さとり世代探偵のゆるやかな日常 (新潮文庫 く 49-1 nex)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (362ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101800325

感想・レビュー・書評

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  • 大学入学早々に幼馴染と作った「探偵同好会」
    日常のちょっとした謎を大袈裟に推理する自称イケメン名探偵の幼馴染に振り回される日々だったが、やがて本物の事件に巻き込まれる。

    さとり世代というのがなんとも現代らしい。
    ゆるーく適当な展開ですが、伏線やらミスリードがちらほらと。
    軽く読めるなと思っていたら、読後感は思ってたより重かったです。

  • 幼馴染の灯影院に流されて始めた大学の探偵同好会の会話劇が若さを感じさせつつも微笑ましい。買ったばかりの弁当を捨てるコンビニ客の話が印象的。短い話が軽快で孤島の殺人事件は冗長に感じた。空っぽな自分描写が青くて辛く短くて良かった。性別は思わせ振り描写過多で驚けなかった。承認欲求同士という陰りは個性かも。

  • 大学生になったばかりというのに、やりたい事が特に…な
    無気力主人公。
    彼の幼馴染に流されて、探偵同好会、をする事に。

    休講になった理由、自動車学校に乗っている女の人
    捨てられるお弁当、七夕につるされた白紙の短冊。
    という短編ばかり、と思ったら、次が先輩の故郷たる
    島の中、での話。

    ここまでがキャラを色濃く覚えさせるための準備、と
    言われても納得しそうな長さでした。
    最後には、事件の真相も吹き飛びそうな、驚きの真実。
    確かに思い返せば、そんな表現も何もなかったです。
    それが普通、と思っている人と、始めた見た人の態度。
    ここで気が付くべきだった、というほど
    注意力はないので。

    さらなる驚きの真実は、最後の6話目。
    守れさえすれば後はどうでも、な心理は分かりますが
    何かあったらどうしてくれるのか、聞きたいです。

    主人公と幼馴染のいびつな関係、と言いますが
    あまりに恰好をつけていると、確かに辛い。
    しかし誰しも友人を尊敬する、という場所はあるので
    ナルシストを突き進まない限り、大丈夫?

  • 大学生になった僕はやりたいことが特にない。
    幼馴染の灯影院に流されてうっかり「探偵同好会」を始めたら、ヤツのもっともらしい無茶推理に振り回される日々がやってきた。
    しょせん「休講の真相」程度の素人探偵の僕らは、やがて孤島の殺人にまで巻き込まれ――。
    軽やかなタッチで紡がれる会話芸の中から、現代の空気感があふれ出す新鮮ミステリ。

  • 2017.3.29読了 32冊目

  • うーんこの本も叙述トリックかぁ

  • ゆとり世代を題材にした一冊と聞いて読んでみました。ゆるーい探偵物語。

  • 物語自体は、『氷菓』のようなテイスト。大事件というよりも、ちょっとした出来事から謎解きしていく。
    伏線は結構たくさんあって、
    文字メディアでしかできないオチが用意されているのは面白かった。

    ところどころで、主人公(大学生)くんの口から、大人が振りかざす「イマドキの若者論」への反抗というか、
    自分なりの見解を述べる描写があるのだが、それがとてもリアルに感じられた。
    ちなみに作者の人と自分は同世代だった。
    現在の大学生が同じ感覚かどうかは、また分からないところだけれど…
    でも、ギャンブルに興味が無い、タバコも吸わない、物欲が薄い(ように見える)、反抗期がない、放っておけばずっとインドア、あたりはかなり的を射ている。

    特に主人公が探偵役の友人(灯影院というスゴイ名前)に抱く関係性の感覚に妙な納得感がある。
    深く互いを知っている自信があるわけでもなく、どこか上っ面な"キャラ"で付き合う感覚。
    何か相手を利用しているような感覚。
    それが嫌というわけではないのだけれど、心のどこかで虚しさのようなものを感じていて、
    でも最後までこの主人公はどうすることもできず"ゆるやかな日常"の継続を図ってしまっている。
    その終わり方に、主人公の将来、ひいては自分の将来に、獏とした不安が残る感じが…

  • 後半が変な感じになったけど面白かった。

  • 推論、日常の謎、離島での殺人事件、などを次々と推理してゆく大学生2人のお話し。とはいえ、快刀乱麻のごとき犯人捜しの名探偵ものではなく、ハッキリしない解決や、恣意的な推理もあるので、2人の関係が物語の中心となるだろう。やっぱこれは叙述ミステリになるのかな?肩の凝らないライトな探偵物語。

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