黒猫・アッシャー家の崩壊 ポー短編集I ゴシック編 (新潮文庫)

  • 新潮社
3.57
  • (74)
  • (141)
  • (160)
  • (33)
  • (9)
本棚登録 : 1750
感想 : 143
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102028049

作品紹介・あらすじ

詩人であり、批評家であり、推理小説の祖であり、SF、ホラー、ゴシック等々と広いジャンルに不滅の作品の数々を残したポー。だがその人生といえば、愛妻を病で失い、酒と麻薬に浸り、文学的評価も受けられず、極貧のまま、40歳で路上で生を終えた-。孤高の作家の昏い魂を写したかのようなゴシック色の強い作品を中心に、代表作中の代表作6編を新訳で収録。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 新訳読みやすかった。どの話もいつの間にか引き込まれる磁力がある。『引きこもり図書館』で『赤き死の仮面』の解説を、『だれもがポオを愛していた』で『アッシャー家の崩壊』の新解釈を読んだところだったので、面白さが倍増した。解説も良い。

  • あまりにも有名すぎて、読んだつもりになっている小説がいくつもある。ポーの『黒猫』もその一つ。新潮文庫で素敵な装丁の短編集が出ているので改めて読んでみた。

    本書は、ポーの短編の中からゴシック小説と分類される『黒猫』『赤き死の仮面』『ライジーア』『落とし穴と振り子』『ウィリアム・ウィルソン』『アッシャー家の崩壊』の6篇を収める。

    『黒猫』は言わずと知れたポーの代表作。常軌を逸した自分の悪行を淡々と述べる主人公の語り口、主人公をじっと見ている黒猫の存在がとにかく恐ろしい。

    『赤き死の仮面』は、疫病が蔓延する国の王が城の中に閉じこもり、贅の限りを尽くす話。
    国の外では人がどんどん死んでいくのに、見て見ぬふりをする国王とその周辺、じわじわと忍び寄る「赤き死の仮面」が不気味だが、風刺が効いていることもあり、他の短編と比べて物語として楽しむことができた。

    『ライジーア』は、「美女再生譚」と分類される短編。若くして妻を亡くした主人公が新たな妻を迎えるが、彼女もまた不意の病に倒れる。ポー自身も愛妻を早くに亡くしており、彼の妻に対する執念があふれ出ているように感じる。
    6篇の中で私にはこの話が一番恐ろしい。ちょうどこれを読んでいるとき自分の気持ちに余裕がなかったこともあり、この後半年近く続きを読むのをやめてしまった。

    『落とし穴と振り子』は、異端審問の精神的な拷問を微に入り細に入り描き出した話。どこまでが歴史上実際に行われた拷問なのかはわからないが、閉所恐怖症の私は、何も見えない密室に独りで閉じ込められる、と想像しただけで冷や汗が出る。ただ、他の短編と違い、主人公が正気なので読みやすかった。

    『ウィリアム・ウィルソン』は、自分そっくりな人間が目の前に現れ、自分の悪行のじゃまをする。
    ポーは酒と麻薬で乱れた生活を送っていたそうだが、「天の神様はこんな私を見ている。きっと罰を受けるに違いない」という気持ちをずっと持ち続けていたのかもしれない。

    『アッシャー家の崩壊』は、旧家の一族と代々住み続ける屋敷のアイデンティティが一体化し、建物の風化とともに一族の精神も破綻していく話。ラストシーンは大迫力で、映像が目に浮かぶようである。

    本書に掲載されている短編は、ポーの心の闇が描かせた傑作ぞろいだが、心身とも健康な時に読まないと、その闇に引きずり込まれる恐れがある。これから手に取る人は覚悟して読んでほしい。

  • 有名な作家さんですが、購入に至ったのは、ドラマ相棒で「黒猫」が取り上げられていたことがきっかけでした。
    きちんと読み込めたのは「黒猫」と「ウィリアム・ウィルソン」の2作品。
    けれど、後者のオチは落とし込めていなくて。わたしには難しい作品集だったかな…

  • 人間の残虐さ強欲さそして弱さ…。初めてのポーは暗くてジメジメして現実なのか妄想なのかはっきりしない靄がかかったような作品が多かった。

    「黒猫」前回と同じ場面でギャーとなった。人間の醜さが悲しい。「赤き死の仮面」王様の汚さに腹がたつ。巧みな色使いが物語を盛り上げる。「ライジーア」読みづらかった。「落とし穴と振り子」1番怖かった。薄暗い牢獄内で行われる拷問。息苦しくなった。「ウィリアム・ウィルソン」ドッペルゲンガー?彼が最後に殺したものは何か?「アッシャー家の崩壊」なぜこんな事に。館のしわざなのか。

