人間の土地 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102122020

感想・レビュー・書評

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  • サン・テグジュペリ『人間の土地』読了。星の王子さまの筆者らしい詩的情緒あふれる文体は、時折難解な表現を見せるも、銀河鉄道の夜のような幻想的な光景を醸し出す。しかしその原点は飛行機乗りの過酷な体験であり、そこから投げかけられる文明批判は独特で辛辣。人間とは何かを問うた名著だ。

  • 極限の精神状態を経験した筆者にしか表現できない人間の本質と美しさ。
    またいつか読みたい作品。『星の王子様』と一緒に

  • 当時の壮絶な経験を垣間見ることができる貴重な書。
    壮絶なのに美しい表現で語られるのでどこかおとぎ話のようにも思える。
    粘土を人間たらしめる高潔な精神は、筆者のような壮絶な経験から産まれることもあるだろうが、一方で本来備わっているものであり、それを自分が認識できるかどうかというところに希望があるように感じた。

  • 「星の王子さま」のことが少しわかった気持ちになる
    こんなふうに世界を愛して一生懸命生きられたら幸せだろうな〜

  • 「勝利は最後に腐るほうの側にある。しかも双方とも、たいていは同時に腐ってしまうのだ。」

    難しい単語ばかりで読みにくかったけど、分かりやすく端的に、このようなことを記している箇所もある。

    星の王子さまが好きで、『夜間飛行』と共に試みたが、こちらのほうがまだ読み応えがあったかも。
    2冊とも、またふとした時に再読したいと思う。

  • 昔のパイロットの視点から見たり感じたりした事柄を人類共通の学びに落とし込んでいく本。

  • 「サン=テグジュペリ」の『人間の土地』を読みました。

    「サン=テグジュペリ」の作品って、絵本『星の王子さま』しか読んだことがなかったのですが、、、
    飛行家としての「サン=テグジュペリ」に興味があったのと、「宮崎駿」のイラストに惹かれてしまったのと、二つの理由で購入しました。

    -----story-------------
    "我慢しろ……ぼくらが駆けつけてやる!……ぼくらのほうから駆けつけてやる!"サハラ砂漠の真っ只中に不時着遭難し、渇きと疲労に打克って、三日後奇跡的な生還を遂げた「サン=テグジュベリ」の勇気の源泉とは……。
    職業飛行家としての劇的な体験をふまえながら、人間本然の姿を星々や地球のあいだに探し、現代人に生活と行動の指針を与える世紀の名著。
    -----------------------

    読む前は、空を飛ぶときの嬉しさや愉しさを描いた物語を想像していたのですが、、、
    「サン=テグジュペリ」が、飛行家としての経験や思い出を土台として、人間の生き方を説いた哲学書… って感じの内容でしたね。

    人間の本然とは… 色々と考えさせられる書でした。

    そして、人間関係の豊かさを"真の贅沢"と考え、物質面での豊かさやイデオロギーよりも、友情を大切にした「サン=テグジュペリ」の生き方や、リビアの砂漠に墜落し一滴の水もなしに三日間歩き続けて生還した精神面の強さに感心させられましたね。


    でも、文章がちょっと難解だったので、、、
    「サン=テグジュペリ」の伝えたかったことを、どこまで理解できたかは、ちょっとわかんないですけどね。

  • 難解。
    自分の読解力・経験では、まだ腹落ちまでいけなかった。
    ただ、実はサン=テグジュペリの言いたいことはシンプルのような気もする。
    「自分の本然とは何か」。自分自身、そして我々を見つめ直す契機となる本だった。
    将来、再び挑戦したい。

  • 3.83/4919
    『“我慢しろ……ぼくらが駆けつけてやる!……ぼくらのほうから駆けつけてやる! ぼくらこそは救援隊だ!”サハラ砂漠の真っ只中に不時着遭難し、渇きと疲労に打克って、三日後奇蹟的な生還を遂げたサン=テグジュペリの勇気の源泉とは……。職業飛行家としての劇的な体験をふまえながら、人間本然の姿を星々や地球のあいだに探し、現代人に生活と行動の指針を与える世紀の名著。』(「新潮社」サイトより)

    原書名:『Terre des hommes』(英語名『Wind, Sand and Stars』)
    著者 : サン・テグジュペリ (Saint-Exupery)
    訳者:堀口 大学
    出版社 ‏: ‎新潮社
    文庫 ‏: ‎208ページ

  • ご存知「星の王子さま」の作者サン=テグジュペリが飛行機乗りとしての経験を綴った自伝的随筆。

    翻訳が(原文もそうなのかもしれないが)あまりに詩的で古風な文体だったため、途中で読むのを諦めそうになってしまった。

    しかし、後半の砂漠への不時着のエピソードまで行くと、そんなことも忘れてしまうほど圧倒的な迫力、リアリティだった。人はここまで過酷な状況で何を考えるのか。何が見えるのか。

    リチャード・バックの「かもめのジョナサン」を読んだときにも感じたことだが、常に命をかけて操縦し続けなければならない飛行機というものは、パイロットを悟りにも似た境地に連れて行くのかもしれない。

    宮崎駿氏による表紙と解説も嬉しい。

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著者プロフィール

アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ。1900年6月29日、フランスのリヨン生まれ。
幼少の頃より飛行士に憧れてその職につく。飛行士と兼業して、飛行士の体験をもとに『南方郵便機』、『夜間飛行』などを発表。
第二次世界大戦中、亡命先のニューヨークにて『星の王子さま』を執筆し、1943年に出版。同年軍に復帰し、翌1944年7月31日地中海コルシカ島から偵察飛行に飛び立ったまま、消息を絶つ。
その行方は永らく不明とされていたが、1998年地中海のマルセイユ沖にあるリュウ島近くの海域でサン=テグジュペリのブレスレットが発見される。飛行機の残骸も確認されて2003年に引き上げられ、サン=テグジュペリの搭乗機であると最終確認された。

サン=テグジュペリの作品

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