C1 -
星新一氏はおぼっちゃんだったんですね。
お父様は議員でお父様を取り囲む人たちも
教科書にでてくる有名人だらけ?
ただ自分は物知らず世間知らずなので、ほぼ
知らない有名人、作家先生…。
驚いたのは、「空飛ぶ円盤研究会」に三島由紀夫が
会員だったこと。
膨大な本や資料を調べ尽くして関係者に会ったり、手紙や電話でやりとりするなどして書き上げた
著者最相葉月さんがすごい。 -
星新一という人の生誕から死去まで,ほぼ全てではないかと思わせる多くの関係者からの聞き取りに基づき構成された内容で,読み応えがある.一方で,他者が一人の人物のプライベートをこれだけ詳らかにすることに抵抗はある.
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感想は下巻で
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『未踏の時代』を読みSF黎明期に興味を持ち、こちらも購入。
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ノンフィクション
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ショートショートの神様と呼ばれる星新一。いま大人である人のなかで、彼のショートショートを1つも読んでいない人は居ないのでは無かろうか。
星製薬の社長であったことは知っており、展覧会で直筆の下書きを見たことがある。作品の軽やかさに比べると、ずいぶんと神経質だと感じた記憶がある。
文庫で上下巻となった上巻は、星新一ではなく、本名の星親一であった時代のお話。父親の星一の若きころから親一が産まれ、育つ。その背景には第一次世界大戦と第二次世界大戦の影響が色濃い。
こういう時代を生き抜いた父を持ち、その星製薬を継ぐこととなった星親一はいかにして作家の星新一となったのか。下巻が楽しみである。