月桃夜 (新潮文庫nex)

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  • 新潮社
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感想 : 32
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  • Amazon.co.jp ・本 (343ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101800523

感想・レビュー・書評

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  • 奄美を舞台にした悲恋。
    戦前の薩摩にあった宝の島、ヤンチュという奴隷制後。
    希望をもってこの世の終わり、サネンとの邂逅を待ち続けるフィエクサ。
    誰もがみな一粒の椎。

  • ああ、これはすごい。すごい力を感じる。
    フィエクサとサネンが気になって、島の話だけ先に読み漁ってしまった。
    山の神の神さまらしさがまたいい。
    言葉が神を形作る。存在させる。言葉がまだ大義を持つ世界。
    二十三日月の有明三日月の設定がまたいい。
    表紙のイラストがまたそそる。
    海上の夜明けの清々しさよ。

    多崎礼の「煌夜祭」を思い出した。

    2/14追記
    ようやくちゃんと一から十まで通して「月桃の夜」を読み終わって、まだ心が持ってかれてる。何度も途中からとか読み返しても、ブランクなくその時点から物語に入り込める。それってすごいことだと思う。何回読んでもラストが希望に満ちているけど切ない。あんなに明るく世界の終わりを望んでしまうくらいのかつての絶望を思うと。
    できることならアニメじゃなく役者さんの映画で見たい。目の前に浮かぶ映像を現実のものとして見てみたい。肉体を持ったフィエクサの姿を見てみたい。

    それにしても、一冊通して読み終わると、同抑揚や発音をつけていいかわからなかった奄美の言葉が違和感なく聞こえてくる。訪れてみたくなる。

    何て愛しさのこみあげてくる一冊だろう。
    何度読み終えても手元の本棚から移す気になれない。

  • ありがちっちゃありがちなんだけど、確かな描写は読ませる力を持ってた。悲劇を殊更に煽るわけではなく、悔恨をただだらだらと綴ったわけでもない。答えを見つけるまで、見つけてもらうまでのプロセス。他の著作も読んでみたいなー。

  • 帯の文句に惹かれて購入。
    フィエクサとサネン、読んでいてどちらも愚かしく見えるものの一気に読み進めていくと二人で幸せになる未来を望みだけなる。
    フィエクサの希望は果てしないな。

  • 第21回日本ファンタジー大賞受賞作。
    ファンタジー大賞は残念ながら無くなってしまったが、本作は『ファンタジー大賞らしい』長編だった。割と若い人に受け入れられそうな作風なので、文庫化がnexだったのも納得。

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著者プロフィール

遠田潤子
1966年大阪府生まれ。2009年「月桃夜」で第21回日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。16年『雪の鉄樹』が「本の雑誌が選ぶ2016年度文庫ベスト10」第1位、2017年『オブリヴィオン』が「本の雑誌が選ぶ2017年度ベスト10」第1位、『冬雷』が第1回未来屋小説大賞を受賞。著書に『銀花の蔵』『人でなしの櫻』など。

「2022年 『イオカステの揺籃』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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