  • さすが名作、面白かった。
    どれも一人称で話が進むのだが、ポー自身が体験したかのようなリアル感と緊張感が良かった。文章は幻想性があって、そこが怖いような美しいような不思議さを感じさせてくれた。これがゴシックか。
    細かく言えば★3.5くらい

  • まさにゴシックホラー。
    壮麗で神秘的な表現の中に、不気味でグロテスクな描写がたっぷりで、幻想の世界に浸れます。
    むかしに、子供向けの作品集で読んだことがあるはずだけど、このこねくり回したような独白調の語り口が何とも気持ち悪い。
    子どもが読む話じゃねーなと思う。
    非常に読みにくいです。
    が、独特な雰囲気と名作といわれる風格があります。

    解説まで読んで、なるほどねーとなる。
    最近のラノベでも引用されるのですから。

  • テレビでポーのミステリーについての番組を見てそそられて購入。

    正直言って難解。
    「ライジーア」という話は読めなかった。

    ただ他の作品については得体の知れない不気味な感じとか、なんとも言えない恐怖、
    それが難しくてもなんとなく伝わってくる。

    個人的には「落とし穴と振り子」が一番読みやすく面白かった。

  • 200ページくらいの短編集ながら、じっくりと時間をかけて読了。
    自分なりにそれなりには理解したつもりだが、別途研究書にも触れてみたい。

    どの話も存在感が濃い。
    以前に何かの解説か書評で”読後に記憶に残る短編はそれだけで優れている”(超意訳です)というような事が書かれていたが、つまりはそういう事なのだと思う。



    「黒猫」…怖い。ただただドス黒い’悪‘を感じるサスペンス。隠蔽された死体側からのサインで発覚するというケースの元祖だろうか?

    「赤き死の仮面」…疫病が静かに音もなく、それでいて確実に浸透し蔓延するさまを演劇的に表現した話、と理解。逃げおおせたつもりでも対策を打たず放蕩していればそりゃこうなる。

    「ライジーア」…ひたすらに妻・ライジーア姫がいかに完全無欠の女性だったかを延々と語ったのち、死別。その後に若く美しい後妻・ロウィーナ姫を迎えるが数ヶ月後にまた死亡してしまう。ロウィーナ姫が死後に何回か蘇生を繰り返すのだが、その度にライジーアの幻影が重なっていき最終的には髪の色も変わりライジーアになってしまう!という話。
    ホラーとして捉えればいいのだろうか…。

    「落とし穴と振り子」…フランス革命戦争期のスペイン、正統派に捕らえられた男が地下牢で受けた刑を描いたスリリングな作品。こんな大掛かりな振り子刃の拷問機械はポーの創作だろうか?金属音や軋みが聴こえてくるかのような緊迫感。しかも、刃から逃れたと思いきや深い奈落まで用意されている2段構え!最後の3行まで全く気が抜けない。

    「ウィリアム・ウィルソン」…実に不思議な話。’怪‘としか言いようがない。

    「アッシャー家の崩壊」…「度し難い」(p155)陰鬱さが纏わりついた文章。アッシャー家はさながら「魔の宮殿」(p171)であり、住人は屋敷に感化して精神を蝕まれてゆく。最終的には題通りに「崩壊」して幕を下ろす。


    余談だがヘンリー・フューズリの絵にも興味が湧いてきた。作品集は手に入るかな…。


    10刷
    2021.9.4

  • 本書の中では黒猫が一番良かった。ミステリーとホラーの要素があって面白い。

  • 昔読んだのは、誰の訳だったか。

    これも再読。新訳で読み易い。そして何度読んでも『黒猫』怖い。『ライジーア」『赤き死の仮面』『アッシャー家の崩壊』『ウィリアム・ウィルソン』…あれ?全部いいな。今更だけれど、やっぱり凄いな、エドガー・アラン・ポー。今に続く原型がここにあるな。

