朗読者 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102007112

感想・レビュー・書評

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  • 静かに涙がこぼれた。

  • 倒錯した恋愛物だと思ったら、いい意味で裏切られました。
    切ないです。

  • ザ・男に都合の良い物語。
    こういう「あー昔はオレ若かったなー」的な武勇伝じみた男の回想話がとにかく苦手です。
    母親くらい年の離れたハンナとのイチャコラシーンも…私には気持ち悪いだけだった…
    思春期の男の子って皆こうなんだろうか。いろいろと夢が壊れました。
    一時期これが新潮文庫の書店ランキングで一位になってたことがあったけれど、なんでこれがそんなにウケているのかすんごい不思議でした。
    でもちょっと謎が解けました。
    村上春樹が人気な理由と同じなのかなーと。
    春樹も多分、女性よりも男性に人気がある作家なんじゃないのかなというイメージがあります。
    これも多分、男性と女性じゃ評価がすっぱり分かれる気がします。
    とりあえず私はダメだった。登場人物の誰にも感情移入できんかった。
    まだまだ人生経験が足りないのかもしれません。

  • 幸せって難しいなぁ。

  •  とっても面白かった。あんまり元気がないときに読んだんだけど、すごく集中していっぺんに読んだ。こんなに面白くって、こんなに凄い小説には滅多に出会えない。ほんとうにトップクラスの小説。<br />
     本書は、少年と大人の恋愛風景から始まる。やがてそれはナチスの大量虐殺に関わりを見せ「朗読」っていうモチーフを通じて長い物語が進んでゆく。正直なところ途中で「この話、うまく作りすぎかな」という気もしたけれど、読み終わった今、全然そんなことないと断言できる。読者を喜ばす仕掛けは確かにあふれてる。でも、それに徹しきれない作者の迷いがぎりぎりのところで伝わってくる。<br />
     この本がすごい理由はたくさんある。まず人物が魅力的だってことは外せない。あとプロットが優れてるっていうのも重要だ。だけど一番すごいのは、この小説が「恋愛」を描いていることだと思う。確かにストーリー自体は、いわゆる恋愛ものとはちょっとずれている。だけどこのお話の根っこには、恋愛時のあの異常な感情、なんていうか、恋愛のときだけ感じる、小さなことへの異常なこだわり、恋愛的《強度》、それがある。「よく分かんないけど、こうなっちゃうんだ」そういう恋愛的強度が本書の根底に流れている。<br />
     ひとつの恋愛的強度でもって、さまざまな事件をつなぎあわせたことが『朗読者』を傑作にしたてあげたのだと思う。(けー)

  • 心に静かに沁みる作品。

  • ナチ強制収容所の看守であり、同じドイツ人から有罪の判決を受ける。文盲であることが結果的に重罪となったが、育った環境、好んで看守になったわけではないことは想像できる。頑なにそれを弁明にしなかったことは、恥辱を受けることを避けること、表面的にわかっても深くは理解してもらえないであろう諦めも交じったものに感じる。主人公は、付き合っているうちにそうした彼女に気づく。主人公の苦悩は、戦犯者を身内に持ったとしたらどう考えるかと読者は投げかけられる。戦争はなぜ起こるのか、過去の歴史をどう活かすのか、の問いでもある。2024.5.12

  • ホロコーストを背景に「罪」とは何かを深く考えさせられる。どうしても拭い去れない愛情の苦悩と葛藤が切なく胸が締めつけられる。

  • 少年と偶然出会った女性ハンナのエロティックなまぐわい話かと思いきや、その女性が文盲であること、アウシュヴィッツ収容所の職員であったことなどが明るみになっていき急にドイツ文学らしき様相に。ニュアンスだけの話にとどまらず実は様々な伏線を張っていたりとなかなかのものでした。ハンナが懲役を終え出る日に自殺した時の衝撃は読書中久しぶりの感動を覚えてしまった。

  • 映画は台詞も少なく多くを語らず難しく感じたが、ドイツの負の遺産にどう向き合えばよいかぼくの葛藤が小説の方が分かりやすかった。愛した人が戦犯だったら。親世代が犯したナチズムを糾弾することについて。親に対して自分は責めることが出来るだろうか。
    ドイツ人がドイツ人を裁く、恐らくアウシュビッツ裁判の場面、私が言いたいのは…あなただったらどうしますか。というハンナの言葉がやっぱり印象的。

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著者プロフィール

ベルンハルト・シュリンク(ドイツ:ベルリン・フンボルト大学教授)

「2019年 『現代ドイツ基本権〔第2版〕』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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