ティファニーで朝食を (新潮文庫 カ 3-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (247ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102095010

感想・レビュー・書評

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  • ムーンリバーの弾き語りも、ショーウィンドウ前の朝食も、雨中の感動のラストも小説には出てこない。

    映画化にあたり、作者のカポーティは不満であったようだが、小説・映画いずれのホリーも魅力的な女性であったことは間違いない。

    小説と映画は違うということは横に置いといて、ホリーは今、どの国を旅しているのかなとポールと一緒に思いを馳せたい。

  • 映画の方はどうですか。オードリーヘップバーンがとてもチャーミングで、私は大好きなのですが。

    • りまのさん
      にゃんこまるさん、おはようございます。
      にゃんこまるさん、おはようございます。
      2020/08/02
    • りまのさん
      皆様、おはようございます。
      皆様、おはようございます。
      2020/08/02
    • りまのさん
      佐藤氏、フォローありがとうございました!
      佐藤氏、フォローありがとうございました!
      2020/08/03
  • オードリーの映画好きだけど、原作とはだいぶ違うらしい。原作読みたい

  • ホリーの真っ直ぐさ、自分に嘘をつかない強さがとても魅力的だった。
    「わが家は花ざかり」は、カポーティのおとぎ話だ。
    幸せなおとぎ話。
    かわいい話だと思う。
    「ダイヤのギター」は、覚えていた。
    若い少年の瑞々しさにひかれ、外の世界を思い出し、憧れてしまったシェファーさんが悲しい。




    1999.4.18
    小説を読みつつビデオを見たのだが、映画はあまりにも原作を変形させているので、面白くなかった。断然、小説の方がストーリー的にも文学的にも内容が深く、良いものであると感じた。この本は今回で2度目だ。前読んだときは、ホリーは自由奔放な小娘で、うらやましいな、くらいに思っていたのだが、今はそれだけでなく、すごいパワーみたいなものを感じるし、ある意味純粋さも感じる。カポーティの描写はすばらしい、と思う。他の短編についても、登場人物が存在を前に押し出してきている、というか、すごく鮮やかに描かれている。改めて、私はカポーティの作品が好きだ、と思う。生き生きしているな、と思うのである。

    2002.8.12
    ホリーの強くてしなやかな生き方が魅力的だ。確固とした自信があって、まっすぐで。こんな人と一緒にいたら、ものすごいパワーをもらえるんだろうな、と思う。でも、結局、彼女が求めているものも、本当の意味では1つ。みんな一人じゃさみしくてつらい。本物がどうしても欲しいのだ。「わが家は花ざかり」は、そんな本物をみつけたオティリーの幸せな話。ものすごくストレートに描いている、と思う。幸せな恋をしている女の人の話。老母なんてへっちゃらなところが、何よりその証拠だ。「ダイヤのギター」は、心の真っ直ぐなシェファーさんの話、だと思う。彼の心は、本当に真っ直ぐ。ティコに、自分にない別の輝きを見出して、強くひかれる。その時、シェファーさんは、ちょっと自分を見失ったのだと思う。いくつになっても何かに憧れる心が、人を動かす。そう思った。「クリスマスの思い出」は、ちょっと切ない。よいものやあたたかいものが、時間とともに変形し、損なわれてゆくのは切ない。でも、どうすることもできない。

  • 何故か「クリスマスの思い出」→「わが家は花ざかり」→「ダイヤのギター」→「ティファニーで朝食を」と読んでいったので、カポーティへの印象がコロコロと変わっていったけど、全部面白かった~

    特に「クリスマスの思い出」と「ダイヤのギター」が好き!肝心の「ティファニーで朝食を」は何故か人物描写が全く頭の中で再現できなくて、よく内容をおとしこめられなかった…私に読むのはまだ早いということなのか、根気がないだけなのか……

  • 映画版でA.ヘプバーンの演じるキュートなホリーを想像して読み進めましたが、「あれぇ?映画とはイメージが違うかも!」と思ったのが正直なところです。

    もっとはすっぱな感じで、年齢不詳。何をしているのかちょっとわからないけど、日々刑務所にお天気を伝えに行く女性がホリー。かすかにノワールな香りを感じながら読みました。話としてはミステリでもなく、恋物語というのも違うような、フシギなお話です。最後の大騒動で、ホリーの部屋に乗り込んだ男性が踏むガラス瓶の描写があまりにもリアルに痛そうで、そちらをよく覚えています(笑)。

    私の感じでは、若い頃のジャンヌ・モローのようなフランス女優さんがいいように思います。確かに、有名な「ティファニーで朝食を食べるようになっても」のくだりはヘプバーンのほうが似合うように思いますが(笑)。いずれにせよ、"Miss Holiday Golightly, travelling"というネームカードを出す女性…このかっこよさは素敵すぎです!