  • 海外作家が描く、怪奇幻想小説(ゴシック・ロマンス)は、昔から日本のそれよりもおぞましさが増して感じられる。眠れなくなるほど心を抉られた。
    黒い影に黒い猫。黒い血が流れたら、ねえ見つけてよと黒い瞳がギラギラし紅い舌がチロりと笑った。
    黒猫=魔女の象徴、という仮説がどこまで彫り込まれているか分からないが、起きている現象は魔女狩りそのもの。呪いであるとか怨念であるとか、そういう見えないものに脅かされながらも、結局私は目に見える人間の狂気だとか心理の方が、圧倒的に恐ろしいといつからか知っていた。
    だから言ったでしょう。幽霊なんかより、生きている人間の方がよっぽど恐いのよ。

  • (  ̄ω  ̄ ;)ンー
    クライマックスまでの前説(?)が長い・・・
    でも、推理小説の祖とよばれるアラン・ポーの作品を読んでよかった

    「黒猫」
    酷いことする奴には報いをっ(-_-)凸!!!
    ・・・黒猫怖っ((;゚Д゚)ガクガクブルブル(笑)
    「赤き死の仮面」 怖ぁ~い 逃れられない・・・ 絡め取られるううう怖っ
    「ライジーア」 美女再生譚
    「落とし穴と振り子」 異端審問時代の拷問 最後は危機一髪っ!!!ε=( ̄。 ̄;)フゥ
    「ウィリアム・ウィルソン」 分身譚 イヤミス?!
    「アッシャー家の崩壊」 鬱蒼とした地方の陰鬱とした館のアッシャー家の神経症に苦しむアッシャー家最後の兄妹
    妹の美女再生譚 暗い・・・ジメジメ感がすごい・・・

  • The Black Cat(1843年、米)。
    不気味で不条理で暗い。しかしラストは笑ってしまった。普通気付くだろう!

  • 「ウィリアムウィルソン」は納得できました。
    「赤き死の仮面」はカラフルな部屋と経帷子に包まれた仮面男の配置が絵画的
    「落とし穴と振り子」はタイムリミット系のスリリングが味わえる。

    でも、でもと言わせてもらうなら、私はあんまりだった。
    生き埋めものはゾラにもあったと思うけどなんやろな、やっぱり歴史観というか時間性が極端にないのが気になる。

    「落とし穴と振り子」の最後にフランスの将軍が出てくるのと「ウィリアムウィルソン」の生涯の描写あたりに僅かに出てくるだけで、時間の文脈ともいうべきものがなくってあくまで“そのとき”“どこかで”感が真空的息苦しさを感じる。

  • エドガー・アラン・ポー。小学生の時に学校の図書館で「黒猫」を読んで、子供だましではない怖さに衝撃を受けました。あれ以来、ちゃんとポーを読んでないなと思い立ち、文庫を購入。

    <黒猫>猫よりも、男の狂気がただ怖い。酒に溺れた男の自分語りだから、彼が語るすべてが嘘か本当かの境界が曖昧で、それがまた不気味。
    <赤き死の仮面>小説を読むというよりも、観劇しているかのような一篇。ただただ陰鬱で黒い世界だけでなく、こんなに色彩豊かな表現もできる作家なんだ!という驚きがありました。
    <ライジーア>特に好きでも嫌いでもないけど、主人公がライジーアを心底崇拝していたことは分かりました。それはもう、病的なほどに。
    <落とし穴と振り子>この短編集の中では、私はこの話が一番好きです。本編中の心理的な圧迫感は本当にすごかった。最後に救いがあるのも良かったです。
    <ウィリアム・ウィルソン>真剣に読み込もうとすると、こっちの気がおかしくなりそうです(笑)白状すると、ちょっと飛ばし読みしました…
    <アッシャー家の崩壊>タイトルにもなっている一篇。この短編集のメインディッシュであり、真打でしょう。あと一篇、これを残しているので、じっくり堪能しようと思います。

  • 六編からなる短編集。元祖ホラーな黒猫やこのご時世にピッタリの赤き死の仮面もいいですが、私的一推しは「落とし穴と振り子」!!これめちゃくちゃ面白かった!振り子のあたりは手に汗握るハラハラ感やし、ラストもスッキリ!

