クリスマス・キャロル (新潮文庫)

  • 新潮社
3.73
  • (98)
  • (158)
  • (128)
  • (33)
  • (6)
本棚登録 : 1989
感想 : 153
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102030097

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 大切な事を思い出させてくれる。

  • 傲慢でケチなスクルージ老人が、クリスマスの幽霊に導かれることで心を入れ替える。
    発表された1840年代だって、2020年代だって、人間の本質は変わらない。
    いつだって変わりたいと望む一方で、変わるきっかけはつかめない。
    クリスマスという特別な日をきっかけに変化を遂げるスクルージ老人の姿は、ひとつ、わたしたちの背中を押してくれるようなそんな気持ちにさせてくれる。
    子供が読んでも、大人が読んでも素晴らしい読後感。
    ディケンズが描く、心の底から暖かいクリスマス。

  • 季節外れながら、定番の古典を思い出しつつ読了。ディケンズらしい、ヴィクトリア朝の慈善的価値観が堪能できる小品。
    訳が「村岡花子」とあったので読みにくいの覚悟で読み始めたのだが、ほどよい時代感を残した読みやすさだったので、こんなに新しい感じ??と不思議に思った。巻末にあった説明で謎が解けたのだが、村岡花子の訳をベースに、現代にあった訳に手直しがされているそうだ。全くの新訳も良いかもしれないが、ヴィクトリア朝の人々を直接知っていた村岡花子の訳のエッセンスが残っている文章が心地よかった。
    ストーリーとしては、スクルージの改心が早すぎると感じる向きもあると思う。しかしこの本は待降節の暗い夜に子どもと読むための話であって、長大で複雑な過程を楽しむというタイプの話ではないのでこれでよいのだ。メリークリスマス!(季節外れ)

  • 昭和に購入した本の字の小ささに耐えかねて新調。 毎年この時期にはこの本を読み、アルバート・フィニー主演の映画(今年はブルーレイ版を購入!)を観るのが私のクリスマス。名作。

  • イギリスの国民的文豪、チャールズ・ディケンズによる不滅の傑作。クリスマスが来るたびに読み返したい感動作。

    これは泣かせるストーリー。有名なのであらすじは知っていたが、実はちゃんと読んだのは初めて。筋書きがわかっていても感動するのは、やはり文豪ディケンズの巧みな筆致によるものだろう。大人になって頑なになってしまった心が解きほぐされる過程をあざやかに描き出し、すっかり忘れてしまっていた想いを思い出させてくれる。そしてそれこそが何よりも大切なことなのだと、今さらのように気づかされるのだ。ここは本物の感動がある。クリスマスがある限り永遠に読みつがれるだろう。

  • まさにクリスマスブック。
    ストレートなメッセージに、素直に感動。
    変わる前のスクルージも嫌いじゃない。
    裏表のある人より、ぜんぜん好い。
    ナイトキャップをかぶって時間旅行する姿が可愛すぎる。

  • 人間の疑惑、絶望、希望、愛について、クリスマスを話題にして通して書かれた老人の物語。

  • 過去・現在・未来のクリスマスの精霊による旅を経て、生まれ変わる人間の物語。心が笑っている、という表現が良かったな。

  • 安定感のある、王道をいく物語でしょうか。最後にちゃんと読者に安心感を与えてくれるので、読み手はしっかりと物語の世界から帰ってくることができます。それがこの物語の心地良い読後感となり、心に残ります。私が読んだのは1952年版の『クリスマスカロル』でしたが、新装版では翻訳も少し変わるのでしょうか?少し比喩表現が分かりづらいと感じる部分がありました。後半は映画を見ているかのような流れを感じ、映像が心に残りました。

  • 勉強の合間に読む短い作品に選んだ本。クリスマスシーズンということもあり良いタイミングで読めたと思う。

    ケチで拝金主義な主人公スクルージはお金を払わなくてはいけないクリスマスを心底憎み、お祭り気分の人々を忌々しく思っている。陽気な甥っ子や控えめな(だけど暴力を振るわれたらものさしで殴りつける気持ちはある)部下とその家族たち。幽霊に見せられる過去のシーンでほんの一瞬出てくる優しい妹とそれを大切に思うスクルージ、その後に出てくる恋人との別れのシーンの2つが、今のスクルージと過去のスクルージの違いが主観と客観で縁どられとても印象的だった。
    現在の時間軸で、どんなことがあってもへこたれない陽気な甥っ子は、作中でも触れられているけれど現実にいたら是非とも友達にしたいタイプ。絶対に切れないポジティブな蜘蛛の糸でスクルージを引き上げてくれたのは、あの優しい妹の息子なのだな、と思うと感慨深い。
    スクルージの「ケチで頑固」という性質の裏側にある「職務を全うしている人間」の中に見える、本人は視線を逸らしがちな不安や寂しさを知っているからこそ、これら全てが一晩の出来事で良かったと安堵してしまった。

    どうしてクリスマスを祝うのか、ではなく、何のために誰とクリスマスを「分け合う」のかを教えてくれる作品だと感じた。「毎日をクリスマスのように過ごす」というのは人に親切にするのはいつだってできるけれど、勇気やきっかけがない人に与えられるのがクリスマスというタイミングなのだと教わった気がする。

著者プロフィール

1800年代を代表するイギリスの小説家。おもに下層階級を主人公とし、弱者の視点で社会を諷刺した作品を発表した。新聞記者を務めながら小説を発表し、英国の国民作家とも評されている。『オリバー・ツイスト』『クリスマス・キャロル』『デイヴィッド・コパフィールド』『二都物語』『大いなる遺産』などは、現在でも度々映画化されており、児童書の発行部数でも、複数の作品が世界的なランキングで上位にランクされている。

「2020年 『クリスマス・キャロル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ディケンズの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
三浦 しをん
三島由紀夫
ウィリアム シェ...
村上 春樹
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×