    翻訳は少しクラシカル。今ではすっかり有名になり、注がなくても読める固有名詞に注がふってあるのが時代の流れを感じます。

    • Pipo@ひねもす縁側さん
      kumakuma10さま:

      こんにちは、お運びありがとうございます。ユーザー名がちょっと面倒くさいので、Pipoとお呼びいただいて結構...
      kumakuma10さま:

      こんにちは、お運びありがとうございます。ユーザー名がちょっと面倒くさいので、Pipoとお呼びいただいて結構です。本棚、拝見いたしました。幅広く、しかも丹念に読んでいらっしゃって、素敵だと思いました。

      この本はずいぶん前に読みましたが、先日読んだ『女子とニューヨーク』にホリーが大きく取り上げられていたので、隣に並べ直してみました。原作を読んでも、やっぱり、田舎のアメリカ娘でなくて、アメリカに流れてきたヨーロッパ出身の女性っぽいイメージがついてまわるような気がします。ホリーに振り回されて終わる、ちょっとダークなファンタジーのような気もするのですが、彼女の「誰でもない感」と軽やかさがやっぱり魅力的ですね。村上訳も読んでみようかなと思います。

      だらだら読んだものの感想をだらだら書いているだけの雑な本棚ですが、お気軽にお運びいただければ嬉しいです。
      2012/09/07
  • 映画は観たことがないが、表紙が可愛くてジャケ買い。村上春樹訳と思ったら違った。買い直そうかな。
     表題作よりも大好きなのが『クリスマスの思い出』。おばちゃんと少年の友情がとても温かく、お金がなくても素朴なクリスマスを楽しんでいる。2人とも他人を思いやる心をしっかり持ち合わせており、切ないラストにも関わらず、読後は優しい気持ちになれる。クリスマスのお話の中でダントツ。
     もちろん、短編ほか2編も良い。表題作は嫌いではないのだが、どうしても印象が薄い。ホリーのようなタイプは同性だとイライラするが、異性には魅力的に映るものだろうか。ホリーと同じく何者にも縛られない飼い猫が、ちゃっかり安住の地を見つけていたことにはクスッと笑えた。


  • “「そりゃ、人間てやつはどんなものにも慣れてくるもんさ」
    (中略)
    「あたしはちがう、どんなものにも慣れるってことないの。そんな人間がいたら、死んだほうがましなくらいよ」”

    ホリーは何よりも束縛を嫌い、可愛がっている猫にも名前をつけない。目の前に差し出される映画スターとしての道やたくさんの男性たちからの献身や寵愛、夫との安定した暮らしにおさまらない。「自分の自我というものを失いたくない」というポリシーを貫き、自由と幸福を求めて彷徨う。

    『ティファニーで朝食を』の原作は、映画のようなハッピーなラブロマンスではない。むしろ、安住することなく、自分らしく人生を渡り歩いていくタフな一人の女性の物語に感じる。

    新潮文庫の文庫本には表題作のほかに『わが家は花ざかり』、『ダイヤのギター』、『クリスマスの思い出』の三作も収録されている。 いずれも表題作に劣らず少し皮肉で苦味の効いた、だけど不思議と心に余韻が残る魅力的な短編になっている。

    新潮文庫からは村上春樹による新訳版の『ティファニーで朝食を』も出ている。どちらの訳本も読んだが、どちらかといえば龍口直太郎の古風な旧訳の方が雰囲気があって好きなので引用文は龍口訳で書かせていただいた。

  • 若い頃に読み、ホリーの奔放さ、自分勝手さにイライラとした記憶があり、あまり好きになれなかった。
    翻訳独特の言い回しもその当時は好きになれなかった記憶がある。
    20代半ばに改めて読んでみると、ホリーを可愛いと思えた。

    ミス・ホリデー・ゴライトリー 、トラベリング
    好きなフレーズ。

    ホリーみたいな女の子って今の時代もいる。
    好き嫌いを主張できる潔さと、裏表のないサバサバ感、色んな事への執着のなさ、、その中で見え隠れする脆さや危うさ.....男の理想が詰まった様な女の子
    を、演じるホリーが愛おしく感じた。

    女に嫌われる独特のこの性質をカポーティーはよく取られていると、感心してしまう。
    周りの女性達がモデルだと聞いたことがある。
    観察力が鋭すぎる。

    オードリーに決まった時に、すごく嫌がったとどこかで見た。
    実際、映画はオードリーの清純さの為か、ホリーが辛さをさらけ出しハッピーエンドになる。
    小説は最後までトラベリングなホリー。
    そのホリーのが好きだ。小説の様に夢を壊さないホリーでいて欲しい。

  • # ティファニーで朝食を
    いなくなったホリーを懐かしむ。
    ホリーは出自からして恵まれておらず、なんとかして自分の居場所を作ろうともがいていて、そのエネルギーは内側から出ているっぽいところはいいんだけど、どうみても成功するとは思えず、ニューヨークを発ったあとは不安しかなくて切ない。語り手とジョーは、信憑性が薄くとも彼女の消息を聞けて少しは安心したのだろうな。

    # わが家は花ざかり
    ホテルでチヤホヤされて働くよりも、厳しくとも慣れた暮らしがいい。なんでだろう。

    # ダイヤのギター
    刑務所に慣れきっているようでいて、実は脱獄できるものならしたかった自分に気付いたものの、脱獄に失敗し、ちょっと惨めになる。周囲に合わせて、ちょっといつもの自分とは変えて無理してみたのに、結局自分は仲間に入れず恥ずかしい思いをするという感じは覚えがあって、痛い。

    # クリスマスの思い出
    年の離れたいとこ同士、家族からははみ出し物扱いされ、一文無しに近かったが、なんとなく仲良く温かかった日々の思い出。こういう感じ、別の話でも読んだことがある気がする。なんか好き。

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