勝者に報酬はない・キリマンジャロの雪: ヘミングウェイ全短編〈2〉 (新潮文庫)

  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (404ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102100110

感想・レビュー・書評

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  • ワイオミングのワイン、世界の首都、フランシス・マカンバーの短い幸福な生涯が良かった。
    それぞれに違った種類の緊張感があって、物語に引き込まれる。短編に重要なのは緊張感だと気付かされる。

  • 「ヘミングウェイの『キリマンジャロの雪』に出てきたハイエナのことを覚えているかい、君?」
    「ええ、もちろん。私、あの話好きだったもの」
    -偉大なるデスリフ,C・D・B・ブライアン,村上春樹訳

  • 先日読んだ「生き物の死にざま」の中で[キリマンジャロの雪]の冒頭の一節が紹介されていたので読んでみることにしたのだが,なんと翻訳物は,Kindleには存在しないらしく,短編のようだから原文でも良いか(原文ならkindleにもある)と,原文を少し読んで見たのだが,さほど難しくは思えない文の割にはさっぱり状況が分からないのであきらめて図書館で文庫本を借りてきた。
    しかし日本語で読んでも「キリマンジャロの雪」はよく分からない。状況についての説明が一切ないのだ。読んでいくうちに何となく分かっては来るのだが...。世界的な文豪の各小説とはこういうものだったろうか? 随分久し振りに読むので忘れてしまった。結局何が書きたいのかよく分からなかった。一緒に収録されている「勝者に報酬はない」についても同様。唯一「フランシス・マカンバーの短い幸福な生涯」だけは面白かったが。アフリカでの「サファリ」がどういうものか初めて知ったし、どれだけ危険なものかも良く分かった。

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  • キリマンジャロの雪、意外なくらい内省的。他の作品では『エデンの園』でも示されたヘミングウェイの「女性的なもの」への志向も垣間見える部分もある。個人的には「フランシス・マカンバーの短い幸福な生涯」がヘミングウェイらしくて好み。

  • 2019.8.30 図書館

    前回よりも全体的に心情がわかりやすくて人情味があった。
    ハードボイルド感を残しつつも、読みやすい話が多い。

  • 摂氏と華氏の違いを知らずに死んでしまうと悲観する子供を描いたクスッとするような話から、死の博物館のような生々しい話から幅が広い。普遍的な話もあるけど、どちらかというとアフリカでの狩猟を描いた作品はその時代だから受け入れられた、という感じがする。
    ただ、訳者の解説でヘミングウェイの怪我の遍歴が書かれていて、サメを捕獲するのに誤まって自分の足を撃ち抜いたり、トイレの紐を引っ張るのを間違えて天窓のそれを引っ張り額にガラスを直撃させるというおっちょこエピソードに声を出して笑ってしまった。

  • 読むのが難しかった。読みたかった『キリマンジャロの雪』は解説を読まないと最後意味がわからなかった。。。ヘミングウェイ難い

  • 「キリマンジャロの雪」が読みたくて、約20年ぶりに読んだヘミングウェイ。

    酒と女と狩猟と海と。
    私の中のヘミングウェイのイメージそのままの作品群。

    ヘミングウェイの描く登場人物は、よく似ているように思う。男性は男くさく、女性は女らしく。それは、彼の考える男性像、女性像なんだろうけど。
    簡潔な文章で生き生きと描き出される男女が、独特の世界観を醸し出す。

    「キリマンジャロの雪」は再読。最初に読んだのは多分10代の頃。ハリーは妻に暴言を吐くだけのイヤな奴に思えた。
    大人になって読んでみると、作者の死生観とか、大自然の中での人間の価値観とか、また違う作品のように思えた。
    この歳になって、いわゆる名作と言われる作品を読み直すのも面白いかも知れない。

  • ヘミングウェイ全短編二冊目.キーウェスト時代の短編集ということになる.
    短編集「勝者に報酬はない」の他に,「世界の首都」「フランシス・マカンバーの短い幸せな生涯」「キリマンジャロの雪」を所収.一巻目よりストーリーの流れは良くなったが,印象に残るものが少なくなってしまった.
    アフリカのサファリを題材にした,「フランシス・マカンバーの短い幸せな生涯」「キリマンジャロの雪」がその中ではいい.

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著者プロフィール

Ernest Hemingway
1899年、シカゴ近郊オークパークで生まれる。高校で執筆活動に勤しみ、学内新聞に多くの記事を書き、学内文芸誌には3本の短編小説が掲載された。卒業後に職を得た新聞社を退職し、傷病兵運搬車の運転手として赴いたイタリア戦線で被弾し、肉体だけでなく精神にも深い傷を負って、生の向こうに常に死を意識するようになる。新聞記者として文章鍛錬を受けたため、文体は基本的には単文で短く簡潔なのを特徴とする。希土戦争、スペインでの闘牛見物、アフリカでのサファリ体験、スペイン内戦、第二次世界大戦、彼が好んで出かけたところには絶えず激烈な死があった。長編小説、『日はまた昇る』、『武器よさらば』、『誰がために鐘は鳴る』といった傑作も、背後に不穏な死の気配が漂っている。彼の才能は、長編より短編小説でこそ発揮されたと評価する向きがある。とくにアフリカとスペイン内戦を舞台にした1930年代に発表した中・短編小説は、死を扱う短編作家として円熟の域にまで達しており、読み応えがある。1945年度のノーベル文学賞の受賞対象になった『老人と海』では死は遠ざけられ、人間の究極的な生き方そのものに焦点が当てられ、ヘミングウェイの作品群のなかでは異色の作品といえる。1961年7月2日、ケチャムの自宅で猟銃による非業の最期を遂げた。

「2023年 『挿し絵入り版 老人と海』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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