  • 本書のタイトルにもなっている黒猫と言う作品を読んでの感想

    最初は読み終わって、ただ黒猫に踊らされた哀れな男の話という印象だったのが
    改めて振り返るとアルコール中毒であった語り手をどこまで信じるか、読者を疑心暗鬼にさせられる

    たった16ページにこんなにモヤモヤさせらせるなんて
    ポーさんぱねぇっす

  • 有名でかつ超短いのに非常に読みにくい。頭に入ってこないなあ。。オチは面白いけど、既に膨大なパロディやパスティーシュがあるので意外性はないかも。

  • 「黒猫」「赤き死の仮面」「ライジーア」「落とし穴と振り子」「ウィリアム・ウィルソン」「アッシャー家の崩壊」を収録。
    表紙がかわいくもあり、不安にさせるようでもあり……中身を読んだあとにあらためて見るとどこかグロテスクで魅力的。

    けっこう期待して読みだしたのだけど、「ライジーア」と「落とし穴の振り子」のあたりでだれてしまった。「黒猫」とこのふたつは、語り手がまるで同じ姿かたちをしていそうに思えてくるのがいけなかったかも。これを同じ1冊の中で読むのはつらい。
    訳が固めで真面目なのもあって、つらつらと続く語りはただくだくだしい印象を強めるばかり。描かれる怪奇は光るだけに、語りの幻想性の薄さがもったいなかった。唯一既読の「アッシャー家の崩壊」も、前読んだもののほうがよかったかな。
    その点「赤き死の仮面」は趣も違って、ほどよく詩的で美しかった。こういうのは好き。

  • ポーの代表作6編が収録。
    喜々として読める作品はなく、むしろ背筋がヒヤリとするものばかりだけれど展開も早く読者を引き込ませる。人間の猟奇的な面をはらんだ作品が多い。
    「黒猫」はばっさりと終わるラストが逆に余韻を残す。

    収録作品:「黒猫」「赤き死の仮面」「ライジーア」「落とし穴と振り子」「ウィリアム・ウィルソン」「アッシャー家の崩壊」

  • 表題作よりも、落とし穴と振り子がかなりインパクトが強かった。

  • とりあえず推理小説の原点から読んでみようと思って購入、
    したらミステリーじゃなくてゴシックだった。

    「黒猫」
    面白い。
    深い愛情は深い憎悪を含むという、
    二律背反をホラーとして描いている。
    オチがなんとも滑稽でよい。
    心理と行動のちぐはぐな関係は、
    かなりフロイト的だということがわかる。
    しかもフロイトよりだいぶ前の人なのよね。

    「赤き死の仮面」
    解説にあったけれど、
    ペストのことを「Black Death(黒死病)」というらしく、
    これを彷彿とさせるが、
    実際には1832年のコレラ大流行の際に、
    フランスで開かれた舞踏会からヒントを得たそうだ。
    死を遠ざけようとする様と、
    舞踏会での饗宴が異様な高揚感を伴っている。
    最終的には死の輪舞曲といった風情で、
    非常にプリミティブな印象を受けた。

    「ライジーア」
    うーん。
    よくわからん。
    途中の詩はよいなぁ。

    「落とし穴と振り子」
    読んでて乙一の「SEVEN ROOMS」を思い出した。
    絶望的状況下で俯かない人間の気高さ。
    結果はどうあれ、
    その時その瞬間の必死な様は心震える。
    怖いけど。

    「ウィリアム・ウィルソン」
    自分とそっくりな自分と違う存在と対峙する。
    それは自己嫌悪の時に似ている。
    自己嫌悪する時、
    「嫌悪する私」と「嫌悪される私」に分裂していることに気がつく。
    そこでもし、
    分裂した片方を殺してしまったとしたらどうなるか。
    そんな恐怖譚がこの話なんだろう。
    萩尾望都の「半神(16Pの超面白い短編)」に、
    非常に近いものを感じた。

    「アッシャー家の崩壊」
    なんかに似てる。
    なんだっけ。
    うぅぅぅぅうん。
    そうだ。
    シャイニング。
    意志を持つ家。
    シャイニングの原点にこれがある気がする。
    と思ったら解説に丸々書いてあった。
    読んでる途中、
    キッチンに吸盤で固定していたお玉とヘラが、
    音を立てて落ちたのでめちゃくちゃびびった。
    その様子は古典的な漫画のように、
    身体の主線がビリビリ波打ってたことであろう。
    全体の印象としては、
    オチが素晴らしくいいのに、
    前半部分でなかなか入り込めなかった。
    時代や場面設定を飲み込むのが大変だったからかな。
    ただのリテラシーのなさかもわからない。

