- Amazon.co.jp ・本 (439ページ)
- / ISBN・EAN: 9784102002032
感想・レビュー・書評
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レベッカの圧倒的な存在感。
「わたし」と一緒に私もマンダレーにいる気分です。 -
「ダフネ・デュ・モーリア」のゴシックロマン小説『レベッカ〈上〉〈下〉(原題: Rebecca)』を読みました。
「泡坂妻夫」のミステリー作品『花嫁のさけび』が、『レベッカ』を彷彿される内容だったので、原作を読んでみたくなったんですよね。
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〈上〉
ゆうべ、またマンダレーに行った夢を見た― この文学史に残る神秘的な一文で始まる、ゴシックロマンの金字塔、待望の新訳。
海難事故で妻を亡くした貴族の「マキシム」に出会い、後妻に迎えられた「わたし」。
だが彼の優雅な邸宅マンダレーには、美貌の先妻「レベッカ」の存在感が色濃く遺されていた。
彼女を慕う家政婦頭には敵意の視線を向けられ、「わたし」は不安と嫉妬に苛まれるようになり…。
〈下〉
マンダレーで開かれた豪華な仮装舞踏会の翌日、海底から発見された「レベッカ」のヨット。
キャビンには、一年以上前に葬られたはずの彼女の死体があった―。
混乱する「わたし」に「マキシム」が告げた、恐ろしい真実。
変わらぬ愛を確信し、彼を守る決意を固める「わたし」。
だが、検死審問ののちに、「マキシム」すら知らなかった「レベッカ」の秘密が明らかになっていく。
魅惑のサスペンス、衝撃の結末。
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上下巻で約800ページの大作… 上巻の中心となる「わたし」と「マキシム」のやりとりは、少しもどかしい感じがしますが、下巻の仮装舞踏会から「レベッカ」のヨットが発見され事件の真相に迫る展開は面白いですねぇ、、、
前半のもどかしさは、後半の急展開の伏線として必要なパーツなんでしょうね。
長篇でしたが、面白かったので、意外と早く読めちゃいまいた。
「アルフレッド・ヒッチコック」監督作品の映画『レベッカ』は何回か観ていますが、原作の雰囲気を巧く表現できているなぁ… と感じました。
特に「レベッカ」を崇拝する「ダンヴァース婦人」のイメージは原作とぴったりですね… でも、本作を読んで、原作と映画では、一部内容が異なっていることに気付きました、、、
前半は原作に忠実な感じですが、後半部分で、
○「レベッカ」の死因が異なっていたり、
(原作:「マキシム」が銃殺、映画:「マキシム」が押し倒した拍子に事故死)
○「レベッカ」が映画では妊娠したと信じている描写があったり、
○「ベーカー医師」に「レベッカ」の診察内容を確認に行くメンツが違っていたり、
(原作:「マキシム」に「わたし」が同行、映画:「マキシム」に「フランク」が同行)
○映画では、マンダレーが炎上する場面で、燃え上がる屋敷の中に「ダンヴァース婦人」のシルエットが浮かぶ場面が追加されていたり、
という違いがありましたね。
ちなみに、最後まで「わたし」の名前は明かされないのですが、、、
これは「ダフネ・デュ・モーリア」が「(珍しい)名前を思いつかなかったから」なんでそうです… 意外な理由でしたね。
久しぶりに映画も観たくなりました。 -
感想は下巻で。
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2018.03.25
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主人公は若くて社会経験に乏しい。自分もそれを理解していてコンプレックスを感じているから人からの評価が気になってしまう。性格は優しく想像力豊か。結婚相手のマキシムは20も年が離れているのに慣れない貴族社会にとまどう主人公のフォローがまったくできていない。前妻のレベッカを崇拝する優秀すぎる女中頭がマンダレーのお屋敷を取り仕切っていて主人公の性格を見きった上で陰険な嫌がらせをする。主人公の性格でこんな状況におかれていたら情緒不安定になって存在しない幽霊まで見てしまいそう。下巻の展開が本格ホラー展開になるか、もしくはレベッカのはっきりしない死の原因を探る展開になるか、続きが気になる。
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ゴシックロマンの代表作レベッカの新訳。古典は訳が読みやすいとやっぱり面白い。村上春樹が言うとおり訳は賞味期限があって原語なら風化しないけど、翻訳は時代時代にあわせて変わっていかないととっつきにくくなります。どうでもいいけど、私はこの本の舞台マンダレーは米国東部だと長らく勘違いしておりました。英国文学なんですねorz
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最初の半分までは中々読み進められなくて大変だったけれど、「レベッカ」の存在が濃くなるにつれて目が離せなくなる展開に。
ドキドキしながら読み進めた。