大地(四) (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (327ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102099049

感想・レビュー・書評

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  • 中国から一転アメリカへ。ダイナミックに展開するかに見えて、自分のアイデンティティをさらに意識し、うちへと戻ってくる展開に驚く。アメリカでの自国に対する揶揄や蔑視に憤る王淵。自国を美化して考え、帰った時にそのギャップに悩む。一度は海外へ行ったことのある人は経験する苦い体験かもしれない。王龍から始まった3代の話はまた中国の土地へと帰っていく。

  • 戦争と平和に並ぶ、傑作。これ以上のものには人生でもう出会えないのではと思えるほどに。

  • なんでこんなに心が動くのだろうか。

    感想を持つのに時間がかかる。

    おもしろかった。

  • 読んだ!読み終わった。

    忙しい合間に読み続けました。連続ドラマがとうとう終わったような感覚ですが、それより深い感じがします。

    読む心地よさ、自分の中に登場人物が入り込んでくる感じは読書にしか味わえない感覚に、改めて浸っています。

    王龍の結婚から始まり、息子の時代、孫の時代と話は展開していきますが、それぞれの登場人物に一喜一憂しながらいろんなことを考えさせられました。

    長編はやっぱりいいです。
    次は何を読もうかな。

  • 王龍から3代目の孫たちを中心とする話だが、経済的にはぶりがよくこの家は安泰だなと思っていた次男の家が時代の流れて哀しい結末を迎え、怠惰な長男一家は繁栄のまま、主人公ともいえる王淵は経済的には恵まれながらも欧米での差別を受けたり親の借金の苦労をさせられたりで波乱の青春時代を送る。
    金持ちを憎みながらも貧乏人に苛立ち罵倒してしまう気持ちが共感できる。
    作者は外国人でありながらこの時代の中国をよくここまで詳細に中国を観察していたなと思ってしまう。
    王淵の恋が成就しそうで心地よい終わり方だったが、この後の中国も波乱続きであるため、王一族の(特に長男一家)の展開が想像される。

  • 祖父が手に入れた土地が、農耕の対象を離れて金儲けの手段になり、その手段をめぐって駆け引きが始まり…中国を舞台にある家族が奏でてきた人生。
    土地が最後には大地の広がりになり、他の大地との比較になり、新しい大地と古い大地の対立につながっていく。三からの、元の物語が、心に迫ってきて苦しい。自由であることは孤独であること、どこにも居場所を感じられない人民の気持ちや、国家を形成する貧しい人々に対するアンビバレンスな気持ち…光と影を描き切った素晴らしい作品。

  • 王虎の息子、淵が身勝手なことばかり考えて、
    親や周りの人の気持ちを全く考えない、ワガママな人間だと
    読んでいて腹立たしく思うのだが、

    中国特有の気持ちを極端に表現する国民性を差し引いて考えると、
    自分が生きてきた中で、親や周りに対して
    淵と同じように振る舞ってきたのではないかと、思ってしまう。

    自分は常に正しく、周りは間違っている。
    人は誰でも、そう考えてしまう傾向があることを、
    忘れないよう、謙虚に生きたい。

  • 1~4、もう一度読んでみたい作品

  • 「中国的な家族」がよく分かる古典的名著。

  • 結局どんな人生でも全てを受け入れて進んでいかなければならない。
    人によって異なるけれど
    それぞれの心の中にしかその進む道はない。
    いい人生を送らせてもらっています。

著者プロフィール

(Pearl Sydenstricker Buck)
1892-1973。アメリカの作家。ウェスト・ヴァージニアに生まれる。生後まもなく宣教師の両親に連れられて中国に渡り、アメリカの大学で教育を受けるため一時帰国したほかは長く中国に滞在し、その体験を通して、女性あるいは母親としての目から人々と生活に深い理解をもって多くの作品を発表した。1932年に『大地』でピュリッツァー賞を、38年にはノーベル文学賞を受賞。また1941年に東西協会設立、48年にウェルカム・ハウスの開設と運営に尽力するなど、人類はみな同胞と願う博愛にみちた平和運動家としても活躍した。

「2013年 『母よ嘆くなかれ 〈新装版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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