- Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101499017
作品紹介・あらすじ
貧民窟の一角に生まれたブラームスが、シューマンの熱烈な賛辞によって一躍有名となり、ドイツ音楽の巨匠としての名声を得るまでの64年の生涯。ワーグナー派との対立抗争、作品の生成過程、シューマン夫人クララをはじめとする多くの女性たちとの交渉など、さまざまな角度からブラームスの人間と芸術を描く。若杉弘、堀米ゆず子、K・ライスターら9人の音楽家のコラムを収録。
感想・レビュー・書評
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<産まれた時期について>
その風貌から、ベートーベンと同世代かのような錯覚をしていたが、ブラームスが産まれたときベートーベンは、既にこの世にいなかった。
ブラームスが産まれたとき、ワーグナーは20歳。ブラームスは、自分が思っていたよりも”遅く”産まれていた。
<ドイツレクイエム>
私は聖書の神がかり的な記述が苦手なのだが、ブラームスの”ドイツレクイエム”には、そのような引用が全くないように思う。宗教曲は、歌詞もラテン語での制作が基本が伝統だったはずだが(モーツアルトのレクィエムも原典はラテン語)、ブラームスのレクイエムはドイツ語。作品も、宗教に前のめりではなく、宗教抜きでも”作品”と成り立つ音楽性を備えている。
上記の事実から、音楽家が教会の下請けだった時代から、対等というか、音楽家の地位の向上、いいかえれば、音楽が”宗教的な制約”を突破して、自由を勝ち得ている、ひとつ突き抜けた時代に到達したことを示している作品なのだろう感じた。
<4つの厳粛な歌>
最晩年に、自分のために作った音楽。原典の旧約聖書、新約聖書の該当箇所を確認したいという欲求が生じた。
<不遇な幼年、壮年時代>
ハンブルクの楽団に空席が生じても、出自の身分の低さから、就任できなかった辛さ。
<引っ込み思案 社交的でない性格>
もっとも可能性があったアガーテとも、結婚できなかった理由はなぜなのか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
写真がふんだんに使われており、ブラームスが生きた時代背景や数々の作品を年代を追って具体的にイメージすることができる。
ブラームスの人物像や作品がよく分かる一冊。音楽家達のブラームスについてのエッセイもある。
ブラームスの曲を聴きながら読書するとより理解が深められるように思う。 -
ジュンク堂池袋、¥620.
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(1988.06.18読了)(1986.12.26購入)
(「BOOK」データベースより)
貧民窟の一角に生まれたブラームスが、シューマンの熱烈な賛辞によって一躍有名となり、ドイツ音楽の巨匠としての名声を得るまでの64年の生涯。ワーグナー派との対立抗争、作品の生成過程、シューマン夫人クララをはじめとする多くの女性たちとの交渉など、さまざまな角度からブラームスの人間と芸術を描く。若杉弘、堀米ゆず子、K・ライスターら9人の音楽家のコラムを収録。
☆関連図書(既読)
「モーツァルト」田辺秀樹著、新潮文庫、1984.10.25
「バッハ」樋口隆一著、新潮文庫、1985.04.25
「ベートーヴェン」平野昭著、新潮文庫、1985.12.20
「チャイコフスキイ」森田稔著、新潮文庫、1986.05.25 -
欲しくて手に入れた本。少し残念なのは、ページ数が思ったより少なかったけど、写真の数が割りとあったので、良かったと思います。ブラームスとクララシューマンとの関係は、ブラームスの片想いで終わった様な気がします。もし、その後に出逢うアガーテと結婚してたらどうなってたのか気になったりしてます。
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購入済み
内容(「BOOK」データベースより)
貧民窟の一角に生まれたブラームスが、シューマンの熱烈な賛辞によって一躍有名となり、ドイツ音楽の巨匠としての名声を得るまでの64年の生涯。ワーグナー派との対立抗争、作品の生成過程、シューマン夫人クララをはじめとする多くの女性たちとの交渉など、さまざまな角度からブラームスの人間と芸術を描く。若杉弘、堀米ゆず子、K・ライスターら9人の音楽家のコラムを収録。 -
ブラームスって、ひげをはやしたおじいさんって言うイメージが強いですが、若いときはとてもかっこよかったようです!
そんなことを知ってしまうと、もっと知りたくなってきます!! -
カラーで、文庫サイズでわかりやすいです。
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《読んだ時期:2008年1月》
ブラームス好きとしてはきちんとブラームスに向き合いたい!と思い手にした一冊。
コンパクトにまとめられているが、実に分かりやすく、内容も濃い本であった。
この作曲家シリーズ、読破してみたい!
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ブラームスの人生を簡単に知るにはよい本だ。ロマン派後期のブラームスは「秋の作曲家」という比喩はもっともだと思う。クララ・シューマンとのプラトニックな関係や、交響曲1番・ドイツレクイエムの背景は興味深い。また、マーラーやブルックナーをどう思っていたかも分かる。私のすきなハンガリー舞曲についてはあまり書かれていない。