- Amazon.co.jp ・本 (194ページ)
- / ISBN・EAN: 9784102020128
作品紹介・あらすじ
弟に領地を奪われた公爵は、アーデンの森に移り住んでいる。公爵の娘ロザリンドは、叔父の娘シーリアと大の仲良しのため邸内にとどまっていたが、ついに追放される。男装したロザリンドは、シーリアとともに森に向ったが、一方、公爵の功臣の遺子オーランドーも、兄の迫害を逃れて森にやって来る…。幾組もの恋人たちが織りなすさまざまな恋を、明るい牧歌的雰囲気の中に描く。
感想・レビュー・書評
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まあ面白かった。
ただ、当時の劇を本当に楽しむには、背景知識がないと無理かも。。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
何がおもしろいのかわからん
くどかんのほうがおもしろいじゃん・・・と思った
現代にそぐわないのかなー
古典でもおもしろいものはおもしろいと思うんだけど
これ、どの辺がおもしろいのかわかんなかったなー
キャラクターは個性的っちゃー個性的だけど
あれ、こいつ最初こんなキャラだったっけ???ってなったり
こいつの役どころは重要なのか?
むしろいないほうがスッキリするのでは?ってなったり
無理やり丸くおさめたなーという感じだった
とりあえず最後まで読んだので星は2つ
もう1冊シェイクスピアがひかえているが
かなりハードルを低くしておこうと思う・・・ -
何十年ぶりかな、シェイクスピアを読んだのは
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領地を追われた公爵とその弟のフレデリックにおける対立関係、また、それぞれの娘であるロザリンドとシーリアの協力関係、さらに、オーランド―等の恋愛関係に注目すると、本作における登場人物の心情を堪能できる。質素な生活ぶりを振舞う兄と強欲かつ妬深い権力者である弟、実の姉妹のように仲睦まじい娘たち、それぞれが抱く恋心と成就するまでの過程。多様な性格と人物像が満載で、人間臭さが残っているのが本作の魅力である。
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恋人が、あるいは父親が、ただ衣装だけを男装した娘を見抜けないわけがない不思議を、解説で故意にわからぬフリをした見方を紹介したのに腑に落ちた。さらっと目を通したのではこれまで名作として長年研究されたものを味わうことが難しいということか。解説を合わせて読み切ることをおすすめ。2022.4.1
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ロザリンドの巧みに操る言葉の数々に魅了されました
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愛と憎しみ、乱れて最後は大団円!
この登場人物の絡まり方と、収まるところに全部収まる感じがシェイクスピアだな、と。追放された公爵の娘ロザリンドが、男装した姿でオーランドーに、「私をロザリンドと思って口説いてみろ」みたいに言うなんて、なかなか倒錯している。しかも、シェイクスピアの時代では、男性の俳優が女装して女役をしながら、男装するということに。うーん。
延々と皮肉めいた長セリフもシェイクスピア。恋愛に関する格言が次々と述べられる。四代悲劇みたいな名作感はないけど、楽しく読めたので、きっとあの時代でも楽しまれたのだろう。 -
1616年4月23日は、沙翁が死去した日といふことになつてゐます。即ち今年で没後400年といふ節目なのであります。
仏文科に所属してゐながら、沙翁好きが高じて、大学の先生方には沙翁の話ばかりして不愉快な思ひをさせました。反省してをります。しかしそれほど沙翁は面白い。ここでは、人気の喜劇『お気に召すまま』の登場であります。
『お気に召すまま』といへば、男装の麗人、ロザリンド。このヒロインは、追放された元公爵の娘ですが、追放した本人はその父の実の弟、フレデリックなる悪い奴。フレデリックの実娘シーリアと共に生活してゐました。ロザリンドとシーリアは仲良し。
一方、ロザリンドと恋に落ちるオーランド―は、家長である長兄のオリヴァーから、亡父の正当なる遺産も与へられず、何かと冷遇されてゐます。それどころか、邪魔な存在だといふことて、スモウレスラーのチャンピオンと対戦させ、亡き者にしてしまはうと企むのです。この対戦、誰もがオーランド―の無残な敗戦を予想する中、勇敢にもチャンピオンに勝利するのであります。その際に、観戦してゐたロザリンドと相思相愛の一目惚れに陥るのでした......
その後主要な登場人物は、それぞれの事情から、「アーデンの森」へ集結します。ここで繰り広げられる、ロザリンドとオーランド―の恋愛模様。二人の会話は恥かしいのですがね。しかもオーランド―は、ロザリンドの男装に気付かず、彼女を男だと思ひ恋の相談なんぞをしてゐます。それほど恋い焦がれてゐる人のことを気付かぬとは、ちとをかしい。オーランド―は、本当は見破つてゐたのではとの説もある程であります。ま、最後は喜劇らしくハピイエンドに終るからいいけど。
ストオリイは他愛無いともいへますが、機智に富んだ台詞の数々に酔ひ痴れます。例へばロザリンドは、『空騒ぎ』のベアトリス、『ヴェニスの商人』のポーシャと並ぶ知性派ヒロインで、言葉遊びを愉しむ余裕があります。
そしてわたくしの一番好きな(『十二夜』の道化・フェステも良いが)道化・タッチストーン(試金石?)のイキイキとしてゐること! 逆境にもへこたれず、常に地口を忘れず、皮肉たつぷりの発言を連発して観客を喜ばせるのであります。
最近は流行り廃りのサイクルが短くなり、十年一昔どころか、三年一昔といつても良いくらゐの世相であります。しかるに、沙翁は400年の時を越えてもなほ、しかも海を隔てた遠い極東日本で未だに読まれてゐる。これは大変なことです。
作品で押しつけがましい主張をせず、ただ「人間といふものは、かういふものだよ」と、変らぬ人間の豊かさ、愚かさ、儚さ、愛らしさを提示する、その圧倒的な説得力が、観客及び読者に響いてくるからではないでせうかね。
では又、御機嫌好う。
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