  • 短編集ゴシック編。内容は、「黒猫」「赤き死の仮面」「ライジーア」「落とし穴と振り子」「ウィリアム・ウィルソン」「アッシャー家の崩壊」の6作品。

    どの作品からも狂気・恐怖を感じた。主人公が体験しているものが伝わってくる。
    特に、「落とし穴と振り子」は背筋がゾクゾクした。時限式処刑台?ともいえる振り子。それがじわじわと接近し、左右に揺れるのを目で追う。囚人服を切り裂き、それがあと数往復で肉を切り刻もうとしているのを想像すると、気が気でなくハラハラし、一思いに殺してくれとも思う。機転を利かして寸前のところで逃げおおせるも、次は熱せられた壁が迫ってくる。炎の壁に挟まれるか、井戸に落ちるか。。もう終わりだと発狂寸前のところまで追い詰められる。ちょうどその所で、運良く助けだされ、ほっとして物語は終わる。しかし、死の目前のところを体験して、はたして今まで通りの日常を送れるのだろうか?

  • 恐怖感が鮮明に伝わってくる小説。
    はじめてエドガーアランポーを読んだが、少ないページ数でストーリー展開がサクサク進む感じが読みやすかった。

  • ポー読みかえすマイブーム中。新潮文庫の短編集。
    「黒猫」を読んでから、夜に黒猫に会うのが怖かったことを思い出す。#1ゴシック編では「黒猫」以外の記憶がない。たぶん昔に読んでいると思うのだけれども。

    元祖ゴシックホラー。うん、怖い。美人と動物が出てくるたびに身構える。

  • いろんな作家に影響を及ぼしたと言われるポーを読まねばと思い、先ずはゴシック編を。
    狂気、ひたひたと迫る恐怖、厳しい豪邸。どの作品も実に毒が効いている。最後まで気が抜けないストーリーも良い。本当にどの話も狂っている(褒めている)。

  • 世界最古のミステリーという事で、黒猫は読みましたが文章表現が私には合わず、読むのをやめてしまいました。

  • 面白かった
    言葉が難しく内容がなかなか入ってこない
    けれど奇妙で恐ろしいシーンははっきりと入ってきてとても恐い
    黒猫は衝撃的すぎて気持ち悪かった
    他の作品も最初はよくわからないけど読み終わると腑に落ちて次の作品に引きずるくらいインパクトが残る

    元気な時に他の作品も読んでみたい

  • エドガー・アラン・ポー「黒猫・アッシャー家の崩壊」読了しました〜!

    ○黒猫
    小説で初めて「ぶち殺す」という表現を見ました。
    不吉を運ぶ黒猫。いかなる状況でも主人の前に現れ、絶望に陥れる。
    「そう、わたしはこの怪物も一緒に妻の墓へ塗り込めてしまっていたのだ!」
    にしても主人公の情緒よ...
    ポーの描く主人公、警官が来たら傲慢になりがち。

    ○赤き死の仮面
    疫病によってばたばたと倒れる人々の情景と人間の抗争が表されていた。
    最後に攻めてきた人間は、疫病(赤き死)の勢いと恐ろしさを人間に落とし込んだものなのかな。

    ○ライジーア
    愛した人の再生の話。
    最初の言葉が重要すぎる。
    「人間は天使にも死神にも惨敗することはない、おのれの弱き意志のまさにその弱さに因る場合以外は。」

    ○落とし穴と振り子
    1番好きだった物語。
    主人公と異端審問官の熾烈なバトル。
    そのまま終わると見せかけてのまさかの終わり方。

    最後の場面は考え方がまとまらない。
    ①実際に処刑場が崩れ、ラサール将軍が主人公を助けた。
    ②戦争中の主人公の妄想?(状況の暗喩)
    ③実際に処刑場にいる主人公のそうなったらいいなという妄想。

    これくらい最後の捉え方が浮かんできた。
    ①であったなら、
    処刑場が崩れ、フランス軍が攻め入る=祖国が救われ死の牢獄が解体される。
    処刑場=暗鬱なる死の世界
    フランス軍の侵攻=輝かしい生の世界

    で、最初の文章に繋がるのでは。

    ○ウィリアム・ウィルソン
    主人公の前に立ち塞がる男は主人公と背丈格好容姿が瓜二つの男だった。

    「どこでもついてくる」ってことは男は主人公の心の中にいる存在で、主人公の良心の部分だったのかな。
    だから男を殺した(良心を殺した)後に、自分自身をすっぱり抹殺してしまったということさ!と言われているのか。

    全体的に終盤のスピード感がくせになる小説です。

  • 独特の暗く怪しげな雰囲気が本全体を包んでおり面白かった。

全143件中 1 - 30件を表示

エドガー・アランポーの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×