シャーロック・ホームズ最後の挨拶 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102134092

感想・レビュー・書評

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  • タイトルからして最終巻っぽくも見えるけど、そういうわけでもないという巻。
    「最後の挨拶」は1914年が舞台。ホームズものというと19世紀末ロンドン、なイメージがあるけど、20世紀の話もあるんですね~。

    「ボール箱」は切り取られた人間の耳が送られてくるという話で、子ども心にインパクトがあり、印象に残ったものでした。「ウィステリア荘」の台所の様子も。子どもはわりと怖いものが好き。

    「悪魔の足」ではホームズさんとワトスンさんの絆が好きで、こちらも上のとは違う意味で印象に、心に残ってます。二人の絆といえば「瀕死の探偵」もね。
    「悪魔の足」は荒れ地に遺跡という舞台も好きだな。

  •  遂に最終巻。刊行順では『事件簿』が最終巻だが、どこかでお勧めされていた順番では最後。『ボール箱』は、塩漬けの耳を送るという発想が恐ろしい。特に面白かったのは『瀕死の探偵』。ホームズらしからぬ行動と思っても、ワトスン同様ついつい騙されてしまった。警察ではなく相棒を頼るホームズ。2人の関係性が素敵。『悪魔の足』の実験で危うく命を落としかけるホームズがお茶目で面白い。ホームズのキャラクターにすっかり魅了された頃にシリーズ読了してしまうのが寂しい。次はそろそろポアロに進もうかな。

  • 「シャーロック・ホームズ」シリーズ第四短編集。『瀕死の探偵』『最後の挨拶』が特に印象深い。どちらもシャーロック・ホームズの演技に騙された。また、『悪魔の足』では、ホームズの化学者としての一面がより顕著で、トリックが解明されたときのカタルシスが大きかった。

  • 既読本

  • これまでの短編に比べて、色々と手法を変えて飽きさせない工夫は見受けられるが、そこまでインパクトのある話は少なかった。その中でも時系列的に最後のエピソードと思われる最後の一遍はなかなか味わい深い作品だった。

  • これまでの短編とは同じにならないように、著者が工夫を凝らして書いたんだろうなと想像できる、楽しい短編集だった!

    一番好きな話は「瀕死の探偵」かな〜
    ホームズの性格とサプライズがあって印象的だった。
    でも今回はどれをとっても事件の発端がこれまでとは違って不気味な感じがして、ミステリっぽい!と思った。

    「最後の挨拶」は、第一次世界大戦の影が色濃く出ていて、今までホームズを読んでいてこんなことは初めてだったので、戦争の与えた影響の大きさをぼんやりと感じた。

  • シャーロック・ホームズによくある、謎解き後の被害者の過去回想が個人的に苦手。。。

  • 1遍ずつ雰囲気を味わいながら読むことができ、ますます引き込まれる。ここまで読み進める中で得たホームズとワトスン博士のキャラクター感があってこそ楽しめる短編集。
    これまではホームズの知性を越えると思われるキャラクターはあまり出てこない印象であったが、この短編集では知性に富んだもの通しの闘いなどが描かれており、どこか悔しさを感じさせる場面もあった。
    発表順にホームズシリーズを読むことで当時世界を的熱狂を感じて貰いたい

  • 犯人が残忍だったり、とにかく猟奇的な事件が多い印象だった。
    見所としてはフランシス・カーファクス姫の失踪。生きている人間をクロロホルムで寝かせつけ、棺桶に詰め込みそのまま火葬するというシュレシンガーの鬼畜っぷりには戦慄した。間一髪、トリックを看破してフランシス嬢を救い出すシーンはバスカヴィル家の犬でヘンリーが死亡したかのように思えたが生きていたシーンのように気持ちが高揚した。
    ボール箱も極めて印象深い作品となった。ドイル作品の女の癖はかなり強いが、この作品の登場するセーラの野暮ったさは一度読んだら忘れられない。周りを掻き乱しに掻き乱して、殺人事件まで起こす下衆っぷり。この女は懲らしめられるべき、と思いながら読んでいたが、セーラは物語に良いスパイスを与えたといえる。

  • 「瀕死の探偵」が傑作だった。ホームズはこうやってワトソンをあっと言わせてる姿が本当に似合う。ワトソンのことを褒めている中でも結構毒舌なのがまたいい。最高に驚かされて笑った。
    他は「ボール箱」と「フランシス・カーファクス姫の失踪」が好き。前者はホームズでは珍しい残忍さと後味の悪さが癖になる。後者は焦るホームズが見られる上にワトソンの医者っぷりが拝めるのが良い。そしてやっぱりホームズはワトソンに対して毒舌なんだよ。最高。
    全体を通して、ホームズとワトソンの相棒っぷりが際立っていて本当にいい2人組だなぁと改めて実感。別々に暮らしているのはなんだか寂しいけど、久しぶりに会っても相変わらずな調子なのがほっこりした。

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著者プロフィール

アーサー・コナン・ドイル(1859—1930)
イギリスの作家、医師、政治活動家。
推理小説、歴史小説、SF小説など多数の著作がある。
「シャーロック・ホームズ」シリーズの著者として世界的人気を博し、今なお熱狂的ファンが後を絶たない。

「2024年 『コナン・ドイル⑥緋色の研究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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